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11話 嘘

 はい、わかりました、なんてすぐ答えられるわけがない、するとこれならと話し出す。


「親の承諾は得ている、それと今後、全生徒、寮生活をしてもらおうと思っている」


 一番心配なのは家族のことだった、今日帰らないとなると、親は探し回るだろう、けど、親に話をつけていて承諾を得ているなら。


「あとで連絡しないと」


 それに納得した、私たちは頷くと、扉の前にいる警備の人に道を案内される。


---


「ウルク、厳しい状況だな」

「ですね」

「それより、SSクラスをどうするおつもりで?」

「使い物にならない生徒はいらないのだよ」


---


 校舎を出て、門を通り抜け、少し歩いたところに、工事中の建物がある。


「あそこですか?」


 そう言って私は指を指すと、何も言わずに頷いた。

 ヴイちゃんも建物に気づき、テンションが上がる。


「すごいね、イオリ!」


 ヴイちゃんはすっかり元気になっていた。


「そ、そうだね」


 私は申し訳ないと思っている、ヴイちゃんに頼りっぱなしで、危ない目にもあった、これから、どういう風に接せればいいのかを考える、するとヴイちゃんが不思議そうに顔を覗かせてきた。


「イオリ、どうしたの?」


 私はわざとらしい笑顔を向けた。


「色々な事があって少し疲れたなぁって」


 ヴイちゃんが今まで見せなかった、弾けるような笑顔を向けてきて、私は気持ちが少し楽になった気がする。


「そうだね!」


 寮の入り口まで行くと入って右奥の部屋に連れて行かれる。


「ここですか?」


 無言で扉を開ける、中を覗いてみると、高級なホテル見たいな部屋が目の前にある。


「すごい、しかも二人部屋だね!」


 イオリがそう言いながらこちらを見つめてきた。


「そうだね!」


 二人で警備の人にキラキラした目を向ける、何も言わず察した警備の人が珍しく喋った。


「どうぞ」


 その瞬間、私たちはベッドに走り込み、横になる、その姿は子供みたいだ。


「ふかふかだね!」

「だね! だけど、お母さんに会えないのは少し寂しいよね? イオリはどう?」


 イオリは少し間をあけて話を始める。


「確かにそうだねー」


 ゆっくりと扉の閉まる音が聞こえた。


「荷物などは後ほどお持ちします、では、ごゆっくり」


 ベッドに横になりながら携帯を触り、お母さんに連絡を入れる。


〈心配かけてごめんね、私は大丈夫だよー〉


 すぐに既読がついた。


〈話は全部聞いてる、寮生活、めんどくさいだろうけど、頑張ってね〉


 私は携帯をしまい手を枕の下に入れる。


「寮かー、特訓できないね」


 イオリの方を見る、イオリは親と連絡をしているのか気づいていない。


「ん? ごめんね、聞いてなかった!」


 先ほどと同じことをいう。


「そだねー、とりあえず今日はゆっくりしたいしね」


 私もそれには賛成だ、いろんなことがありすぎて、整理をするので精一杯だ、すると扉をノックされる。


「お持ちしました」


 二人の警備の人がでかいボストンバッグを持って中に入ってくる。


「ピンクの方がシャルさん、水色がランスさん、です」


 バッグを置いて、ゆっくりと部屋を出る。


「パンパンに入ってるね」


 見ただけでぎゅうぎゅうに詰め込まれているのがわかる。


「とりあえず整理しよっか! 私苦手だからヴイちゃん、早く終わったら手伝って!」


「わかった!」


---


「くっ!」


 周りは荒れ果てた見知らぬ街、そこで戦闘は行われていた。


「避けろ! アリナー!」


 その声と同時に彼女は崩れ落ちた、敵の攻撃、ビームを受け、身体が真っ二つに。

 俺は走って彼女に近づく。


「おい、アリナ!」


 もう息はない、もし息があっても、ここから逃げる方法がないので、大量出血で死んでしまう、今も思う、なぜ俺たちがこんな事に巻き込まれなきゃいけないんだ。


---


(SSクラス上位二十名、今日から旅行に行ってもらいます!)


(いえーい!)

(頑張ってた甲斐があったぜ!)


「嘘だ、全部嘘だったんだ、学園そのものが嘘だったんだ、くそ、くそ、くそ!」


 敵が目の前にまで来ていた、口らしきところからビームの光が。


(あはは、終わったよアリナ、俺は終わった)


 ビームが発射され、死を覚悟した。


「嘘にまみれた学園......」


 その後の記憶はない、気づいたら見覚えがあるところについていた。


「......ここは? アサキドの隣の街、「ムーン」か? 、あいつらはどこだ? あいつらはどこなんだ!」


 もともといた場所じゃない、なぜここにいるのかも分からない、一瞬、俺があいつらを見捨てた可能性も考えた、だがありえない、あり得ないんだ!」


---


「フェリックス! お前だけでも、行ってこい!」


(こんなことすれば、あいつ怒るだろうな、だが仕方がない、これしか方法はない)


〈ぐしゃ、くちゃくちゃ〉

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