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4話 孤立

「先生言いましたよね? 今日帰ってくるって? 二十人いって帰ってきたのが十四人、後の六人はいつ帰ってくるんですか?」


 教師は無言を貫く様子だ、生徒たちは怒りに満ちて我を忘れている生徒もいる。


「なんでSSランクの一部の生徒が連れていかれてるんだ? 後の六人は帰ってこないし、連絡しても帰ってきた生徒からは何も返ってこない、どういうつもりだ?」


 教師を取り囲む生徒、SSランクの生徒の一部が、どこかに連れていかれて、今日帰ってくる予定だったらしいが、六人帰ってきていなくて、説明を求めているらしい。


 校舎から教師とは一段と違う容姿の人が出てきた。


「これはこれは、SSランクの生徒ではないですか?」


 変な空気が漂い、一瞬でその場が静まり返った。

 教師はその人に敬意を払う。


「私はこの学園のトップ、といえばわかるかね? 説明が欲しいのならば、今するとしようか、十四人は今日休み、六人は未だ向こうで活躍してもらっている」


 それだけの説明じゃ納得いかないらしく、詰め寄る。


「それ、だけじゃわからない、向こうで何をしているのか教えてくれませんか?」


 不気味な感じで笑い出した。


「あはは、それは秘密、言えることがあるなら、国のために頑張ってるてことですな、とりあえず、これ以上騒ぎ立てるようなら」


 周りを一度見渡す、その姿は悪役のようにも見える。


「言わなくてもわかるだろう?」


 その場から生徒が次々と去っていき校舎に入って行く。

 生徒がいなくなったのを確認し、その場にいた教師と話を始める。


「言ってないだろうな?」

「はい、もちろん」

「まあ、言わなくても、状況によってはどうしようもなくなる、その時は頼んだぞ」

「わかりました」


---


 階段を上がり教室に向かう、1-Cは3階にある。


「最上階が10階って大きいね」

「そうだね、施設も充実してるから、ありがたいよね!」


 一階から三階は一年、二年、三年の教室、四階は教師の階、五階からは訓練や授業で使える施設が備わっている。


「だね! 私、これからもっと努力して、クラス上がりたい!」

「頑張ろう!ヴイちゃん!」


 長い階段を上がりきり三階に着く、すると次は長い廊下がある、他の生徒たちは廊下で談笑している。


「すごい生徒の数だね」

「名門は違うね!」


 私たちはCの教室に向かう、その途中、バッチにBと書かれている生徒が近づいてきた。


「おいおい、お前らCかよ!」


(昨日の)


 私はその生徒の顔を見ることができない。


「Cだけど何か? あなたはBだね?」


 私たちをバカにするかのように笑いながら話す。


「そうだけど? お前らよりは上だな、Cクラスかわいそうだな、まあ精々頑張れよ!」


 通りすがる瞬間、私の肩を軽く叩いてきた。


「何よあいつ、見返してやる! ヴイちゃん大丈夫?」

「そうだね、見返してやろ!」


(ヴイちゃん昨日と違う、今のヴイちゃんの方がいい!)


 長い廊下を歩くといくつか教室が見えてきた。

 「SSクラス」 「Sクラス」 二つの教室から少し離れた所に、「Aクラス」「Bクラス」 Bクラスの隣に渡廊下があり、通ってすぐに「Cクラス」がある。


「孤立してるね」


 明らかCクラスが駄目みたいな感じになっている。


「気にしない、気にしない! いこ!」


 Cの教室に来るまで他の生徒から「Cじゃね?」「かわいそうだよな」「そんなこと言ったるなかわいそうだろ」


 少し避けられている気がする、でもイオリはそれを気にせず歩いていてすごいと思う。


 教室につき扉を開けると、他の生徒は席についていた。


「二十人クラスか、他のクラスより何倍も少ないね」


 イオリは歩きながら他のクラスが何人いるか確認していたそうだ。


「とりあえず座ろうか」


 黒板を見ると「席は自由」と書かれている、私たちは隣同士に座ることにした。


 座ってからすぐに担任と思われる教師が入ってきた。

 もともと静かだった教室がさらに静かになる。


 チャイムと同時に合図が出される。

「起立、礼」


 ホームルームが始まる。


「私の名前はウルク、今回Cクラスを担当することになった、少し聞きたいことがある、さされた人は答えなさい」


 教室全体を見渡し、当てる生徒を探す、私はその時に教師と目があった。


(当てられるかも!)


 その予想は的中だ。

 私に指をさしながら質問内容を話し出すが、その内容は少し残酷だった。


「もし自分が戦いに参加することになったら、どうする? 遊びではなく、本当にだ、死ねば終わりだ」


「!」

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