第2話。その名はエリザベス・グレイシャル。
エリザベス様!起きてください!
国王がお呼びになってます!
起きてください〜!!
メイドは决心して、エリザベスのほっぺを叩く。
「パチーン!」
エリザベスはガバっと起き上がる。ボーッとしたような目でメイドを見つめる。メイドは明らかに目が泳いでる。目をそらす。
『マジかよ、今、叩いたよな?叩いたぞ!』
「い、痛い……叩いたでしょう?私は王女なのよ!」
「いえ!わ、私は叩いていません!誓います!」
エリザベスはベッドから立ち上がり。目をこする。相変わらず空耳が聞こえてくる。
「ねぇ?隣に誰か居るの?使用人かしら?」
「いえ、誰もいません、エリザベス様」
隣の部屋はエリザベスの置物部屋である。きっと隣の物置で使用人が整理をしてるのだろう。とエリザベスは思っていた。
「お父様がお呼びですって?いったい何が?」
「誠に申し訳ありません、緊急みたいでしたので」
「分かりました、今から向かいます、下がりなさい」
メイドは頭を下げて下がるのである。
エリザベスは部屋から出て王の間を目指すのである。
すると数人の男女の使用人と鉢合わせする。使用人はエリザベスをチラチラと見つめるのである。頭を下げる。
『『ふん、所詮、王の血が流れてるだけの女だ』』
『『なによ、王が浮気して産まれた王女のくせに』』
『エリザベスの悪口かよ、浮気で生まれたのか』
「えっ!?今、何か言ったかしら?」
エリザベスは後ろを鉢合わせした使用人に話しかける。使用人たちは驚いて、すかざす頭を下げる。
「え、エリザベス様!とんでもありません!」
「わ、私たちは何も、おっしゃっておりません!」
「そう?私の勘違いみたいね、行きなさい、お前たち」
使用人たちは再度、深く頭を下げて早歩きで移動する。エリザベスも移動を始める。
「きっと、この最近、考え事で疲れてるのね」
エリザベスは王の間に急ぐのである。数分後、エリザベスは王の間に到着して扉を守る護衛隊に開けさせる。中に入り、エリザベスは深く頭を下げ一礼する。
王は威風堂々たる姿で王座に座っていた。頭には金ピカの王冠を被ってるのであった。手の指には豪華絢爛な指輪が沢山してある。歳は50歳ぐらいだろうか。
「エリザベス、来たか、待っていたぞ」
「お父様、お許しください、少し眠ってました」
『『我が実娘の方がもっと、可愛いわい』』
『『せいぜい、政治に使わせてもらうがな』』
『なるほどな、浮気で生まれたから邪魔者扱いか』
するとエリザベスは王を睨みつけるのであった。睨みつけられた王は目をそらす。
「お父様、お姉様は、お元気でしょうか?」
「うぬ、元気にしておる、心配するでない」
「今日、呼んだのは何用でしょうか?」
「お前に結婚の申し出が同盟国からあってな」
『『これで我が国は安泰よ、国の為に犠牲になれ』』
『この王はエリザベスを道具扱いしているのか!』
エリザベスはますます、睨みが鋭くなる。そして深く頭を下げて下がる。
「失礼致しました、お父様、用事があるので」
「何じゃと!?まだ答えを聞いてないのだぞ!?」
「用事があります。と伝えたはずですが?」
「う、うぬぅ、そ、そうか、下がってよろしい」
エリザベスは機嫌悪そうに下がるのであった。
王の間から出たエリザベスは、ひとまず外に出る為に移動をした。新鮮な空気を吸おう。と決めたエリザベスである。
こうして「エリザベス・グレイシャル」の物語が始まろうとしていた!
第3話。私の空耳から声が聞こえます。