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贖罪の獣人-怪力自慢が魔術師を目指すそうです-  作者: 金熊
11.前世、悪夢、そして希望
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11-1

激戦を終えたダンツは、クレアから治癒魔術の施しを受けていた。



「ふぅ、傷がこの程度の深さでよかったですね。」


「そうだな…、まぁこの傷も勝利の一因であるし名誉の負傷ってところだな。」


「でも…もうあんな無茶はしないでくださいね。」


「あ、あぁ…気をつけるよ。」



ダンツは強がろうととしたものの、涙腺の緩くなっているクレアの目を見ていると、申し訳なさが優ってしまい素直に謝るしかなかった。


(前も無茶して泣かれちゃったからな…これからは気をつけよう。)





「オイ…オマエ…俺タチヲ殺サナイノカ…?」



ダンツが治療を受けていると、近くで倒れていたアンガラが話しかけてきた。


どうやらまだ息はあるようだ。



「その様子だともう戦うのは難しいんだろ?それに、お前たち魔族の情報を少しは入手しておきたいからな。」


「ナルホドナ…ククク…」



ダンツの言葉にアンガラは不適な笑みを浮かべる。



「何がおかしいんだ?」


「イヤ、オ前達の実力デ魔王様ヲ倒ソウト考エテイルノガ可笑クテナ。」


「なっ!?」



その煽り言葉に思わずダンツの顔が強張る。



「オ前達ニ忠告シテオイテヤル。俺ノ力ハ魔王様の足元ニモ及バナイ。更ニハ、魔王様ヲ守ル幹部も2人存在シテイル。今ノママデハ…傷一ツツケラレズコロサレル…ダ…ロウ…。」


「おい!幹部がなんだって!?」



ダンツの問いかけに、アンガラの言葉は返ってこない。


どうやら既に息絶えているようだ。



「おい、アイツの言ってることが正しいなら、この先もっとヤバい戦いが待ってるかもしれねぇな…。」


「ああ、このままではまずいのかもしれないな。」



ダイキも死に際の言葉を耳にしていたようで、珍しく少し弱気になっていた。


それはもちろんダンツも同じ気持ちだった。


今のままでは勝つどころか傷一つ付けられないとなると、更なるパワーアップが必要である。


しかし、そんなにのんびりとレベルアップしている時間はない。


城にはクレアの父…王様が捕えられているのだから。


ダンツが1人悩んでいると、誰かが肩をポンと叩いた。


振り返るとそこにはクレアの姿があった。


「大丈夫ですよ、父はとても心が強い方ですから。それより、急ぎすぎて魔王討伐を失敗する方が問題です。」


「クレア…。」



彼女は強いな…いや、強くなったな。


出会ったばかりの頃の彼女からは見違えて見える。


彼女が1番辛いはずなのに…、やるべき事を真っ直ぐと見据えている。


それならやるべきことは一つだ。



「わかった、では【出来るだけ早く、確実に魔王を倒す】というプランでいこう。」


「ふふ、ちょっと矛盾してますがいい方針ですね、賛成です。」


「俺も!俺もそれに賛成だぞ!」



敵は強いが決して勝てないわけではない、この3人ならきっと行ける。


3人は拳を合わせ、決意を新たにするのだった。


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