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夢の続き?

ピピピ…ピピピ…

目覚ましの鳴る音が聞こえる。もう朝のようだ

私は身体を起こし目覚ましを止め、少し考えた

ここは夢か現実か

試しに頬を引っ張ってみる。痛い

つまり現実なのだろう。しかし夢でも似たような事をしていた気もする

私はなんとなくもやもやとした気分になり、携帯を見て、気付いた。…今日は休日だ

目覚ましをかけた事に後悔をしつつ布団から出ると見慣れない物が机の上に置いてあった

…そういえば昨夜、帰宅した時にも置いてあったようななかったような…

封の開いた手紙にフタの閉まってない薬瓶…多分私はこの2つに触れているだろう

「でもこれ、一体なんなんだろう…」

私はつぶやくと、ふと思い出した。…昨日、薬を…訳もわからない薬を飲んでしまった事に

副作用があったようには思えないし生きているのは幸運だったが今思えばとても正気ではない

…この薬は捨てた方が良いのかもしれない。しかし手紙に書いてあった望みを叶えるという言葉が引っかかる

私の望み…ただ看護師をしているだけでは到底出来ない望み

…もしかして、この薬は全ての病気を治し、疲労を…!

「…なんて甘いことないよね」

私は昨日買ってきたパンを食べながら、この薬の事を考えてみる


1、もう一度飲んでみる

1度飲んで平気だったのだから安全かも?

2、誰かに飲ませる

…飲んでくれそうな人もいないしまず訳もわからない薬を飲ませる訳にはいかないよね

3、捨てる

もっとも安全だし、この事を忘れちゃえば…

…私は忘れられる?ううん、多分無理


「あーどうしよう…」

私は食べていたパンを置き、携帯を見る

「…」ネットで検索しようもワードが思い付かない

望みを叶える薬?…いや、何かアブないお薬な気がする

部屋に謎の薬?…非現実的すぎる

いや、でも非現実的が今現実になってるではないか…?

私は検索してみた。…が、案の定というかなんというか


…飲んで、みる?

私は瓶を手にし、1錠取り出してみる

…見た目は本当にただの白い錠剤。もちろん無臭

「えいっ…ごくん」

…遂に飲んでしまった。これから何か起こるのだろうか

私ははっと気付き、携帯のカメラを開く。動画に記録を残そうと思った

録画を開始し携帯のカメラを向け立て掛ける。…これでよし

私はしばらく何もせず待つことにした


「…あれ、何も起きない…?」

時計を見ると録画開始から30分経ったが何も起こらなかった

私は手紙を見てみる。…1日1錠までという文が引っ掛かった

私は今日既に飲んでいるから意味がないとかだろうか?

だとしたら私の勇気は無駄だったのでは…と思い、少し落胆した


結局私は日が変わるまでいつもと変わらない休日を過ごした


…そして深夜、日が変わり1時間が経った今、私は再び薬瓶を手にした

正直、私は自分がおかしいのではないかと思ってる

普通ならこんな事をするわけないのに…

…私は薬を取り出し、口に含み、水で流した


…あ、ろくが…わすれて…



『あら?目が覚めたかしら?』

…気が付くと私はテーブルに伏せていた。どうやら寝ていたらしい


「…おはようリリィ」

回らない頭でとりあえずリリィに挨拶をした。他に考えが追いつかなかった

『おはようマリー!』

リリィも挨拶を返してくれた

私は身体を起こし、状況の整理と寝る前の事を考えた

確か、リリィから説明を受け、私は自虐的になっていたところに店員さんが…

私はカウンターの方を見ると綺麗な店員さんはおらず、代わりに私と同い年くらいの愛想良さそうな女の子が立っていた

こちらに気付くと「ただいま参ります!」と笑顔で近寄ってきた


「お待たせいたしました!」

「あの、すみません。綺麗な店員さんはどちらにいますか?」

「あー…シア先輩帰宅しちゃいました…申し訳ございません」

彼女は頭を下げる。…この子が言うと本当に申し訳なさが伝わってくる気がした

「あ、全然大丈夫です!私が居眠りしてただけですから」

返して私がそう言うと、店員さんは頭を上げ、「あっ!」と声を上げた

「シア先輩から伝言がありました!えっと…13時から19時は毎日お店にいます…ってこれはシア先輩のお仕事時間ですね!」

シフト、かなあ。でもどうして?

伝えられた時間に来て欲しいという事だろうか?


…まあ、なににしても見知らぬ世界の見知らぬ街で頼れる場所、人が出来そうなのは私にとって大きな一歩になる。そんな感じがしていた


私は店員さんにお礼を言い、お会計をお願いした私は一番大きな硬貨を渡した

店員さんはそれを受け取るとキャッシャーを開いた

私はキャッシャーをよく見てみた。…紙幣が1種類、硬貨が4種類、そこにはあった

ただ一番大きな紙幣はキャッシャーの下に入れる事もあるからもしかしたら2種類かも…

「お客様ー?」

「…あ!ごめんなさい、お釣りですね、ありがとうございます」

私は左手を差し出すと店員さんは左手を下に添えて右手でお金を渡し、ぎゅっと握り「またお待ちしてますね!」と愛想良く微笑んだ

「は、はい!」と私は言い、受け取ったお金をしまい、そのまま店から出てしまった


…ひとまず、私はホテルのような所で一夜を過ごし、お金を数えたり、状況整理しようと思い、街を探した

聞き込みをするとどうやら泊まれる施設があるようで、案内をしてくれた

「ありがとうございます!」とお辞儀し、私は2番目に大きな硬貨を2枚手渡した

…親切な人がいて良かった。そう思いながら私はドアを開けた


私は袋を見せ、泊まれる事を確認し、チェックインを行った

部屋は洋室のようで、綺麗だった。ベッドもある。

お風呂も下に共用のシャワーがあるらしいし、良い施設だと思った


私は金銭を数えた後、私はシャワーを浴びた

部屋に戻るとリリィは『すーすー…。』と既にベッドで寝息を立てていた

…少しお話しをしたかったけど、仕方ないね

私はリリィにタオルを被せ、ベッドに入った

…明日はまた忙しい1日になるかな


私は目をつぶり、リリィの寝息を聞きながら意識を手放した

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