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友達売ります  作者: キボウホウヒルムシロ
1/6

巡り合わせ

財部美帆は、大学を終えて

いつもの帰り道を歩いていた。

友達の居ない、私はペットのゴン太が待ってる家に

そのまま帰るのだがその日は違い、

道端にある変なお店の前で足を止めてしまった。

店の前には友達屋と大きな文字で書かれた立て看板が建っている。

恐る恐る店の中へ

入ると、美帆に気づいて人が近づいてくるのが見えた。

「いらっしゃいませお客様、当店は初めてですか?

この店の商品は友達のいないあなたにはもってこいだと思います」

そう言って彼女の前に現れたのは、

白髪混じりの初老の男性だった。

彼はこの店の店主だと名乗り、話を聞いてくれた。

どうやらこの店では、不可解な品物を

取り扱っているらしい、そうして暫く黙っていると、

友達屋の店主は美帆を店の奥に案内する。

「よろしかったらこちらへ来てみませんか?

友達のいないあなたならきっと気に入ると思いますよ」

そう言われて案内されたのは

小さな部屋だった、部屋にはところせましと

茶色い箱が、並べてあり

「これはですねあなたの希望する条件

に合わせて作られた友達です。例えばこんな風に」

そう言うと、その人は箱の一つを開け中に入っていた

人形を取り出した。


「ほら見て下さい、箱からは白い人形が出てきたでしょう

これが友達です、この人形は水に浸かると生命が宿るのです、さあやってみましょう」

そう言いながら店主は、水の張った

バケツの中に人形を入れた。

すると水面が泡立ち始めやがて人型になったそれは紛れもなく人間の姿になっていた。

「うわぁ凄い!これ本当に私が、

望んだ通りの子になるんですね!」

興奮気味に話す彼女に店主も満足げだ。

それから店主は人形の価格について話し出した。

「この店に置いてある人形は全て一律で

税込み30000円になります」

高いと思ったが、友達の居ない

美帆にとっては背に腹は変えられない話だった。


「わかりました買わせてもらいます」

店主はお買い上げありがとうございますとお礼言い

ピッタリ1万円札を3枚受け取り

美帆が選んだ箱を紙袋に丁寧に入れて、渡す際このように

忠告したのだった。

「ご注意くださいませ、もし万一商品に、不満があった

場合返品をお受けしておりますが、

その際代金として頂きました

30000円は、返却致しかねますので悪しからず

それでは良い生活を」

それからこの箱の中には、使用などにあたっての

注意書きが入ってますので、開封したら

必ずよく読んでから

「使用して下さい」

と最後に念を押したのであった。


こうしてこの箱を手に入れたわけだが美帆には一つ疑問点が浮かんできた。


「あれなんであの店主私の事知ってたんだろう?」

まぁいっかと思い美帆は、そのまま

家に帰ってみるとゴン太が出迎えてくれた。

そして、ご飯を食べてから早速その箱を

開けるとそこには説明書が入ってると思われる封筒が上に乗っていた。

彼女は、封筒を破き説明書を取り出すと

以下のようなことが、書かれていた。


【商品紹介】

友達屋では様々な友達を取り扱っています。

まずお客様は欲しい友達を選びます。

選んだら次にお金を払ってください。

そうすれば友達を買うことができます。

ただし一つ注意点があります。

買った友達とはずっと、一緒にいなければなりません。

途中で手放すことは決してできません。

もし手放せばあなたの大切なものを失うことになります。

それでもあなたは友達を買いますか?

※この文章を読んでいるということは既にあなたは友達を買った後です。


【友達屋のルール】

1友達を売ることは禁止されています。

2他の人の迷惑になるような行為は慎みましょう。

3友達は大事にしましょう。

4友達を売る際は契約内容を必ず確認して下さい。

5友達を大切にしない人は友達屋の利用資格を失います。

6友達屋の規約に違反した者は例外なく処罰します。

7友達との別れは必ず来るものです。

8「もしも」を考えた、行動をとりましょう。

9友達に暴力を振るう者がいた場合守ってあげましょう。

10友達屋でのトラブルは全て

自己責任でお願いいたします。

11友達は人間ではありません。

12友達の売買は犯罪行為として取り扱われる場合がございます。

13友達には心があることを決して忘れないように。

14友達は物じゃありません。

15友達と仲良く楽しい毎日を過ごしてね。

16友達との出会いに感謝し大切にしよう。

17友達を売って得た金で豪遊しても構いませんが、それ相応のリスクを背負ってもらいますよ。

18友達は家族だと思って接してください。

19友達が泣いてしまった時は優しく抱きしめよう。

20友達がいなくなるのはとても悲しいことです。

21友達を失わないためにできることをしなさい。

22友達を失った時こそ本当の強さを手に入れられるでしょう。

店長より


「……何これ」

説明書を読んだ美帆は思わず呟いてしまった。

「これどう考えてもおかしいよね」

「でもまぁいいや私には関係ないもんね」

そう言いながら美帆は、ゴン太を撫でるのだった。

「大丈夫だよ、私はずっと一緒だからね」

ゴン太を撫で終わり美帆は、箱に入ってる

人形を取り出して早速新たな、生命を生み出しに

風呂場に向かったのだった。

それから美帆は父のことを考えた。

財部美帆の父は元エリート

銀行員だったが、今はコンビニ店長に落ち着いて自分の家族を支えていた。

銀行員だった美帆父親財部健二の購入した家は、その広さは通常の家の約二倍の大きさを誇っている。

美帆は、父の事を考えながら

人形に生命を宿す準備を始めた。

「さぁ始めるか」

美帆は腕まくりをして気合を入れる。

「まずは水を張らないと」

そう言ってシャワーヘッドを持って、浴槽に勢いよく

水を張るのだった。

「よし!これで準備OK!」

美帆は意気揚々と箱から、人形を取り出すのだった。

人形を水の入った風呂場にいれると人形は、泡を出しながら

風船のように膨らんでいき..

今回の作品友達売りますは前回の金曜日の行列からだいぶ間を開けてからの投稿になりましたが、前回よりも、面白いと作者は自負しておりますので、読み飛ばしてここまできた方は最後までぜひ読んでみてください! 次の章はまだ書き始めていないので、もし先の展開などのリクエストや質問があればコメントお願いします。


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