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う そを愛した男の子とあ いに飢えた女の子の話  作者: 海和
【番外編】 小林ひなみ
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【番外編】 隣 の 青 春 記 1


―― そして今日、私たちはこの青垣中学を卒業します。私の三年間は、とても楽しく、充実した日々でした。



ねぇ、そんなのずるい。

あなたはあたしに、一縷の希望も持たせないままこの学校を卒業していくの…?







 05:30 あたしは目を瞑ったまま、枕元にあるアラームを止めた。しつこく鳴って親が部屋に怒鳴り込んで来る前に止めなくちゃ。

 学校に行く前にシャワーを浴びて、髪をきちんとセットする。化粧できない中学生のせめてものオシャレじゃん?――この人のために頑張る、っていうのがないからちょっと目標がなくて残念なんだけど。

 少し胸元のリボンを緩ませて、スカートも折る。今日は卒業式で、先生の目も厳しそうだからいつもより長めにね。



 07:08 最寄りのバス停で友達と待ち合わせして、そこからバスに乗り込む。今日は卒業式らしくって、すこし車内も緊張気味。

 んー、あたしには関係ない話だよね。隣にいる友達は2コ上の同じ部活の先輩と付き合っている。今日で卒業。笑顔であたしと会話してくれてるけど、きっと心の中は寂しさで溢れてるんだろうな。彼氏がいるって、なんか特別で、でもめんどくさそう。他の女の子と話してるだけで怒っちゃったり、連絡がこないだけで心配になっちゃったり。

 周りの友達が次々にリア充に昇格して、あたしは取り残された気分になるけど、リア充たちの悩みなんて聞こえてくる機会も多くて、そんなこと言われたらあたし、彼氏作るのなんてまだまだ先でいいや、って思っちゃう。学生生活、きっとあたしは大学には行かないけど高校には行く。なら、高校で作ればいいんじゃん?その頃になったらあたしもちょっとは大人になってて、多少の浮気行為も大きな顔して許せる強い女になれて…たらいいな…ぁ。



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