第9話。見透す力は私が許可してからよ。
エリザベスはリリスを徹底的に追求する。
あまりの迫力にリリスは涙目になる。
エリザベスは遂には……。
リリスは余りの衝撃で泣きながら退室する。
リリスが退室してから1時間が経過していた。そしてエリザベスは部屋のテーブルを見つめていた。
それはメイドたちが慌てて退室したせいなのか。
大事なホワイトブリムを置いて行ってるからだ。エリザベスは軽くため息を吐く「はぁ」と。
エリザベスは6人分のホワイトブリムを持って部屋を退室する。使用人が暮らしてる女子寮へと向かう。
エリザベスは小声で、ゆうに話しかける。
「いいわね、勝手に見透す事は許さないわよ」
『安心しろ、俺にも紳士的な所はある、多分』
「ゆう、今から行くのは女子寮よ、消えなさい」
『どうやってだ、無言しか無理だ!それと従うさ』
「決まりね、これからは私が判断をするわ」
こうして「ゆう」は完全に「下僕」へとなる。
「合図は私のヒール「かかと」を2回鳴らすわ」
『なるほど、了解した、エリザベス様』
エリザベスは必要な時に、かかとを地面に鳴らす事で合図を送るようにした。これならば「独り言」が漏れても、言い訳が聞く。
そしてエリザベスは使用人が暮らす女子寮に急ぐのであった。宮廷の外へと向かう。
使用人が暮らしてる場所は宮廷の近くの洋館屋敷であった。エリザベスは貴族たちと会う度に挨拶礼法をした。
中には愚痴をこぼす為にエリザベスを止める者もいた。内心、エリザベスは苛立ちを隠していた。
「そろそろ用事がありますの、失礼を致しますわ」
「おっほほ、ごめんなさいね、エリザベス様」
お互い挨拶礼法をして去っていく。その女性はエレガントな服装をしていた。ようやく解放されたエリザベスは急ぐのである。
近いのに40分もかかってしまう、これが貴族なのか。と「ゆう」は呟く。
エリザベスは入り口の扉を叩いて待機する。慌てて扉を開ける、メイドの使用人がいた。
「え、エリザベス様!誠に申し訳ありません!」
「どうして謝るの?これを届けに来たのよ」
「あっ!こ、これは、忘れてました……失礼を!」
「いいのよ、気にしないで、所で?」
「は、はいっ!な、なんでしょうかっ!」
「リリスは居るのかしら?今どこに居るの?」
「リリス……?あっ!泣き虫リリスですね!」
エリザベスは使用人を睨みつけるのである。睨みつけられて使用人は目が泳いでいた。
「人前で、言う事ではないわよね?」
「し、失礼を致しました、リリスは庭園です!」
「教えてくれて感謝を致しますわ」
エリザベスは挨拶礼法をする。それを見た使用人は慌てて挨拶礼法をする。いきなりの事で慌てる使用人。エリザベスは微笑みながら去っていく。
使用人は慌てて扉を閉める。それを見ていたエリザベスは呟く。
「泣き虫リリスて呼ばれてるのね、あの子は……」
すると使用人の管理人と鉢合わせする。エリザベス。頭をふかふかと下げる管理人であった。
管理人に挨拶礼法をして急ぐのであった。
こうしてエリザベスは「泣き虫リリス」を探すべく庭園へと向かう。
次回、第10話。泣き虫リリス。