成功?
お久しぶりです。
一応この作品は次回で最後となりますがどうでしょう…
もしかしたら次回で終わらないかもしれません
すみません
僕は言ってしまった後、
(なんでいきなり告白なんかしているんだ馬鹿か助けられたから好きになったとか女か僕は男だろう、男ならきちんとした告白をしないと)
と慌てて取り消そうとしたが。
「あの…その…ぼ僕は」
言い直そうとしたが緊張と焦りからか舌が回らなくなり上手く言葉が言えない。
「わかった、わかったからつき合うから」
言い直そうとしている僕を見て、織田信子は心底困った顔で僕の告白を受けた。
僕個人としてはつき合う事が出来て嬉しいかったけど何度かデートを重ねているとこれはつき合っているのではなくつき合ってもらっているという事に嫌でも気づいた。
まず一つ、信子さんは僕とデートする時は終始申し訳なさそうな顔をしている。
もう一つは、デートする際の場所選びやスケジュールはいつも完璧に信子さんが決めてしてくれる。
最後にデートが終わる時にはいつも辛そうな顔で別れる信子さんの楽しそうな顔なんか見た事が無い。
以上の事から信子さんは僕と無理矢理つき合っているのではないかと推測された。
「はぁ〜〜」
僕は大きくため息を吐いた。
「どうした!元気が無いな」
と僕に声を掛けてたのは中学時代からの親友である。豊臣秀だ。体格は小柄、耳はでかくて短髪クラスのみんなからはさるみたいだと言われていた。
「そうか?そんなこと無いと思うけど」
僕がそう答えるなり秀は、
「だったら親方様の所に着いて行ってくれないか?」
「親方様?だれ」
僕んその言葉に秀は心底驚いた顔をした。
「お前馬鹿かよ。知らないのかあんなに有名なのに…それもそうかお前基本ボッチだもんな」
なにげに失礼な事を秀は言っていたが、僕は心が広いので許してやった。
「良いか、親方様はこの安土学園のヒーローだ。親方様はなんでも出来る。強くて格好良くてこの安土学園の男子生徒や女子生徒のあこがれも的だろうが」
「知らないなそんな人は」
「まじかよ、ありえねぇ。がまあその方が良いかもしれないな変に親方様に緊張しないだろうし」
そうは言うなり秀はその親方様の所に僕を連れて行った。親方様は使われていない旧校舎に居るらしい。使われなくなった旧校舎は古いく汚れているイメージがあったが、実際見てみると全くそんな事はなくまだ校舎として使えるんじゃ無いかという程奇麗だった。
手入れが行き届いているというかなんと言うか,噂の親方様は案外きっちりしているのかもしれないなと思いながらも実際に親方様を知らない僕は悪い想像ばかり膨らんで精神的に参ってしまう。怖いな断ればよかった。
秀がこんなに言うのだから立派で凄い人に違いは無いが何なんだろう現実味が無いというか普通の高校にこんな絶対的な君主が存在しているのが、怖いその人の機嫌を損ねたら終わりじゃないか。
しかも秀は僕に変な変装までさせているし、一体どういう事になっているのか訳が分からない。
「秀、何故僕はこんな格好をさせられているんだ?」
僕の見た目はよく女だと間違われるだから僕は髪の毛を短く切った。全く意味なかったけどでもそれも今はカツラで隠されている顔ごとだ。
「それならお前の女みたいな顔も隠せてちょうどいい。女みたいな奴を紹介なんか出来ないよ」
「お前喧嘩売っているいるだろ」
そんなこんなで訳が分からないままその親方様の所に僕は通された。僕は親方様の姿を見て驚いた、正直気を失いそうになった程だ。
秀が親方様に僕を紹介しているがそんな言葉は耳に入らない。
何故なら親方様は織田信子さんだったからだ。
____
僕を紹介し終わり、僕の近くまで来た秀に小声で信子さんに聞こえない様に気をつけて話しかけた。
「おい、何で信子さんが親方様なんだ。学園の王子なら分かるけど親方って」
僕の質問に秀は小声で返す。
「お前知らなかったのか織田信子様は親方様だ。親方様はここら一体の学生のボスだ」
秀は何も知らない僕にも分かり易い様に説明してくれた。
ここら一体は学生達で領土争いを昔から繰り広げられているらしい。分かり易く言えば僕たちは織田軍だとすると武田軍、今川軍など色々あるらしいがその戦いに見事勝ち続けていつのが親方様なのらしい。
僕は今までそう言う事に興味が無かった所為か今日その事実を初めて知った。彼氏なのに悔しいというか悲しいというか複雑な気持ちだ。
信子さんはそう言う話を一切僕に言ってくれなかったし、今現在も変装した僕に気づく気配がないそれもまた悲しい。
「おい、さるそのものがお前の友達なのは分かったが名前はなんと言うんだ?」
秀は僕を小突いた。自己紹介をしろってことかでもここで自分から実は欄ですなんてバレてしまったらと考えると迂闊に本名は名乗れない。
結局僕は自分の本名を言わずにあだ名で自己紹介をした。
「乱丸です。よろしくお願いします」
「そうか知っていると思うが織田だよろしくな」
相変わらず女性なのに男前だ改めて惚れ直した。
「さるよ。最近新顔の紹介ばかりしにくるがどうしたんだ?」
「近々また戦があると思いますので、戦力の補強でございます」
秀はいつもと違って凄く真面目にしている。
「そうかわかった。下がって良いぞ」
とうとう信子さんは僕に気づこと泣く終わった悲しいけど事実だから仕方ない、僕はせめてもと思って帰る際に足下に落ちてあったゴミを拾って帰った。汚いのは良く無い事だからね。
_____
欄が帰った姿を見送った信子は秀に嬉しそうな顔で秀話しかけた。
「さる」
「何用でございますか?」
「今帰った奴は確か乱丸だったな」
「そうでございますが」
秀はあいつ何かやらかしたのかと肝を冷やしていたが表情には出さない。
「気に入った。次からは毎回連れてこい」
「え?」
それからというもの秀は何故か信子さんの所に行く時は必ず僕を連れて行った。成り行きで戦に参加させられたりなりするうちにいつの間にか僕は織田軍の幹部になっていた。
「乱丸今日も行くぞ」
「はいはい」
僕はいつも通りに信子さんの所に足を運ぶけどその足取りは重い。なぜならここ数ヶ月信子さんと学校で毎日過ごしているのに、気づいてもらえないからだ。僕の事を嫌いになったのかと不安になったがデートの時はそうでもないし訳が分からない。
「欄丸良い所に来たとなりの3A教室の扉を閉め忘れていたとおもうから閉めに行ってくれ」
信子さんの部屋になっている旧校舎3Fの元3Bの教室に着くなりそう言われた。僕は面倒だなと思いつつ言う事を聞く。
教室を出てすぐ隣の3Aの教室の扉を見たがしまっていた。僕は音を立てずに開け次に大きな音をわざとたてて閉めた。
「乱丸何をやってるの?」
僕に声を掛けたのは明智光信子さんの親友の一人だ派手めのギャル系の美少女だ。僕はどうもこの人が気に入らない何故だろう何故か分からないけど気に入らないのだ。
「親方様に3Aの扉が開いているから閉めてきてくれと言われましたのでそうしています」
僕は何をしているのかを分かり易く説明した。
「閉まってんでしょ」
明智が訳が分からないと言いたげな表情で言う。
「親方様が開いていたとおっしゃっていたのですから開いていたのです。だから僕は閉めたんです」
「へぇ〜、信子の言う事は絶対だからしまっていても開けていた事にするのね。凄いわねその忠誠心というかなんと言うかまあいいわとにかく頑張って」
「ありがとうございます」
僕はそう言うと信子さんの元へ戻った。
僕は扉を閉めた事を伝える。
「うん、良いぞさがれ」
欄が下がったるのと入れ替わりに明智光が入ってきた。
「光、ちょっと相談があってね。聞いてくれる?」
珍しく男言葉でない信子さんの声が聞こえた。悔しいな彼氏の僕だって聞いた事無い声だぞ。