7話 ウルク先生
一階につき処置室を探す、その途中他の教師に出会う。
「君? 授業はどうしたのかな?」
私は担任に言われたことを言う。
「そうか、私にも手見せてくれないか?」
同じように手を見せる、それをじっと見る教師。
「なるほど」
私にはどう言う状況か分からない。
「えっと、どうなってるんですか?」
一度考え込んだが、答える。
「目立った異常は見られないが、処置室に行く必要がある」
私が求めている回答には程遠い、わかったのは何か異常があるということだ。
「、そう、なんですか、あのー処置室ってどこにあるんですか?」
「私が一緒に行ってあげよう」
「あ、ありがとうございます」
この教師と処置室に向かうことになる、知らない教師と歩くのは気まずい。
「君の担任の名前は?」
「ウルク先生」
わかってたかのように頷いた、するとウルク先生について一話始める。
「ウルクはあいつは優秀だ」
名門校で教師やってる人全員優秀だが、特にずば抜けていたらしい。
「そうなんですか?」
軽く頷く、この教師はロキ先生とどういった関係なのか気になる。
「私は、ウルクと同級生だったんだ」
この教師とウルク先生は同級生らしい。
「そうだったんですか、その時のウルク先生はどんな人だったんですか?」
おそらくCクラスの生徒からは、おかしくて、愛想がない先生だと思われいるだろう、私はそう思っている、だが今から話を聞く内容によっては変わる可能性がある。
「あいつは努力家だ、ここに入って来た時、なにも魔法使えない落ちこぼれだった」
今の私たちと同じ立ち位置だったらしい、特に私に似ている。
「そう、なんですか? ちなみにその努力は実ったんですか?」
躊躇いもなく答えた。
「ああ、それはそれは、努力は実り、Cクラスから上がれるとみんなが思った」
「上がれなかったのですか?」
何も言わず頷いた、これで一つわかったことがある、努力が実ったとしても上のクラス上がることは、すごい難しい。
「ああ、本人は何も言わなかったが、授業の態度がある日、突然変わったことにより、みんな察したのだ」
返す言葉もなく話を聞く。
「だがそれは、上がれないとわかった日だけだ、次の日からは普段のウルクに戻っていた、人一倍努力していた」
私にはないメンタル、ウルク先生の凄さがわかる。
「よし、ついたぞ、ここだ」
ウルク先生の話に夢中になっていて、いつのまにか処置室についていた。
〈処置室〉
私はお礼を言う。
「ありがとうございます、それとお名前伺ってもよろしいですか?」
何も言わずに振り返り、その場から去っていった。
(変わってる教師だな)
ゆっくりとドアを引く。
「失礼します」
中に入ると、中にはすごい施設がたくさん備わっている。
(すごい、病院みたい)
女性の声が聞こえたとともに、奥から人が出てきた。
「話は聞いてるよ、ここに座って」
前にある椅子に座るように言われ、ゆっくりと座る。
すぐに手を見せるように言われた。
「手ここに置いて」
採血枕に手を置く。
手を見ると後ろを向き、準備を始める。
(女の人、黄色でお団子結び、顔は童顔だけどとても可愛らしい)
準備ができたのかこちらに振り返る。
「手少し触るよ?」
ゆっくりと手を触る、触られても特に痛みを感じない、未だになぜここに来るよう言われたか謎だ。
一通り触り終わると、カルテに記入し始める。
(特に異常はなさそう)
そう感心していると再び手を触り出した。
「ちょっと我慢してね?」
その直後、すごい激痛が走り、手を引いてしまった。
「痛!」
教師は引いた手をもう一度採血枕に置く。
「ごめんね、だけどもうすこし我慢してね」
とても痛い、こんなに痛いと思ったことはないくらいに痛い。
(痛い! さっきまで痛くなかったのに、なんで?)
触り終わると再びカルテに記入する。
胸中を察したのか、記入しながら話をする。
「ほかの教師に触られた際、痛くなかったのに、なぜ今痛くなったか、気になってるんでしょ?」
私は動揺する、どうして心の中で思っていたことがわかったのか。
「はい」
カルテの記入が終わったのか振り返り話をする。
「痛みがあるところをあえて触っていなかったのよ、自分でどこが変か確認したと思うけど、素人にはわからない」
ロキ先生は触らずどこが怪我していたのか分かっていたなんてすごい。
「でも、いつ怪我したのかわかりません」
思い当たりはない。
「今日、魔法教室で授業したんでしょ? 魔法、おそらく火球、発動した際怪我をしたんだね」
でも不思議だ、その時に痛みを感じなかった。
「魔法の威力に耐えられず炎症を起こしてる、魔法は使ってもいいけど、使いすぎないように、痛みは抑えてるから心配しなくていいよ」
そこまで高火力を出した覚えがない......もしかして? 最初に発動した時今まで見たことない威力だった、もしかして?
「これを担任に渡しといてね」
「処置済」と書かれている紙を渡すと席を立ち、部屋の奥に入っていった。
(教室戻ろう)
私も席を立ち、処置室から出ようとすると、ドアが開いた。
聞き覚えのある声が聞こえて、私の胸に飛び込んできた。
「ヴイちゃん!」