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茜色の丘で伝えたいこと  作者: 有希
――始まりの邂逅――
6/7

アクシデント

半年以上遅れてすみません。できるだけ早く更新していきたいと思います

 ゴールデンウィークの初日。美里と遊園地に行くことになった。ちなみに二日目は洋服の買い物。三日目は休憩。

 美里と遊園地に行くのはめっちゃ嬉しい。

 嬉しいのだが……



「ほら司くん!ジェットコースターに乗るよ!」

「嫌だ!絶対乗らない!」

「ジェットコースターに乗らないで何しに遊園地に来たの!?」

「他にもあるだろ?色々と!」



 そう……

 僕はジェットコースターに乗れない……


 

 ……いや、だって、あれさぁ、怖いもん。何なの?あの、急に落ちていく感覚。マジで無理。ホント怖い。

「ひぐっ……司くんが……いじめる……ぐすっ」

 何と、美里は泣き出した。

「おい、ちょっと!こんなとこで泣くなよ!」

 周りの人たちが僕たちを見てきた。うぅ……視線が痛い……。つか、いじめてねぇし。

「乗る!乗るから泣くのはやめてくれ!」

「ホント!?やったー、それじゃレッツゴー♪」

 おい!嘘泣きかよ!?

「いーやーだー……」

 そして、ジェットコースターは動き出し、僕の意識は、ふっ飛んだ。

          


「うぅ……死ぬ」

「あー楽しかった♪司くんホント苦手なんだね?」

 楽しそうに言うな、楽しそうに。

「もう、絶対乗らない……」

「はい、飲み物」

「ん?あぁ、ありがと」

 僕は美里から水筒のお茶をもらい、美里は遊園地のパンフレットを見だした。

 すると、何か見つけたのだろうか、美里はらんらんと目を輝かせて、僕に話しかけた。

「司くん、司くんっ」

「今度はどこ行くの?」

「ゴー、バンジー♪」

「なっ……」

 いや、だから、絶叫系は無理ですって!

「折角、来たんだから行ってみよー」

「ホントに無理だって!」

 さっきのように嘘泣きされては堪らないから、僕は強く断れず、そのままバンジージャンプの方へ向かった。

 そして、僕の意識は再び飛んだ。

          


 それから、僕たちは、絶叫系のアトラクションには行かず、ゴーカートやお化け屋敷など廻った。

 アトラクションに夢中になってしまい、気付けば夕方になっていた。

「あー楽しかった。美里、最後は観覧車に乗ろ?」

 美里からの返事がなかった。

「美里?」

 僕は振り返ると……



 ――美里は倒れていた。



「美里!」

 僕は急いで駆け寄ると、美里は、苦しそうに笑って答えた。

「ごめんね……司くん……ちょっと……無理したみたい……」

「救護センターまで運ぶよ」

「迷惑かけちゃうね……」

「気にするな」

 僕は美里をおぶって、救護センターに向かった。

          


「熱中症かな?それにしては時期外れだし……」

「そうですよね……」

 僕はセンターの係員と少し話しをしていた。確かに係員さんの言う通り、今日はまだ涼しい方だし熱中症というには不自然に思えた。

 今、美里はベットで寝ている。熱もなく、落ち着いた様子だったので大事には至ってないと思うが、不安なのは変わりない。

「じゃあ、私は部屋を出ていくけど、彼女が元気になるまで、休んでていいよ」

「ありがとうございます」

 そう言って、係員さんは部屋をあとにした。

 しばらくして、美里は目を覚ました。

「うん……司くん……」

「あ、起きた?」

「うん、ごめんね。また倒れちゃったみたい……」

「またって、何度かあるの?」

「え!ううん、違うの、そういうことじゃないの」

 なんだかはぐらかされた気がして、少し残念だった。別にごまかさなくてもいいのに。

「ねぇ、司くん」

「何?」

「今日はごめんね」

「何言ってるのさ。それよりも美里、体大丈夫?」

「うん、もう平気。あーあ、観覧車乗りたかったなぁ」

「また来ればいいさ」

 気付けば、もう閉館時間に迫っていた。もっとも、時間に余裕があったとしても、美里の体を考えれば、家に帰る以外、選択肢はなかったが。

 部屋を出ると、さっきの係員さんがいた。

「お、もう大丈夫か?」

「はい、ありがとうございました」

 僕たちは、遊園地をあとにして帰った。

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