第5話。心を視る力。
エリザベスは『悪魔』と向き合うべく。賭けにでる。
賭けに負ければ身体を乗っ取られるだろうか……。
そんな恐怖を覚え始めるエリザベスであった。
一刻も追い払う事をしなければ生活に支障がでる。
エリザベスの闘いが始まろうとしていた。
エリザベスは人が多いそうな所へ移動をしていた。庭園から回廊へと向かう。回廊は人が必ず通る道であるからだ。
(※回廊。建物内の大切な場所と繋がる、長く続く廊下の事である。国にもよるが中には豪華絢爛な回廊もある)
エリザベスは暮らしている宮廷内の回廊は立派になっていた。職人の技が見てとれる。
天井は石造りのアーチ型天井。シャンデリアが豪華さを演出していた。そして壁には壁面の装飾が飾られていた。聖人の姿を描いたフレスコ画が施されていた。小さな窓があり、自然な光も取り入れていた。床には石張りが敷かれていた。
回廊では多くの人が通っていた。多国から来る外交の為の使者もいた。
エリザベスは怪しまれないよう平常心を装う。ここで悪魔が取り憑かれたの!と叫ぶと「異端者扱い」されかねないからだ。
『『門番の浮気を見て脅したら金を貰えるとはな』』
『『へへ、これからは脅して次は金貨だな』』
『あそこの掃除している使用人、アイツはな……』
エリザベスは掃除をしている使用人に近寄る。
「そこの者!私の質問に答えるのです!」
「こ、こ、これは!エリザベス様!!」
エリザベスは使用人の目と鼻まで近寄り、耳打ちするのであった。
エリザベスは「かくかく しかじか」と伝える。
使用人は尻もちをついて頭を地面につける。
「お、お、お願い致します!お、お許しを……!」
「立ちなさい、あなたを密告します」
「そ、そんな!銀貨をお返し……ですから……」
「お黙り!人の弱さにつけ込むなど……」
「国の恥さらしと思え!愚か者め!」
「番兵!番兵はおらぬか!この者を捕まえよ!」
するとエリザベスのかけ声と共に武装した番兵が近寄る。番兵は剣と盾を備えていた。
「エリザベス様!かしこまりました、来い貴様!」
「ち、違う……無実だ!その女はいかれてる!!」
使用人は番兵に連行されながら叫び続けたのである。「その女は……妄想被害だ!無実だぁ!」
回廊を通る群衆たちは最初は何事か?と呟いたが無視して、それぞれ普段通りに戻る。
『あと2回で俺の勝ちになるな、エリザベス』
「……」
エリザベスは悪魔の声を聞いては事件を解決していく。2回目は盗んだ金貨の女性貴族を質問する。女性貴族は「知らない」の一点張りだったが。番兵を呼ぶと降参した。
泥棒女性貴族は叫びながらエリザベスを罵って連行されていく。またもや悪魔の囁きが的中させる。
『どうだ?信じてくれるようになったか?』
「……」
エリザベスにとって心境は複雑になっていた。悪魔の囁きで「犯人」が特定される……。
そして最後は殺人を犯して証拠隠滅を図った貴族の男性を特定する。エリザベスはすぐに番兵を再度呼びつける。貴族男性は抵抗もしないで降参する。
貴族男性は堂々と連行される。そして軽くエリザベスを睨みつけるのであった。
こうして3回目とも悪魔の囁きが的中したのであった。エリザベスは覚悟して誰も居ない所に移動する。
『エリザベス、お互い、話しをしょう』
「いいでしょう……誰も居ない所に移動しますわ」
次回、第6話。主従関係。