第一話 始まりの日
外伝です、最初の。
どこまで書くかは...思い付き...ゴホン、ネタ次第です。
リオンが聖天の谷の底に落ち気が付いて一日が過ぎ、疲れと空腹感に押し潰されて眠りに着いたリオンは朝の到来に気付きダルイ体を引き攣り起こした。
リオンは空腹の所為で鳴りばなしのお腹を手で撫で撫でして、しかし当たり前のようにそれのお陰で音が消える事無い。
だからそれを何とかしようとリオンは昨日見た マギウス と言う剣士の記憶を頼りに マギウス が所持していたものが置かれているこの洞窟の、その中の一角に目当てのものを探す。
マギウスの記憶 を見たお陰でリオンは難なく探してる目当てのものを見つける事が出来た。
リオンは それを持ち上げその隅々を観察しようとする事をせずに それを左手で握り締め、マギウスの記憶の中で習った通りに 目を閉じて右手と少し前へ突き出し、その右手の先を意識しながら心の中で
『オープン』
と念じた。
そして目を開き、手探りのようにゆっくりと右手を更に前へと伸ばす。
リオンははらはらしながら右手が少しずつ前へと伸ばし、一定の さっき意識した場所を超えでいくからに連れ先から少しずつまるで透明にでもなったように見えなくなり、しかしその感覚がまだきっちりと残ってる事にリオンは マギウスの記憶通り だと心を撫で下ろした。
やがてリオンの右手の手首から先が完全に 透明になり、リオンは慌てずに
『リスト』
と念じた。
そしたらリオンの視界に半透明の一つのリストが浮かび上がり、もしその場に他の誰かが居ても見えないものだ。
リオンはそのリストに書かれたものを自分自身が マギウスの記憶 から記憶したものと比べ、正確である事に気付く後に次へ移った。
『おにぎり』
とリオンは心の中でその名称を思い浮かび、そして右手を感覚的に何かを掴むと言う感じで力を入れながら、手を退いく。
手を退いて行き、前に透明化した部分が最初に意識した場所を通過行くごとに元通りになっていく。右手が完全にその意識した場所を通過して、完全に前と同じではなく、一つのサンドイッチのような三角形で白いものがその右手にはあった。
これも マギウスの記憶 の中の通りのものであった とリオンは思い、左手に握り締めてるものを仕舞い、そしてその マギウスの記憶 が正確で在らば と その白くて持ちやすい所に深緑がある おにぎり とやらにがっぶりと一口食べた。
それなりに裕福ではあるものの親からもそし自らも節約をモットにしてるリオンには味わった事のない味が口に広がる。
口の中に広がる感触がリオンに口を動かし、真剣に口にあるものを噛み砕いて行き、その行動は舌に甘い味と微かに味わえる変に目立たないが確かにある酸味が交わり、リオンの食欲をより一層を掻き立てる。
リオンは他の事を忘れただ夢中に おにぎり を一口、そして確り噛みそれにより齎された味少しずつに満足を得ながらそれらの行為を繰り返していき、ものの数分で五歳のリオンでは両手の大きさの おにぎり を完食した。
まぁ、その途中で おにぎり の中身 中に入ってる具 梅干 はリオンに別の味を味あわせた事は又別の話だ。
お腹を空かせているとは言え五歳児であるリオンは小食でないものの、元々成人であるマギウスの為に作ったおにぎりは一個で十分すぎるものであった。
空腹感に代わり満腹感がリオンに短い間の幸福を与えた。
短い時間が過ぎ、リオンは自身が決めた目標を思い出し、それを成すために最初の一歩を踏み出す。
リオンはさっき仕舞ったもの 成人の男子の指に嵌めるくらいの大きさの指輪 を再び取り出し、まだ五歳のリオンには中途半端で指輪にしても腕輪にしてもサイズ的に絶対無理であるそれを左手の人差し指に嵌める。
左手に嵌めた事で右手がその指輪を離す、当然ではあるがその指輪は大きすぎてリオンの左手の人差し指にフィットしないまま、リオンが指を動かす度にたるんたるんと揺れる。
それでも構わずにリオンは指動かし続け、そして二、三回指輪が揺れた後に奇妙な事が起き、本来リオンには合っていない筈の指輪が縮み、リオンの左手の人差し指にピッタリとフィットした。
そう言う現象を確認してリオンは驚かずに 成功だ と軽く拳を握りしみカッツポーズをした。
驚かないのは当然であった。何故ならリオンは マギウスの記憶 の中から今左手に嵌めてるこの指輪は 魔道具 である事をしったからだ。
その指輪は二つの部分に分けて其々違う機能を備えている。先ずはその小さい紅い宝石 ルビー は空間収納の魔法的概念が付与されていて、単純に言えばどんなものでも、どれだけのものでも生き物以外であらばそれを収納し、取り出すことが出来る。
もちろん収納してる間はそのものの時間を停止させる事が出来、食料などのものを収納しても腐ることを心配する必要のない優れものだ。
もう片方はそのルビー以外の部分でそっちは唯単にその大きさを変えることが出来る と言うものである。ルビーに比べればそこまで優れた機能ではないが、それはそれで有用である。
そしてこの二つを合わせたものが魔道具 次元宝庫 であるのだ。
リオンは初めて手に指輪を嵌めてるからその感触を確かめるように左手を握り開きを数回を繰り返した。
問題ないと確認出来たリオンはもう一度手を前へ少し突き出す、しかし前の時と違い右手てはなく左手を使っているのだ。
その使い方を覚え、それが安全である事も確認したリオンは二度目なのに慣れだ感覚で今度は目を閉じずにただ集中して、そして左手をもっと前へ伸ばし、引き出すと同時に 次元宝庫 から一振りの木刀を取り出した。
リオンは洞窟の前にある少し開いてる場所に向かい、その途中に鍛練の仕方を思い返した。
目指してる場所に着いて、リオンは感触を確かめるように木刀を数回軽く左右に振った。
その木刀はマギウスが鍛練用にスミスと言う鍛冶屋に特注したもので単純の一般用のものとは質量が違い、今のリオンはただ単に振るだけなら大丈夫であろう。
だからリオンは問題ないと判り、直ぐに記憶の中にある鍛練の方法に従い鍛練を始めた。
リオンは両手で木刀の柄の部分に添え、握り締める。すんと突っ立ち、左足を後ろに半歩くらい下り、ゆっくりと木刀を持ち上がる。
木刀の先が少しずつ上がって行き、それに連れ少しずつ揺れが大きくなっていく。しかしながらそれは当然であり、リオンもそれを承知の上で歯を食いしばり、頭を越えた所に数秒だけその姿勢を維持した。
数秒後にリオンはゆっくりと体を前へ押し進み、少し遅れたが木刀もゆっくり振り落として行く ようとしたが、まだ非力であるリオンは本当にゆっくりと行かずにその木刀の重さの所為で一気に地へと着きたい切っ先を必死にそれを阻止しようとする事しか出来ずに振り落とす とは行かずに、少しずつ切っ先を下ろしていく事には成功したがとでもゆっくりとは言えないものである。
最初のこの一連の動きはリオンに自身の非力さを教え込む、それらの動きが全然記憶の中にあるものと重なるものは無く、完全に別のものになってる事に気付いた。
しかしだからと言ってリオンは諦めずにもう一度力を振り絞り木刀をゆっくりと持ち上げていく。そして、又前みたいに体を押し進みながら木刀を少しずつに下ろして行く。
鍛練のたの字も知らないリオンにはこの二回をするだけてかなりの負担を感じてる筈で、だけどリオンは目標としたものを心の中に何度も思い返し、歯を食いしばって鍛練を続けた。
リオンは更に数度さっきの動きを繰り返して、そしてとうとその腕は木刀を持ち上がることも出来なくなったが、リオンはやめない。
リオンは木刀を必死に持ち上がろうとする、しかし木刀はびくとしない。
その日リオンの鍛練は始まった、最初の日でリオンは力が尽きるまで続けて、最後に力が尽きて倒れ込んだ。
幸いなのかそれとも不幸なのかリオンの今居る場所は 聖天の谷 だ。そこに漂う空気であっても人にとっては霊薬のようなものであった。そのお陰でリオンはそんなに時間を掛からずに起き上がることが出来た。
リオンはきっちりと今日この日の鍛練は終えてるのだ。