第1話。普通の男が悪役令嬢に転生します!?でも変だな。
日本の秋葉原で一人の男が棒立ちしていた。
スマホから着信が鳴り響く。足を止める。
スマホを耳にあてる男。
もしもし、俺だよ?どうした?
えっ?飲み物を?あぁ、分かった。
男は「ピッ」と電話を切った。
すると背後から謎の男性が近寄ってくる。
エリザベス……ようやく見つけたぞ。
この時を待っていた。国に帰ろう。
んぁ?俺は男ですが……。
覚えてないのか?そうか、転生したのか!?
ならば、もう一度……君の人生を……。
意味が分からん、あっちに行ってくれ。
謎の男性は男の手を握る。
おぃ!やめてくださいよ!そんなプレイ興味ない!
君の人生なんだ、エリザベス……向こうで待ってる。
謎の男性は「パチン!」と指を鳴らす。
エリ……ザベ……ス……さ……ま……。エリザベス様!起きてください!エリザベス様!
『俺はどうしたんだ?いったい……何が!?』
「んー?うるさいわねぇ、どうしたの?」
ある宮廷内の王女の部屋にてメイドが一生懸命になって王女を起こしていた。
王女はいきなり倒れたらしく、専属のメイドが王女をベッドへと誘導して座らせる。
「エリザベス様、いきなり倒れたので驚きました」
『何を言ってるだ?エリザベス?』
「ごめんなさいね、少しめまいがしたの」
「お気をつけてください、エリザベス様」
メイドはエリザベスに頭を深く下げて部屋から出るのであった。扉を優しく閉める。
『エリザベス、エリザベス、エリザベス?』
「ありふれた名前よね、エリザベスてのは」
「あら?今、私は誰と……!?」
「気のせいね、きっと疲れてるんだわ」
エリザベスは立ち上がり、化粧台の所に近寄り椅子に座る。鏡で自分を見つめる。
『髪型・髪色』
『長くて艶やかな銀色またはプラチナブロンドの髪。巻き髪やウェーブのついた髪型で豪華さと気品を感じさせてるな』
『 前髪は薄く垂らすか、センターで分けている。サイドには華やかなヘアアクセサリー(宝石や羽飾り)をつけているのか』
『目・表情』
『鋭くて冷徹な印象の青や紫の瞳。瞳の中に冷たい光や妖艶さを宿しているなぁ』
『 表情は常に優雅で冷静、時に挑発的な微笑みを浮かべていそうな顔だな、目元には長いまつ毛とアイラインで強調しているのか?』
「わ、私は疲れているのかしら?」
「少し休みましょう……きっと空耳よね」
エリザベスは再度ベッドへと向かい、そのまま瞼を閉じる。
こうしてエリザベスは疲れをとる為に寝るのであった。
真の悪役令嬢と言われた物語が始まろうとした!
次回、第2話。その名はエリザベス・グレイシャル。