進入
夜の10時になった
「行くか。」
「そうね。行きましょう。」
俺たちは部屋を出て、非常階段を降りた
「武器はっと、やっぱり心元ないな。」
「仕方ない。軍隊じゃなからね。戦わなくても済むように祈りましょう。」
そんなことは絶対にないな、っと、思いながらも頷く
「さてと、どこから侵入する?」
「荷物搬送口。もしくはごみ集積所。メインゲートは却下。」
荷物搬送口は無理だな、カメラの数が多い
「さてと、それじゃあ行きますか。」
「安全運転でおねがいね。」
黒塗りのワゴン車は、ホテルの駐車場をでて、遊園地へ向かった
「クリア。」
「クリア。順調ね。」
俺たちは車を森の中に隠して、ごみ集積所に向かった
「カメラは、あそこに一台。向こうの屋根の上に一台。」
「屋根を歩きましょう。お願い。」
白猫が少し後ずさりをして、俺は両手を皿のようにした
「っそい!!」
白猫が手に足を乗せたのを見計らって、俺は手を思いっきりあげる
「OK。引き上げるから、少し待って。」
白猫がロープを投げて、俺がロープを伝って登った
「ロープはこのまま残しておきましょう。」
「そうだな。行くか。」
俺たちは屋根の上を歩いて、園内が見える場所まで上がった
「やっぱり何かあるみたいね。」
「どうしてわかる?」
屋根を上り、園内の装飾のため、表向きは中世の町のように作られた、実際はただの箱の建物の屋根から園内を見下ろしたとき、白猫が呟いた
「見回りが多すぎる。同じ場所をぐるぐる見回るだけじゃなく、車まで使うなんて変。おまけに、」
「銃まで持っているなんて、ってとこか。」
「話を被せないで、でも、そう。」
確かに、車の上には小型のサーチライト、歩く兵士が持っているのはショットガンか?銃の先にはライトがついていて、目立つ事この上ない
「はい。黒確定。」
「はーっ。今日はハードだな。」
車は人の歩くスピードでゆっくりと進み、俺たちから見えない位置まで走り去った
「さて、どうする?」
「2人ほど気絶させて服をはぎ取りましょう。」
「それが確実だな。」
面倒だな
「まあ、やるしかないなら、ちゃっちゃとやってしまおう。」
「二人組か、一人を狙いましょう。車もできれば。」
「車は目立つ。まあ、二人組か一人を狙うのは賛成だ。取りあえず、移動するか。」
「屋根を行きましょう。」
また屋根の上か、苦手なんだよな。高いところ。
「高いところが苦手、なんて言わないでしょ?」
「高いところが苦手です。はい、言いました。」
「行きましょ。早めに、素早く。」
話は聞いてくれないようだ