表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

白鳥星蘭のはじまり

作者: Sana

タイトルを変更した際、本編と番外編に分けました。

 

 わたくしは白鳥星蘭(しらとりせいらん)、本日12歳になりました。

 ホテルからリゾート開発まで、手広く経営する「白鳥グループ」の創業家に生まれました。

 3歳から、ご先祖様が開校した「楼園紅鈴(ろーえんぐりん)学園」に通っています。この学院は、外国の王家の方も留学されるほど由緒正しく、良家の方がたくさん通われているのです。

 幼稚舎から大学までありますので、働く必要のない良家のお嬢様が結婚相手を見つけられるために入学されることもありますのよ。

 まぁ、家柄とお金さえお持ちなら、高校までは進学できますからね。

 大学は、お勉強できない方にはご遠慮いただいているらしいですわ。学院のレベルが下がってしまいますものね。


 ところで、わたくしには、幼い頃に真実の愛を誓った方がおられます。

 彼は夜の湖で、わたくしに涙ながらに愛を訴えました。


「君が16歳になったら、必ず迎えに行くよ。だから、約束して欲しい。それまで、その美しい手も、赤い唇も、やわらかな髪の一筋でさえも、決して誰にも触れさせないと。もしも、この約束が破られれば、僕は狂ってしまうかもしれない。そして、ふたりの真実の愛は、散ってしまうだろう。迎えに行く日まで、朝露のように清純であると、誓って――――――僕も永遠に君の王子でいると誓うから」


 なんという情熱的で、真摯な告白でしょう。

 わたくしは、とても感動したのを覚えています。

 お返事ですか?もちろん、はいです。Yes。Ja。Oui

 だって、真実の愛ですよ?

 王子さまですよ?

 夜の湖で告白ですよ?


 …コホン。

 はしたなくも興奮してしまいましたわ。


 その後のことですか?

 告白にぽうっとしていたところを探しに来た執事に捕まって、両親から夜中に外出していたことをこっぴどく叱られました。

 あの頃のわたくしは、冒険に憧れる、無知な子どもだったのです。

 もちろん、つれ戻される前に、彼にはしっかりとわたくしの住所と名前を伝えました。


 あれから一度もお会いしていませんが、王子さまはどのようにお育ちでしょう。

 早く、迎えに来ていただきたいですわ。


 星蘭は王子さまとのお約束を守って、今日も清らかにくらしております―――――――――――。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ