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第6話 訓練、訓練 その3


ーーー 第6話 訓練、訓練 その3 ーーー


 夕暮れ時、二人は休憩を取り草原に並んでいた。風は心地よく、夕焼けに染まった草原は黄金色に輝いていた。1人はへたり込み、1匹はちょこんと座っている。


「クルル、君たち守護猫は…どうして僕のことをこんなに…助けてくれるんだ?」


 クルルは悠真の息絶え絶えの問いに、少し考えるような表情を浮かべ、低く穏やかな声で答える。


「俺たちは猫神様の命を受け、お前を支える役目がある。この世界を守るのが俺たちの使命でもあるから、悠真のためだけというわけではない。家族も仲間もいるからな。」


 クルルの言うことはもっともだ。自分のために犠牲になっている訳ではなさそうで安心した。


(家族や仲間か、どこにいるんだろう。早く多くの猫たちと会ってみたいな)


「ただ、俺はお前に守護者としていいものがあると思っている。だから悠真が守護者であろうとする限り協力する。そんなところだ」


 悠真はクルルの言葉を聞き、その重みと責任を感じた。自分の成長が世界を変えてしまうというのは重圧が尋常じゃない。でも、主役が自分でなくてもいいんじゃないかと思っていた。


 クルルたちは大きな力を持っている。自分が成長する中で、眷属のみんなが力をより発揮できるようになればいいんじゃないだろうか。自分もこの世界で生き抜いていくためにも力をつけるべきだと考えていた。


「それとな、悠真。お前猫好だろう?」


「うん、まぁそうだけど」


「猫好きに悪い奴はいない」


 カラカラ笑っているクルルをようやくちゃんと座れた悠真は笑顔で返した。


「ありがとう、頑張るよ」


 思わず笑みが出る。


 クルルは微かにうなずき、悠真の決意を静かに見守った。そして、これからの訓練の中で、悠真に新たな才能が開花することを期待していた。



「悠真さーん」


 走り寄ってきたのはフローラだが、傷だらけの悠真を見て驚いて慌てた。


「毎日やりすぎですよ。大丈夫ですか?」



 大丈夫だと返事をしているのもあまり聞かず、すぐさま治療魔法を唱えた。

 自分の体を見てみると、打撲、クルルの爪による裂傷などなど……痛みも忘れていたらしい。まだまだ修行の後はフローラにお世話になりそうだ。

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