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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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押したら死ぬボタン

作者: ナベ剣
掲載日:2026/08/25

 

「死にたい」と思う人間は病気らしい。


 何かしらの精神的な病気で正常な思考ができなくなった結果、人間は「死にたい」と思うらしい。


 死にたくなる病気とは何のためにあるんだろう?


 身体が死んだほうが良いと判断したのだろうか?


 人間の身体は人間という種の数が増える方向へ向かうはずだ。


 人間という種が増えるために俺達は「死にたい」と思わされているのだろうか?


「死にたい」と思う人間に子孫を残してほしくないということなのか?


 死ぬことが確定している人生に於(お)いて、生きている時間を少なくしてまで死ぬことは合理的なのだろうか?


 世間では自殺してはいけないとよく言うが、ふと湧いてきた「死にたい」という願望に対して俺達はどう対処すればいいのだろうか?


 死ぬことのデメリットはなんだろう?


 生きることのメリットはなんだろう?





 今、俺の前に【押したら死ぬボタン】がある。


 机の上にあるこのボタンは死神からの贈り物だ。


 3日前、世界中の「死にたい」と思っている人の前にこのボタンが現れた。


 このボタンの効果は本物であり、3日前から世界中で一斉に人が死に続けている。


 世界は混乱しているし原因究明を急いでいるが、未だに原因は分からず死亡者も増え続けている。


【押したら死ぬボタン】を押したら押した人間はその場で死ぬ。


【押したら死ぬボタン】は所有者にしか見えないし触れない。


「死にたい」と思った瞬間にはそこにあり、押した人間を簡単にあの世に連れていく。


 正に神の所業(しょぎょう)である。


 そのボタンが俺の前にもある。


 3日前、俺の前に突然このボタンが現れた。


 趣味の悪いいたずらかとも思ったが、押して損はないと思った。


 息を止める苦しさも電車に潰される痛みも感じないまま死ぬ事が出来るのは素晴らしい事だからだ。


 俺は迷わず押した。


 そして死んだ。


 しかし俺はまだ生きている。


 なぜ俺がまだ生きているのかというと、簡単に言うと死に戻りをしたからだ。


 死に戻りとは死んでも死ぬ前の時間に戻るというもので、リ〇ロのス〇ルが持っている能力でもある。


 しかし、俺とリ〇ロのス〇ルの死に戻りは違う。


 リ〇ロのス〇ルとは違い、俺の死に戻りは一回限りだ。


 なぜ分かるかと言うと、分かるから分かるとしか言いようがない。


 まあこれも神の所業(しょぎょう)なので、深く考える意味は無い。


 俺が前回死んだ時間から3日が経った。


 なぜ前回と違い、3日も長く生きているのか。


 それはこの【押したら死ぬボタン】によって世界がどう変わっていくのかが知りたくなったからだ。


 それに死にたい人間が世界にどれくらい居るのか知りたかった。


 まぁでも【押したら死ぬボタン】が現れてから、死んだ人が多すぎて正確な数は分からなかった。


 ということで、もうやり残した事は無い。


 さよなら。









俺も押したら死ぬボタン欲しい

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