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第6話 訓練、訓練


ーーー 第6話 訓練、訓練 ーーー


猫屋敷の前には、木剣をブンブン振り回しているシバの姿があった。先程まで豪快に酒を飲みながら話していた人物と同一人物とは思えないほど生き生きして見える。


「さあ、準備はいいか?」


「よろしくお願いします!」


 酒を飲んでいようが、明らかに強そうな老人に悠真は気後れしてしまっているが、声を張り上げて戦意を保った。そんな様子をあくびをしながらクルルは見ている。


「打ち込んでくるが良い」


 剣道の中段は授業で習った。右足を少し前に出して、左足のつま先が右足のかかとの位置だったかな。竹刀(木剣)を持った左手がおへその前で、右肩を少し前にして半身。

 授業を思い出しながら行った構えを取った。


(木剣が竹刀より重いぞ。今の自分には振り回すのは限界がありそうだ。これは距離が大事だ。)


 一撃が届く距離……自然と摺り足で距離を測る。昨日の魔物との戦いで2人がどう動いていたか思い出し、考えた。


「どうした? 来ないのか?」


「い、行きます!」

 この距離ならと、地面を思い切り蹴って振りかぶり面打ちを繰り出したが、いとも簡単に受け止められた。届く距離ならば、と体力の続く限り引かずに打ち込む。


「ほれっ」


 タイミングを合わせて弾かれると悠真は体ごと後ろに飛んでしまった。途切れると一気に酸素が足りなくなる。息切れしたところにシバが剣を振るってくる。

 かろうじで腕を上げて木剣でしばの攻撃を受けた。ズシンと重く、たまらず片足をついてしまった。


「続けるぞい」


 今度は一転シバが斬りつけてくる。一つ二つと防いでも、その後が防げず攻撃をもらってしまい、倒れされるか木剣で防いでも飛ばされる。

 ただ、目だけは追い、どう攻撃されたのか目を離さないように必死に耐えた。最後は、剣に気を取られたところを足を払われ転倒し終了を言い渡された。


「初めてにしてはよう耐えたの。終いじゃ。ちと、ワシは用ができたんでの先にあがる」


 シバはクルルに目を配り、クルルは頷くのみだった。


「お疲れさまでした。シバ様は何者なんですの?お強いなんてものではないです」

 

 フローラが駆け寄り治療を施す。本当にその通りだと思った。まるで本気など出していないと素人でも分かる。


(あの楽に振るっただろう一撃が体の芯に響いてきた。何かインパクトの時、こう……)


「悠真さん?」

「やられたばかりで振り返りか、いいぞ悠真。目も追えていたな」


クルルがやってきて、振り返るのもいいが、今は休めと言ってくれた。


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