アクシデント
半年以上遅れてすみません。できるだけ早く更新していきたいと思います
ゴールデンウィークの初日。美里と遊園地に行くことになった。ちなみに二日目は洋服の買い物。三日目は休憩。
美里と遊園地に行くのはめっちゃ嬉しい。
嬉しいのだが……
「ほら司くん!ジェットコースターに乗るよ!」
「嫌だ!絶対乗らない!」
「ジェットコースターに乗らないで何しに遊園地に来たの!?」
「他にもあるだろ?色々と!」
そう……
僕はジェットコースターに乗れない……
……いや、だって、あれさぁ、怖いもん。何なの?あの、急に落ちていく感覚。マジで無理。ホント怖い。
「ひぐっ……司くんが……いじめる……ぐすっ」
何と、美里は泣き出した。
「おい、ちょっと!こんなとこで泣くなよ!」
周りの人たちが僕たちを見てきた。うぅ……視線が痛い……。つか、いじめてねぇし。
「乗る!乗るから泣くのはやめてくれ!」
「ホント!?やったー、それじゃレッツゴー♪」
おい!嘘泣きかよ!?
「いーやーだー……」
そして、ジェットコースターは動き出し、僕の意識は、ふっ飛んだ。
「うぅ……死ぬ」
「あー楽しかった♪司くんホント苦手なんだね?」
楽しそうに言うな、楽しそうに。
「もう、絶対乗らない……」
「はい、飲み物」
「ん?あぁ、ありがと」
僕は美里から水筒のお茶をもらい、美里は遊園地のパンフレットを見だした。
すると、何か見つけたのだろうか、美里はらんらんと目を輝かせて、僕に話しかけた。
「司くん、司くんっ」
「今度はどこ行くの?」
「ゴー、バンジー♪」
「なっ……」
いや、だから、絶叫系は無理ですって!
「折角、来たんだから行ってみよー」
「ホントに無理だって!」
さっきのように嘘泣きされては堪らないから、僕は強く断れず、そのままバンジージャンプの方へ向かった。
そして、僕の意識は再び飛んだ。
それから、僕たちは、絶叫系のアトラクションには行かず、ゴーカートやお化け屋敷など廻った。
アトラクションに夢中になってしまい、気付けば夕方になっていた。
「あー楽しかった。美里、最後は観覧車に乗ろ?」
美里からの返事がなかった。
「美里?」
僕は振り返ると……
――美里は倒れていた。
「美里!」
僕は急いで駆け寄ると、美里は、苦しそうに笑って答えた。
「ごめんね……司くん……ちょっと……無理したみたい……」
「救護センターまで運ぶよ」
「迷惑かけちゃうね……」
「気にするな」
僕は美里をおぶって、救護センターに向かった。
「熱中症かな?それにしては時期外れだし……」
「そうですよね……」
僕はセンターの係員と少し話しをしていた。確かに係員さんの言う通り、今日はまだ涼しい方だし熱中症というには不自然に思えた。
今、美里はベットで寝ている。熱もなく、落ち着いた様子だったので大事には至ってないと思うが、不安なのは変わりない。
「じゃあ、私は部屋を出ていくけど、彼女が元気になるまで、休んでていいよ」
「ありがとうございます」
そう言って、係員さんは部屋をあとにした。
しばらくして、美里は目を覚ました。
「うん……司くん……」
「あ、起きた?」
「うん、ごめんね。また倒れちゃったみたい……」
「またって、何度かあるの?」
「え!ううん、違うの、そういうことじゃないの」
なんだかはぐらかされた気がして、少し残念だった。別にごまかさなくてもいいのに。
「ねぇ、司くん」
「何?」
「今日はごめんね」
「何言ってるのさ。それよりも美里、体大丈夫?」
「うん、もう平気。あーあ、観覧車乗りたかったなぁ」
「また来ればいいさ」
気付けば、もう閉館時間に迫っていた。もっとも、時間に余裕があったとしても、美里の体を考えれば、家に帰る以外、選択肢はなかったが。
部屋を出ると、さっきの係員さんがいた。
「お、もう大丈夫か?」
「はい、ありがとうございました」
僕たちは、遊園地をあとにして帰った。