決心
住みません3話で終わると言っておきながら今回で終わりませんでした。
次が最後です。
信子さんの相談とは何なのか聞きたかったが、今信子さんと一緒に居る僕は彼氏でも無ければ親友でもないそんな事聞ける筈が無かった。
だから僕は学校から帰るなり彼氏として信子さんにメールをした。
内容は、
信子さん、明日の放課後デートしませんか?
信子さんとどうしても話をしたくなったのです。
いけませんか?
シンプルいずざべすとだ。
僕はそのままメールを送信。
待つ事一時間...
不味ったかな?ケータイを前に正座しながら待っていたのだが一向にならない
更に待つ事一時間
やっぱり僕は駄目なんだ。駄目な奴なんだ。男なのに女みたいだし。
独りで待つと嫌な事ばかり考えてしまう。
更に以下略
僕は諦めて追う帆に入りふて寝しようとしたがお風呂からあがったら新着メール一件の文字が僕は慌てて見てみる。
「信子さん」
信子さんのメールが来ていた僕は嬉しさのあまりその場で叫んでしまいお母さんにうるさいと怒られてしまった。
信子さんのメール内容は信子さんらしく簡素な物で、
良いよ明日デートしよう。一度着替えてからにするから1630頃駅前で
僕はすぐに絶対に遅れない様にしますと返信した。
______
翌日
現在時刻は1700未だに信子さんの姿は見えていない。
僕の視界は10分程前から涙でぼやけて見えないぬぐってもぬぐっても出てくるのだ。
諦めかけたときいきなり後ろから誰かに抱きしめられる感覚がする。
「えっ!?」
強く話さないような抱きしめ方ではなく優しく包み込むような感覚。
嫌悪感こそ抱かなかったが、驚きのあまり声を上げてしまい固まる。
「ごめん、待たせた」
声の方を見ると信子さんが僕を後ろから抱きしめていた。
「のののの、信子さん」
「学校で結構時間がかかってしまって遅れてしまった」
信子さんは申し訳なさそうな顔で僕に言う。
「そんないきなり誘った僕が悪いんですから」
僕は涙を拭い信子さんに言った。声が少し震えていたのは泣いていたからとかじゃないからね、絶対。
「わた、俺も欄と話したかったんだずっと」
そう言った信子さんの笑顔が素敵で一気に幸せな気分になる。
「僕は信子さんの事大好きなんです「欄、女の子が僕とか言ってはいけないぞ」
悩んでる事があったら僕に言ってくださいと言う言葉が信子さんの声でかき消された。
……あれ?ちょっと待って今信子さんなんて言った?
「でもそんな所も好きだよ欄」
信子さんからの嬉しい言葉も僕の耳には入らない。
もしかして信子さん僕の事女の子と勘違いしているんじゃ…
「本当に可愛いな欄は。正直な所。最初欄に告白された時は、あまりにも必死な欄に勢いに押されてOKしてしまっていたけど、今はすっかり欄に夢中になっているよ」
信子さんはそう言うなり僕の頭を優しくなでた。
僕の今までのつき合って貰っているのではないかという不安は信子さんの言葉とこの気持ちいいなでなでによって洗い流されたが、
ん?ちょっと待って勢いで…そうだよねじゃ無いと僕なんかがOKしてくれる分けないかと少し落ち込んで居たが。
っと、そんな事より。勘違いをたださなければ。
「あの…信子さん僕…嫌…私は」
ってなに私に言い直しているんだんだ僕は
__ピピピピピ__
「ごめん欄仲間から電話がかかってきた」
そう言うなり信子さんは携帯を取り出し仲間と話し始めた。
内容は聞こえなかったけど信子さんの表情はどんどんと険しくなる。
話し終わった信子さんはその険しい表情をすぐに申し訳なさそうな表情に変えた。
「ごめん欄仲間にすぐに来て欲しいって呼び出しが来た。どうも俺が居なくてはどうにもならない事らしい。デートはまた次の機会でお願いしたい。男にはやらねばならない時があるんだ」
そう言うなり信子さんは走り去ってしまった。信子さんの去り際のこの言葉でどういう状況になっているのか少しは理解してきた。
おそらく信子さんは僕の事を女だと勘違いしている事は間違いない。そして信子さん自身も自分の事を男として僕に接していると思う。
多分これは想像だけど僕の為なんじゃないかなと思う。僕が傷つかない様に信子さん自身女だと隠して…
僕はその場でしゃがみ込む。考えれば考える程そうとしか思えなくなる。
こんなに人が好きになった事無い。これからも無いと思うそれぐらい僕は信子さんが好きだ。
そんな信子さんに僕は無理をさせている気がする。それは僕には我慢出来ない。
僕は少しでも信子さんの役に立てる様に自分に出来る事を何可考えた。
まず一つ、信子さんに僕だと気づかれては行けない。
僕はそう決心するなり携帯を取り出し秀に連絡を取った。
「秀、水臭いぞ僕に連絡は無しなのか」
秀が電話に出るなり僕はそう告げた。
「あ〜、お前に連絡入れるの忘れてたわごめんなってか、何で今から戦だという事知ってんだよ」
「そんな事はどうでも良いから早く場所を教えろ」
二つ目、信子さんは僕が守るんだ。
僕はその日から必死に戦った少しでも信子さんの役に立ちたかったから、いや全ては信子さんを守る為だ。
身体を鍛え喧嘩に強くなる様に努力をした。そうすると何故だろう愛の力なのか成長期なのか僕の身長はメキメキと大きくなり信子さんを追い越したそれと同時に力も強くなり今では立派な信子さんの右腕だ。
正直の所、僕自身がここまで自分が強くなれるなんて思ってなかったし愛の力って凄いなと感心していたが、問題が一つ出て来た。
信子さんとつき合い始めてから一年と半年が過ぎたもう僕は男だとバレても良い筈だし信子さんも気づいていい筈なんだけど。どうしてこうなった。
「欄、好きだよ。身長の高さなんて気にしないでいいからヒールとか履いても良いんだよ」
信子さんは思わずウットリしてしまいそうな笑顔で僕に言った。
ほらこれだ。この通り信子さんは未だに気づいていない。さりげなく筋肉を見せてみても。
「どうしたんだいその筋肉女の子なのに凄いね。俺より凄いんじゃないのか?ますます惚れ直したよ」
とこんな感じだ男の証を見せないと信じないのではないかと思ったがそれはどうしても出来ない。嫌われたく無いしそんな事したら僕が捕まってしまう。
このまま僕たちの関係はどうなるのかと考えたがとりあえず今の所しあわせなのでよしとしてたのが間違いだった。
そうこの時の僕はこの幸せが永遠に続くと思っていたんだ。
でもそんな事は無かった幸せなんか不幸の上で成り立っている訳だし。
幸せの次は不幸って相場が決まっている、幸せが大きければ大きい程不幸は大きくなる。
この時の僕はそんな当たり前の事を忘れていた。