この世の終わりとナギサ②
チャイムが鳴って、目が覚めた。いつも通り黒板を眺めると単元がかなり進んでいると見て取れた。
右前のナギサの席を眺めると、ナギサはそこにはいなかった。
どうせ隣のクラスの奴らに俺の悪行をバラしにいったのだろう。これでまた笑われ者だ。
おっと、後ろの席の女の子のスカートの中が見えそうだ。
綺麗な足してんなこら。俺を誘ってでもいるんか?
「ニイジマ君またいやらしい目でこっち見てるよ..きもちわる。」
やってしまった。またばれてしまった。
「ナギサちゃんに言いつけてやろーっと。」
「おいおい!待て!」
これでまたアイス1本から2本へと奢る数が多くなったなこれは。
ただでさえ金がないのになかなかキツイぜ。
「あれ?ナギサちゃんいないね」
「また隣のクラスに俺のこと言いつけてるんだよ」
いつものようにそう返した。だがいつもと違った。
「でもさ、確か隣のクラス授業変更で確か体育2時間連続になったんだよね。だったら隣は誰もいないはずだよ?」
うわぁ二時間連続とかかわいそうに。でもそうなればナギサは一体どこにいったのだろうか。
よし。ちょっくら探しに行こうか。今からなら口止めできるかもしれない。
薄暗い廊下。消えかかった蛍光灯。光の入らない隣の教室には誰もいなかった。
おかしいな。じゃあ一体どこへ?
うお!始業2分前じゃん。次は化学だから遅れたらめっちゃ怖いシノハラ先生に怒られちゃうぜ。
ナギサもすれ違ってきっと戻っただろ。急がなくちゃ。
よーし。準備万端。あとはこの時間だけは寝ないように頑張るだけだな。
「その席、たしかナギサだろ?どーした保健室にでも行ったんか?級長何か聞いてないか?」
ん?あれナギサまだ戻ってなかったんか、さては保健室で体調悪そうにふるまってやすんでるんだな。
「そういえば、さっきの授業終わったあたりから急に姿が見えなくなったような」
「なんだそのあたかも消えたかのような言い方は!おい、レイタ仲良かったろ。探してこい」
めっちゃラッキー授業さぼれるぜ。
これが大冒険の始まりで、ナギサの終わりだった。