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贖罪の獣人-怪力自慢が魔術師を目指すそうです-  作者: 金熊
13.闇夜を駆ける侵略者
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13-1

あれから数週間が経過。


密林地帯で思わぬ収穫をした3人は、その新たな力を駆使して順調に大陸を横断していた。


立ち寄る先々で魔族の魔の手が忍び寄ってきていたが、それすらも彼らの敵ではなかった。



それと比例する形でダンツが見る悪夢も多種多様になってきていたが、ダイキの存在のおかげでなんとかここまで乗り越えられている。


直近の悪夢はというと、おそらく転生直前の記憶。


そこでは、転生前のダンツの両親と思わしき男女と口論となっていた。


流れで勢い任せに暴力を振るってしまい、結果2人とも床に倒れ動かなくなる。


慌てた男が勢いよく外へ飛び出すとそこにたまたまトラックが通りかかり…。




と、そんな夢であった。


その状況を今更どうすることも出来ないが、せめて両親と思われる2人は無事であって欲しい。


それがせめてものダンツの望みだった。




それに反して、ダイキは最近どうも様子がおかしい。


本人曰く、段々と寝つきが悪くなってきたらしく、夜中に度々散歩に出かけるのを見かけた。


「変な夢でもみてるのか?」と確認したものの、「頭が整理できたら教えるよ。」と事の詳細は教えてもらえない。


彼の力になりたくともなれない、それはなかなかに歯痒いものであった。






さて、そんな悩みを抱えた一行は歩みを進め、大陸の中心部にある街【カンダス】を目前に捉えていた。



「あれがカンダスか…大きな街だな。」


「そうですね、大陸内で最大規模の街といっても過言はありません。ここでまたひと休憩しましょう。」


「そうだな。…ん?あれはなんだ?」



ふと、ダンツが遠くの空に向かい指を指す。


そこには、漆黒の雲が一面を覆っており、それが視界の先まで延々と続いていた。



「あれは…おそらく、魔族の影響でしょう。城から順々に街を支配して回っているんだと思います。」


「そんな…もうこんな所まで…。」


「ですから、この街が安定して物資を入手できる最後の街になると思います。しっかり準備していきましょう。」



クレアの言葉にダンツは唾を飲みこむ。


これまでと同じ距離の道中を補給なく進む、これがどんなに厳しい道のりになるかは想像に容易かった。


どうやら、覚悟を決める必要がありそうだ。



「ダイキ、そういうことらしいからこの街でしっかり体力をつけていこうな。」


「お、おう…。」



いつもの元気はどこへ行ったのやら。


目にはクマが露わになり、体も少し細くなっている。


この調子ではいつまでももつか分からない。



「ま、まぁとりあえず街へ入ろうか。」



ダイキのことはおいおい考えることにし、3人は大都市カンダスへ向かい歩みを進めるのだった。

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