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花咲くザクロは暁に鳴く



「それで、また別れた、わけですが」

「それは、おめでとうございます。」

金髪の長い透けるような遮光の髪が、向こう側で揺れている

その目は、動揺とも、また、ため息のように、怒りを燃やす目が赤く燃えているように、光る

「それは、無いんじゃないかな、しかし、君は、彼女とかいるの」

しばしの沈黙の後

静寂の中から、言葉が、紡がれる

「・・・君は、勘違いしていますが、私は、余りそんなことには・・」

間入れず、上方向から、言葉が割り入れられる

「はいはい、童貞乙乙」

そのあとには、死屍累々の暴言が並ぶ

「しかし、別れるのに、なぜそんなに、付き合う行為に及ぶのか、私には、到底理解できません」

「恋したことないんだ」

「それは、ニゴイですか野鯉ですか、外来種は、好きにはなれませんが」

「ちょっと何言っているのか、理解に苦しむんだが・・・調べても、良いけど、私、余り、恋の煮つけは、好きでは・・刺身も」

「二人しか、居ないんですから、両方ボケられると、困るんですが、嫌がらせですか、ここで、降伏宣言を出しておきますが」

「ふむふむ、野鯉は、外来種で、各地の」

「チャンスは、一度きりですよ、暴言を、更に、垂れ流すか

それとも、まだ、恋愛話に、逆戻りですか」

「そうそう、でも、あんたも、長いわね、一体どんなトラウマがあるか、私に話してちょうだい

どうせ、二次元愛とかに、逃げたんでしょ」

「・・まず、それは、美術品を、めでる行為についての行為にを、説明してからのほうがいいですか

それは、例えば、活字、絵、声、等々の作品群の美しさを、愛でる・・・」

「あなたの、暑苦しいのはいいけど、実地、実地よ、寺山なにがしも言っていた訳じゃない

少年よ、書を捨てて街に出よと

実地よ、破れかぶれに、やぶれてよ、私のように」

「・・・好きならば特に私も、そういうのを打ち捨てて殴り捨てても、良いのですが

しかし、何をするんですか・・」

「っえ、ナニって」

「・・・今日のギルド報酬ですか」

「そんなこと、どうでもいいから」

「なんやかんや言って、そのために、集まっているわけですから」

「もう、生身の良さを教えてやるわ

それこそ、まずは、声ね、声

えっちいいこと、言ってあげる

そういえば、先日買った、乃吏子先生の新刊の官能小説が」

「何買っているんですか、何に使うんですか」

「・・・好きだからだけど、まあ、そういう時に、朗読とか・・もう、興味津々なんだから

っえーと、34ページから

その時、幸子の」

「熱弁ありがたいのですが

チャットに文字が並ぶのは、小説的にも、著作権的にもマイナスですし

それに、声どころか、ここには、文字しかないので

あなたが、どんな容姿、性別、年齢、すべてが、不明です」

「あら、男の人のほうが好き・・男だと思ったけど」

「現代的な、言い方でいえば、セクシャルは、自由になりますが、そういう問題では」

「・・・じゃあ、中性的」

「嫌いじゃありませんが」

「じゃあ、あってみない、これは、ゲイバーに行くしか」

「素性の分からない、あなたと、行くとかは、考えられません」

「おこちゃまね」

「ネットルールです」

「まあ、文通とかは、禁止だという人もいるけど

もう五年も、ネットで会話してるんだから

もう良いじゃない」

「・・・私に見えるのは、あなたの使っているアバターの立ち絵

二次元だけですからね

声でさえ、ボイスチェンジャー変音機を、使えば、そのニュアンスは、残ることもありますが

それも、時間の問題、何も使用しなくても、聞く手が、そう妄想して、幻覚

つまりは、見たいものを、見るのは、当然として

ただ、文章であれば、ある程度、分かるような気はしても、作家に匿名性は

どうしようもなく、不明というしかない訳で」

「つまり、美人じゃなきゃ、いやだと」

「・・・・」

「まったく、正直というか、もう少し、それこそ、妄想的、幻覚を、見てもいいんじゃない」

「まったく根も葉もない、私がまるで、完璧主義者みたいじゃないですか」

「・・あんたの完璧は、一体何基準なんだ」

「・・・別に、自分でいうのもなんですが

私は、・・・って、何で、恋愛話になっているんですか

もう、切りますよ」

「ああ、私も、もう寝る

らじゃ」

「らじゃ」





「どうも、巨無さん」

「・・・・・・・・どうも」

長身の男の目の前には、染めた金髪ではなさそうな何かがいた

「今日は、これから、ゲームセンター巡りに行きます

時間は一秒刻み

昼食も一応の予約は入れてありますが、早めに、先ほど、再確認いただいたと思いますが

紙に書かれたスケジュールどおりです

先日メールで」

「ああ、お願いします

鋼の鈍さん」

「その名前は、やめてもらえますか

蔵です、蔵 ツクヨと、蔵と、およびください」

男は思っている、やはり、こいつも二次元に、とらわれた

幻覚の信者なのではないだろうか

「それは、本名か、やはり、危険性を考えて、あだな呼びで」

「・・・現実世界のどこに、そんな良くわからない名前で、呼び合うというので・・

ああ、もう、五分過ぎました」

「なあ、むなしくないか」

「何がです」

「どこの世界に、有休を消化して

ゲームも本も読まず

オフ会の練習を、チャットでするというのだ

しかも、時間を計って」

「幻想でしか、物事を、あなたが、考えられないのだから、仕方がないじゃないですか」

「いや、さすがに、それくらいは、出来ますが」

「さいですか、らじゃ

じゃあ、今から、行きますか、丁度、一時間ほど、時間はあります

今現在送った、スケジュールには、間に合いますが」

「・・・・・・・・・・・ああ、行くよ」

「めずらしい、かれこれ、同じこと、何年も、やってますよね」

「ああ、十年くらいか」

「十二年です」

「時間を無駄にしていますね」

「まあ、それが、妄想的幻覚

見たいものを、見るというやつだ」

「それで、あなたの家から、どれくらいで、いけるんですか」

「ああ、家からだと三十分って所か」

「・・・唐島、志島、丸岡、田島」

「何だ、呪文か」

「いえ、めずらしく、ネットリテラシーに反した

住所特定に、意味ある単語が入りましたので

コンパスで、あの駅から」

「やめろ・・それで、どうする、本当に」

「私は、今、靴下をはき得て、身支度は、完成しましたけど」

「しかし、何か、喋り方が、チャットと違くないか」

「それは、ボイスチャットというのは、文字とは、違いますから

それを言うのであれば、あなただって、少々違くないですか

ネット弁慶ですか・・いえ、逆に乱暴に、まあ、良いですよ、文字の入力置換と違い

声だと、ある意味、正確に、その時間を、言葉として、出したとき、すぎることができますから

このまま、行けば、全三回のすべてのスケジュール通りに、事は、過ぎます」

「ちょっといいか」

「はい、らじゃ」

「らじゃは、いいが・・いや、いい

本当に、恋愛にあけすけな・・

まあ、適当に、来ていくよ」

「変なTシャツは、やめてください」

「何だ、そんな、おしゃれ上級者な、仮装を、強要するのか

俗世から離れた私に」

「あと、三十分です」

「らっらじゃ」

「二十九分経過です

走ることが・・・・・・・

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