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サクラサク  作者: バード・ポー
9/12

賢者様はお怒りモード


ケンを起こした後、マーベストとケンはムーンバルトまでの旅の予定を打ち合わせしていた。

道中を行きながら打ち合わせをする予定だったがケンが寝坊した為、準備が出来るまでの時間を利用する事にしたのだ。

レンは地図を広げて現在地ギャザタウンと目的地ムーンバルトの位置を示す。


レン:「俺達だけなら一週間程で行ける距離ですが、サクラにはちょっとキツイので10日かかる予定を立ててます。」

マーベスト:「それが賢明だね。できるだけ宿泊は町の宿を利用したいものだがその辺の予定は?」

レン:「それも考えてます。まずは港町のポートランドを目指します。その後はエルメスタウン、エンシェントシティ、ベガスベガス、メガアイランド、そして王都ネオシティ。ここでは王族とのやり取りがあるのでマーにいちゃんに色々教えてもらいたいです。」

マーベスト:「わかった。色々面倒な手続きがあるので宿泊先で教えよう。まあネオシティの郊外には衛星都市があるから宿泊はそこでするといいよ。」

レン:「了解。ネオシティの後はウッドタウン、ベイエリアを経てムーンバルトっていう感じです。」

マーベスト:「ウッドタウンからベイエリアまでは距離が少し長くなるね。」

レン:「そうですね。だから多分野宿になるかもしれないんです・・・なんかいい案ないですか?」

マーベスト:「ちょうど中間あたりに私の所有するログハウスがある。電気や水道が通ってるからテントよりはマシなはずだ。」

レン:「そこで一泊できるとありがたいっス。やっぱりサクラの体力を考えるとテントは辛いと思ってたから・・・」


そこへサクラが抗議をする。


サクラ:「あら?大丈夫よ!昔キャンプで二泊三日テントで過ごしたことあるもん!」

レン:「いや・・・ウッドタウンから北の方はかなり寒いからテントで過ごすにはかなり厳しい。オマエに無駄な疲れをさせたくない。」

サクラ:「大丈夫だってば!私だって体力あるもん!」


猛烈に反対するサクラをマーベストが優しくそれでも毅然とした態度で諭す。


マーベスト:「オマエは体力があるのかもしれないが決して疲れないという事はない。レンの言う通り無駄な疲れは必要ない。オマエにはもっと大事な仕事がある。『レクイエム』だ。寝食やモンスターに関しては私やガーディアンに任せなさい。じゃないと命をかけてオマエを守ってくれるガーディアンに失礼になる。」


続けてマーベストは今朝のバルカンとの食事についても言及する。


マーベスト:「それから昨日も言ったと思うがバルカン君との寝食は別々にする。これは冒険者としての最低限のルールなんだ。私の別荘やログハウスならば寝食を共にするのはいい。だが他の場所ではこのルールを守ってもらう。それが守れないなら私はオマエのガードをおりる。いいね?」

サクラ:「そんな・・・」


困惑気味にバルカンの方を見るサクラ。


マーベスト:「何か意見はあるかい?バルカン君。」

バルカン:「いや・・・アンタの言う通りだと思うぜ。そうしてもらった方が俺も色々助かる。」

マーベスト:「そういうことだ。わかったね?サクラ。」


マーベストにきつく言われてサクラはシブシブ納得した。

そこへケンがバタバタと別荘から出てきた。


ケン:「スンマセン!寝坊して。準備できました。」


ケンはマーベストの所へ行き、頭を下げて謝罪する。

ケンが顔をあげた瞬間マーベストが平手打ちをした。

バシッ!

乾いた音がしてマーベストの平手が炸裂してケンのほほがやや赤らむ。


マーベスト:「君が寝坊したことにより予定に遅れが出た!ガーディアンがサクラのガードに遅れたらどうなる!?気を引き締めろ!」

ケン:「ハイ・・・」


ケンはマーベストに怒鳴られてしょげている。

そこへレンがケンをフォローする。


レン:「マーにいちゃん。コイツにガーディアンの重要さを教えてなかった俺にも責任がある。そのへんで勘弁してやってくれ。」

マーベスト:「レン、君がこのパーティーのリーダーならば皆の命は君にかかっていると思え。」

レン:「ああ、肝に銘じるよ。」

マーベスト:「よし、じゃあ目的地への先導は君に任せる。私はしんがりを務めるから何か気づいたらすぐ知らせる。」


そう言うとマーベストは荷物を持ちサクラの側へ行く。

レンはしょげているケンの肩を叩く。


レン:「まあ次同じ失敗しなきゃいいさ。それよりマーにいちゃんすげぇな。」

ケン:「レンも気づいたか?あの平手・・・俺が反応できなかったんだぜ?」

レン:「ああ・・・武闘家に平手打ちかます魔法使いなんて聞いたことねぇよ。さすが大賢者様ってとこか。」

ケン:「なんか燃えてきたぜ。負けるもんか。」

レン:「お前の仕事はサクラのガードだからな。マーにいちゃんと張り合うんじゃなく協力してくれ。」

ケン:「もちろんさ!気合入ったって事だよ。行こうぜ!」


そう言うとケンは先頭を歩き始めた。

フッと笑うとレンはケンに並びポートランドへ向けて出発した。

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