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第21話 ニップ村 その2


ーーー 第21話 ニップ村 その2 ーーー


「これは……」


「ここは、神殿になっているようですわ、悠真様」


「なぁ、アルナ。こんなものの存在教えられていないよな、知ってたか? アルナ」


「聞いたことがないわよ」


「私もありませんわ」


 猫神の眷属として生きてきた猫たちすら知らない神殿。猫神だろう杖のようなものを右手に持つ神を象徴した壁の彫刻が中心に見え、猫神の右側にはレガリアを授かる人が見える。一方、左側には猫神が持つ杖に照らされた人々が描かれている。


「だいたい、壁画の描かれ方だって違う」


「そうね、右側のは知ってる。里にもあるもの」


「でも、あの杖は里の猫神様が持っているものと形状が違ってますわ」


 この世界にはもっと重大な何かが隠されているように思えてならない。そして、それが今何者かによって利用、いや悪用されようとしている可能性がある。しかし、眷属たちも知らないものを襲撃した者たちは知っているだろうか。悠真は嫌な予想と疑問が溢れ出てくる。より一層の焦りと慎重に行かなければと危機感を抱いた。


「何かの台座みたいだよ、あそこへ行こう」


 当惑している眷属たちを現実に引き戻そうと悠真は行動を促した。

 その奥に見えた少し小高い場所に作られた場所に近づくと、その台座の中央に穴が空いていた。


「これは、何かがここに刺さっていたみたいですね。少なくとも棒状の何かが」


「あの壁画のものでしょうけど、私やアルナが持っているロッドみたいなものでしょうか」


「そうかもしれないけど、やはり何もなかったね」

「台座にはないが、奥の壁を見てみろ」


 クルルが刺した奥の壁に絵があったようだが、破壊されており全てはわからない。


「何の絵だったんだろう。何だか禍々しい生き物? が苦しんでいる、みたいに見えるけど」


 その生き物らしいものから右側は壊されている。


「もし、この生き物らしいものだけは壊せない、もしくは壊したくないんだとしたら」


「悠真、あれは邪神だ。猫神様の、俺らの宿敵だ。かの昔、猫神様が自身の力を引き換えに奴を封印したものが描かれているんだ。そのせいで猫神様は現人神であったが現世に身を保っていられないようになってしまったとされている」


 邪神は月晶のレガリアで封印された。そしてレガリアを奪還したはいいが、レガリアだけでは何も発動しなかった。そこでニップ村を調べ、台座にあったものを使えば封印を解くことができる、対になる魔法具がここにあった……と悠真は推論をみんなに告げた。


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