第十四話「一匹狼」
~Side''The Miserable One''〜
感情を殺すのは、苦手。仮面を付けるのも、苦手。自分が自分じゃなくなった気がするから。本当の自分が死んだ気がするから。
苦手だった。だから、最初、機械のように反省し、毎回同じ表情を貼り付けられる彼らはなんてふざけた人 達なんだ、そう思った。
いっぱい怒鳴ったりもした。こんなの間違ってるって、声が枯れるまで叫んだ。
だけど、数回を経験して、気付いた。
望んでなる訳じゃない。
誰しも、こうなりたかったわけじゃない。ならざるを得なかったってことに。
そうでないと、やってられない。
本当の自分を守れないの。
……いいえ。違う。
本当の自分なんて、とうに死んでる。
みんな薄々気付いてるんだ。単に、気づいてないふりをしてるだけ。もちろん私も。
でも……そんなのあんまりだ。
認めたくない私は、今日も鏡の前で顔に反吐が出る『仮面』を貼り付け、仲間と共に幾千回目を過ごす。
◇ ◆ ◇
《ゴーン》を討伐する事になった俺は、アナスタシア、モーガンの二人と一緒に町で俺用の装備を買ったりして依頼に備えていた。
そして現在、俺は武器屋『アレクスの剣』で暴力的な刃物の数々を吟味している。
そうそう、ロンに聞いたところここはここ十数年で建国された王国、アレクス王国の王都リネアレス。何でも、ここら一体の名前『リネリア』と国王の名前『アレクス』を混ぜたそうな。
通貨の単位は何のひねりもなく「アレクス」。銅貨が10アレクス、青銅貨が100アレクス、銀貨が1000アレクス、金貨が10000アレクスだという。一応その上にも『特級銀貨』なる物があるが、金貨百枚分というイカれた価値なのでお目にする事は少ないだろう。
食べ物が青銅貨数枚で売ってるところを見ると1円≒1アレクスとなるが、地球では価値の低かった物が化ける事なんて幾らでもあるだろうし、おそらく1円=1~5アレクスあたりなのだろう。まあ、違う世界の価値観を強引に比べようとしてる訳だしアバウトになるのは致し方ない。
閑話休題。とにかく俺は武器屋で装備する武器を選んでいた。
というのも、俺は事がある度魔法で武器を作っていたから得物を持っていなかったのだが(イアさんの武術指導も同じ方法で武器を調達していた。流石に魔法を覚える前は武器を貸して貰っていたが)魔力を消費するし、せっかくなので買ってもらうことにしたのだ。
……が。
「ゴーンの毛皮を切り裂ける武器だろ……? なら、こいつが最低ラインか」
そう言ってモーガンが渡してきた武器は片刃のロングソード。しかし、受け取った瞬間
「うわっとっとっと!?」
俺は余りの重さに重心を大きく崩した。
咄嗟に身体強化の魔法で何とか立て直したからいいが……なんだこれ。見た目は普通のロングソード……とは言っても俺の体躯近くはあるのだが……なのだが異常に重かった。高校生程度の膂力がある俺でこれってことは、この剣、下手したら20kg以上あるんじゃないか……。振り回させる気が微塵も感じられない。
「だ、大丈夫?」
アナスタシアが心配そうに話しかけてくる。
「大丈夫です。けどこれ、相当重いですね……」
「そうね……でもモーガンの言う通り《ゴーン》ともなると、魔法障壁を膂力だけで切るならこれくらいの武器は必要だわ……」
「……」
アナスタシアは軽く言ったが……おそらくこの武器、この大きさで俺の倍以上の重さがあるのだ、フルアーマーですら易々と叩き割る事が出来るだろう。
魔獣と言う位だし、防御魔法を使う事は想定していたが……これが最低条件? 面白い冗談だ。
「後は、これなんか俺のオススメだぜ」
モーガンは俺が呆然としている横で、嬉々として俺の身長を遥かに上回る巨大なバトルアックスを手に取る。
しかし、流石にアナスタシアが黙っていなかった。
「あのさあ、モーガン。トラシアの場合は攻撃手段として魔法が使えるし、もう少し軽い物でも何とかなるんじゃない? 例えばこの剣とかどうかしら」
そう言ってアナスタシアが手に取ったのは、俺の半分程の刃渡りを持った両刃の剣。モーガンが渡してきたものに比べると、随分と小ぶりに見えるし、重さも多分5kgもないだろう。
「いや、《ゴーン》は間合いも相当広い。膂力は強化魔法でどうとでもなるだろうし、剣で戦うなら間合いが大きいに越したことはねえだろ」
「モーガン……魔法使いが1から10まで何でもできると思ってるの?元々力のある貴方と違って強化魔法を使うにも魔力を使うのよ?」
「確かに、決定力のある火力は魔法で出そうと思うので、剣はなるだけ負担のない軽くて丈夫な物がいいですね」
「うーん、そうか……。そういう事なら仕方ねえな」
結局アナスタシアの意見に従い、男子高校生の筋力でも難なく持てる軽めの片手剣にした。攻撃力は心許ないが、《毒》や《電》属性魔法を付与すればある程度の打点にはなるだろう。
早速武器屋の裏でカカシを試し斬りしていると、モーガンが話しかけてきた。
「ところでトラシア、片手剣にした訳だが盾はどうする?」
「盾、ですか……」
片手剣。両手剣と違い小回りは効くものの、攻撃力と安定性は当然両手剣に劣る。
しかし、片手剣には「片腕がフリーになる」という大きな利点がある。即ち盾を装備出来る、という事だ。
地球で読んだラノベでは盾を使う主人公はあまり見かけなかったけど……現実問題魔法ですべての攻撃を防ぎ切るのは魔力的に拙いし、ある程度の攻撃や、身動きの取れない落下中の攻撃は盾で受け流した方がいいだろう。
俺は剣に引き続き盾も見る事にした。
「《ゴーン》の爪は下手な刃物より余っ程鋭いからな、この『特級金属』を使ったやつとかどうだ?」
それをみたアナスタシアは嘆息した。
「特級銀貨150枚って……馬鹿じゃないの? 予算は金貨40枚に抑えろって言われてるし、諸々買ったからもう金貨20枚しか残ってないわよ」
「特級金属? もしかして特級銀貨と同じ金属ですか?」
「うん、最近錬金術師が発明した金属のことよ。軽くて信じられない程硬いんだけど、量産されて無い上に硬すぎて加工しづらいから物凄く高いの」
「へぇ……」
なるほど、軽くて硬い……そもそも現代にある金属なのかわからん。貴重な上軽いって聞いてアルミかと思ったけど、確かアルミ自体は硬くないはず。それに、アルミなら翻訳でちゃんと「アルミニウム」と出るだろうし、魔法で全てがどうとでもなるこの世界の事だ。特級金属は本当に現代では存在しない合金、もしくは魔法金属なのかも知れない。
「じゃあこれ一択だろ。木製の盾は役に立たないしな」
モーガンが手に取ったのは鉄で出来た物。オーソドックスな物らしく、価格も金貨5枚となっている。試しに手に取ると少し小さ目のサイズが俺に丁度よく感じた。
「そうですね。この重さなら動きの邪魔にもならなさそうです」
俺はモーガンの進めた盾を選んだ。
「じゃあ、装備も揃った事だしリネリアの森に行きましょう!」
そして、アナスタシアの鶴の一声で、俺たちはリネリアの森へと出発した。
◇ ◆ ◇
「ここがリネリアの森……意外と近いんですね」
「王都に水を供給してるリネリア川の水源だから、どうしても近くなっちゃうのよ」
多分距離的には数キロも離れていなかったんだろう。城門を出て草原を軽く走ると、すぐに森は見えてきた。
遠くには雪山が見え、その前に巨大な針葉樹が立ち並ぶその様子は東北の山地を連想させる。
「いつもならくっさい虫よけ塗らなきゃなんねえが、今日はなるべく《ゴーン》に気づかれたくねえし、虫よけは万一の時にだけ塗ることにしてさっさと行く。幸いこの時期吸血虫の類はいねえし、トラシアが《ゴーン》を倒したらすぐに帰るぞ」
「はい」
そうして俺たちは深い森の中に入っていった。
それから一時間程度経った後。
幸いにもあれから魔物と会うこともなく、俺たちは順調に森の中を進んでいた。というかここ、土地自体が微弱な魔力を帯びているようだ。もしかしたらそれが原因でこんな巨大な木が出来ているのかもしれない。
心配していた環境面は季節のお陰かそれ程悪くも無く、地球のちょっとした山に登っているような感覚だった。
唯一の不満は……
「~♪」
アナスタシアが俺のことを抱いて離さない、ということだ。俺は身体強化を使わずとも下手な一般人よりはスタミナがあるし、大丈夫だといったのだが……
……彼女はその言葉を聞くと、それはそれは悲しそうな顔で返答した。そして、女の子への免疫がない俺はされるがままになるしかなかった。
というか曲がりなりにも俺、体は五歳児だしその重さは20kgはあるはずなんだが、それを歩きながら一時間以上抱きかかえるって……
「ぼくのかんがえたさいきょうの……にんげん?」みたいなイアさんといい、この世界の女性は怒らせない方がよさそうだ。
そんな事を考えていると、モーガンが喋り始めた。
「運がいいな……普通はここに来るまでに《ヤーンエイヴ》程度は見るもんなんだが」
それにアナスタシアも同意する。
「確かに、これならいつもより早く終わるかも知れないわね」
「いつもはどんな感じなんですか?」
「大抵二、三匹の魔物には会うわ。私でも対処可能な位の魔物しかここら辺には出ないけど」
「その雑魚が出ねえってことは、《ゴーン》とかち合うのもそう遠くはねえかもな」
「案外モーガンの顔が怖すぎて逃げてるのかもしれないね!」
「俺が強面で行き遅れだという自覚はあるが、真正面からいうとか流石にぶっ飛ばすぞ?」
「ふふ、冗談冗談。モーガンはイケメンさんよ」
「反省してねえだろお前!」
モーガンが引きつった顔で軽く剣を振りかぶるとアナスタシアが笑いを抑えながら言った。
それにしても……
「お二人さん、本当に仲がいいんですね」
俺はからかったりしながら談笑する二人を見て、心の底からそう思った。二人を見てると、モーガンの大きさのせいで本当の父親と娘の様に見えてくる。
「まあ、こいつとは共闘する仲間だしな」
「うん、というかギルド自体一味同心なところがあるから、必然的に仲間意識は芽生えるわ」
こうして俺たちはしばらく雑談していたのだが……突如モーガンが立ち止まった。
見ると、アナスタシアも同じような様子で、先程まで抱きかかえていた俺を下ろし、剣と盾を渡してくる。
俺は突然様子が変わった二人に何が起きたかわからず混乱する。
周囲は相変わらずの巨木に植物の生えたちょっとした小山、それに切り株。何があるわけでもない。殺気も感じられないし、大きな生き物の気配も感じられなかった。
だから、俺は次にモーガンが言った言葉の意味を理解できずにいた。
「……どうやら《ゴーン》のお出ましのようだな」
「……え?」
「えって……もしかしてお前、あれが見えねえのか?」
モーガンはそう言うと目の前の自分の身長よりちょっと大きいぐらいの小山を指さす。
「これが、何ですか?」
「何ってそりゃあ……睡眠中の《ゴーン》に決まってるだろ。それじゃあ俺達は観戦に徹させてもらおう。お前なら問題ないと思うが、万一の時は助けてやるから安心して戦えよ。
アナスタシア、退避するぞ!」
そう怒鳴ると同時モーガンはアナスタシアを抱えて近くの木に登って行った。
そして、その言葉が合図となったのだろうか。
目の前の小山ははちきれんばかりの気配と殺気を放出させながらゆっくりと動き始め……上部の土や枯れ葉がぼろぼろと音を立てて崩れ始める。
それは僅かに数秒の出来事だったはずなのだが……落ちていく土の塊が、植物の葉が、枯れ枝が、そして段々とあらわになっていく全体像が、妙にスローモーションで見えた。
……さて、今の俺の身体年齢は「5歳」。身長は1メートルをちょっと越えた位。体重は流石に曖昧だが、平均的な身長と太っても痩せてもいない体躯からいいとこ20kg程度だと予想できる。
え? なぜ急に身長体重の話になったって?
……なぜなら俺の眼の前にいたのは「体高」2.5メートル、体重4トン程度の狼の形をした化け物だったからだ。
俺は反射的に自分に身体強化魔法を、手に持つ剣に反射無効化魔法を掛けるとふと、ぎらぎらとした殺気を揺蕩えた狼公と眼が合う。
瞬間。
〝ヴヴォォォォァァァァァッ!!〟
腹の底まで響く様な重低音が辺りに響き渡り、全てを壊す暴力装置が襲い掛かってきた。
◇ ◆ ◇
「くっ!」
俺は狼の攻撃をある時は紙一重で躱し、ある時は反射無効化魔法を掛けた盾でいなしていく。
相手の身体強化魔法は最序盤に無効化したが……それでも単純な膂力が尋常ではない。
……最大限盾でいなしたはずなのに、数十メートル吹っ飛んだ時にはさすがに驚いたが。
それに、攻撃の合間の隙に一瞬で加速して《毒》属性の魔法と反射無効化魔法を掛けた剣を切り付けたのだが。
「……硬すぎる」
分厚い毛皮のせいで殆ど刃が通らない。相手の体の構造がいまいちよくわからないとはいえ、達人級の俺が掠り傷すら与えられなかったのだ。そればかりかむしろ切り付けた剣の方が刃こぼれを起こしている有様。
どうやらこの戦いで剣は一切有効打にならないらしい。ある程度覚悟はしていたが……盾も剣も一切役に立たないとは。
俺は剣を投げ捨てゴーンの反撃を躱しながら、無理矢理《並列思考》を利用して相手の反射魔法を弄って俺に魔力を送るように改造する。
改変が終わった途端、俺の体に新鮮な魔力が送られてくる。これで魔力面の心配はなくなった。が、どうやらこの状況ではあの程度の改変が限界のようだ。
あの魔力量だとここら一帯が吹き飛ぶので元々使う気はなかったが、まず魔力暴走を起こして葬るのは無理そうだ。
……っと。
〝ヴァァァァッッ!〟
魔法をいじられたことを理解したのだろう、ゴーンはより一層凶暴な目つきで襲い掛かってきた。
「《動》!」
咄嗟に盾を投げ捨てて体を軽くし、魔法で移動速度を上げて横に身を投げ、すんでのところで爪を躱す。
メキャッッッ!!!
「うっそだろ!?」
間一髪躱した俺の身代わりになった胴回り数メートルはありそうな木が、容易く折れた。
中型トラック並みの筋肉の塊から繰り出される斬撃だ。薄々予想はしていたものの……まさかこのサイズの木が折れるとは思わなかった。少しでも遅れていたら、そのまま肉塊になっていたところだっただろう。
モーガンはこいつを魔法による強化無しで真正面から打ち破れると聞いたが……正直頭おかしいと思う。この世界の人類は化け物かよ。
攻撃魔法、硬すぎて無理。身体強化魔法を使った打撃、硬すぎて無理だし、身体強化魔法は現在進行形で掛けまくってる。内臓を破壊する打撃、中途半端に硬くて柔らかいあの忌々しい毛皮に守られて無理。むしろこの世界の人に倒し方を教えて欲しいくらいだ。
物理攻撃は不可能、魔法ですら毛皮に防がれるこの状況。有効打は即ち、防御を無視した攻撃。
……一応、あるにはある。リスクが大きすぎるのだが。
考える間にも、狼のクソッタレは地面を抉り、樹木を倒して俺の逃げ道をひとつずつ塞いでいく。
……腹を括る時が来たようだ。このまま長期戦をしてもジリ貧。魔力枯渇でそのままばたんきゅーの可能性があるからやりたく無かったが……こうなりゃやけだ。
俺は身体強化魔法のリソースを思考力強化に大幅に割き、最低限の強化で攻撃をかわしていく。
幸いにも相手はロンが出発前に言っていた通りそれ程賢いわけではないようで、攻撃は単調なままだ。
……身体能力が高いせいで一つ一つの攻撃が一撃必殺となっているのだが。
俺は目の前の死を、焦らす様にスレスレのところで躱していく。
〝ヴヴヴヴァァァァッ!〟
痺れを切らした魔物ははち切れんばかりに筋肉を収縮させて大振りの動きで俺に襲い掛かってきた。
しかし、その動きは一見大振りに見えるが、その実『この攻撃で俺を必ず仕留めるため』の物であり、どうやら楽をさせてはくれないようだ。
「うおおおおおぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!」
覚悟を決め、魔物の懐に俺は突っ込んでいった。
ひと振すれば大木もへし折る暴虐の嵐が、遠慮無く俺を亡き者にしようとしてくる。
「《身体強化》ッ!」
ゴーンとかち合う瞬間、体を壊しそうな程身体強化を行い、攻撃するため振り回してきた相手の、下手な丸太以上に太い腕に転がる様に乗って移動し、後ろに回り込む。
〝ヴァァァッ!〟
当然魔物は、背に乗った俺を振り払うように体を激しく揺らす。
しかし。
「これで――終わりだ。
《次元斬ッ》!!」
イアさんに切られてから、書き換えを防ぐ為に嫌という程構造を叩き込んでいたその魔法を脳内で構成し終え、ゴーンの首元に手を当て無我夢中で奴自身の魔力を流し込んで叫ぶ。
最初は厨二病だと恥ずかしがっていたその詠唱も、もう、そんな考えは微塵も沸き起こらなかった。
そして、俺の、心からの絶叫が届いたかの様に。
奴の首はその瞬間少しずれ、ゆっくりと下に移動して、断末魔もあげずに激しく血を吹き上げながら、転げ落ちた。
そして、俺の乗っていた奴の胴体は、首と切り離された数秒後、糸の切れたあやつり人形の様に為す術なく地上に倒れ伏した。
緊張の切れた俺は、事切れて物と化したその背から降りた後も、モーガン達が来るまでの間、その血の流れ出る様子を呆然として眺めていた。
◇ ◆ ◇
乾いた笑みを浮かべながら、平気だと笑い飛ばしていた。
自分は強いと、過信していた。
でも、ある日。
とりとめもないような朝のこと。
いつも通り鏡に向き合う、私の心の中で。
いつも通りのみじめな表情を見て。
不意に、『仮面』の欠ける音がした気がした。
気が付くと自分でも知らない内に泣き叫んでいた。どうして私が。そんなみじめな気持ちが、次から次へとあふれ出て、薄汚い心を抱えてた自分自身を益々みじめに思った。
これじゃあいけないと無理矢理自分自身を奮い立たせて、私は再び『仮面』を付けることを試みた。
でも、その日だけは私の顔からみじめな表情が消えることはなかった。
私は――想像以上に『弱い』人間だった。
◇ ◆ ◇
――崩壊は、既に、始まっていた。
もうエタってもいいかなって思ってた所に誰かが評価入れるとか……脳みそ絞り出してでも書くしかないじゃないか!
入れてくれた誰かさん、本当にありがとうございました。
次回から王城に召喚されたクラスメイトについての云々を数話してから新章に入る予定です。
新章『リネリア村の邪教(仮)』
トラシア達ギルドの面々が邪教の討伐をしに行くお話です。乞うご期待。
20180728
しばらく→モーガン達が来るまで
に変更
20180731
ずっと贅力だと思ってましたが膂力の間違いなんですね。自分の日本語力の低さに反省。その他少しだけ修正
20180824
剣の重さを40㎏→20㎏に変更。もちろんこれでも相当重いのですが……。
トラシアが買った剣の方に5㎏程度という描写を追加