月明かりの元で
月が綺麗だ
暗い森を走りながらそう思った
体から黒い毛がみっしりと生え、イヌ科特有のとても良い嗅覚
姿はまるで大きな狼の様な姿をしている
これでも立派な人間だった・・・・っとは思っていないが、まともな人生を進んだ・・・・のか?
少なくとも、数年前までは人間だった
正確にいえば、先ほど30分前までは人間の姿をしていたが・・・・。
合流エリアは、もうすぐだな。
俺は、森の中に所々にある匂いを辿って森の中を静かに、それでいて早く進んだ。
「お疲れさま。」
俺は、森の中の少し開けたところで、女性を見つけた
「白猫。ターゲットは?」
俺は、今すぐに眠りにつきたい気持ちを抑えながら、そう聞いた
「あそこ。ぐっすり眠ってるよ」
ようやく、ようやくこの日がやってきた
「待ちに待ったな。」
「そうね、でも、まだお預けよ。」
ここはまずいから移動しよう、っという表情で話した。
まあ、真っ暗闇だから顔なんて見えるはずもないのだが
「そうだな、移動するか。」
俺は、獣から人に変身して、男を担ぎ上げた
「これで何ができるかしら?」
「さあな?でも、これでこれからの目標が決まったな」
俺たちは、先ほど手に入れたデータの入ったUSBメモリーを
俺は、担いでいた人間を地面において近くにあった気に縛り付けた
「おい、起きろ」
俺は縛りつけた人間に声をかけた
「・・・・・・」
「寝たふりは通用しない。今すぐ起きろ」
「・・・・・・」
俺は小型のナイフを抜いて
「これで起きるかな?」
「ひっ」
男はすぐに目を覚ました
「頼むまってくれ!」
「俺たちに都合のいい情報を教えてくれるのか?」
男は必死の形相で、
「俺は関係ないんだ!俺の配属されていた場所は研究チームじゃない!だか」
「そんなことは聞いていない。お前は、どのチームに所属していたんだ?」
男はうつむきながら、
「おれは・・・、警備のチームに」
「嘘だな。」
俺はタブレット端末を起動させて、男の見せる
「お前は二年前から人攫いのチームに所属していた。」
タブレット端末の光で真っ青になった男の顔が浮かび上がる
「地域は主に中国。一人っ子政策で出生届を出していない子供・・・・、主に農家の女の子を取り扱っていたようだな。」
「そ、それは・・・・」
「おまけに、」
俺は、タブレット端末の名前と顔が入ったフォルダーを開いて、
「お前は研究チームにも子供を下していた様だな。売った子供よりも仕入れた子供が多いのはなぜだ?」
男の顔は完全に真っ青になった
「お前は購入した子供のうち、いい商品だけを自分の物にした。もしくは、腐った金持ちに売った・・・・、違うか?」
完全に死んだような顔をして、タブレット端末を見る男
「だから、お前は他のチームの反感を買った・・・・。だから逃げ出した。」
「・・・・・。」
「もう一度聞こう。俺たちにとって都合のいい情報はあるか?」
先がとがった、サバイバルナイフを取り出した
「こ、この森の中に昔使っていた倉庫がある。そこに、研究所へのカーナビがついた車と、入場許可証を発行するためのパソコンがある。」
「生き方は?」
男は服の胸ポケットから鍵とタブレット端末をゆびさして
「これに全部ある。行き方も!」
「そうか。」
「たっ、頼む!命だけは・・・。」
俺は笑いながら
「もちろん。いい情報をくれたからな。命は助けてやるよ。」
男はほっとした顔をした
「それじゃあ、行こう。白猫。」
「そうね。」
俺はナイフを男に刺した
「がっ、がほっ・・・なっ、なんで・・・・。」
「ナイフで刺された程度なら死にやしない。」
俺は、男を縛っていたロープが固く結ばれているのを確認して、
「好きなだけ助けを呼べばいい。」
俺は男から受け取ったタブレット端末を起動させて、
「行こうか?白猫。」
「そうね。」
俺たちはタブレット端末の地図を頼りに暗い森を歩いた
後には苦しそうな声を上げる男が残された