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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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私のこと覚えている??って言いたげな音がボクをココまで導いた

作者: 企画開発部
掲載日:2026/07/31

 ボクは、とあるゲーセンで働いているアルバイトだ。

 いつもいつも毎週やってくるリア充なカップルがいて憎い。べつに覚えたくもないのに、また居るよ。と思うくらいには顔を覚えてしまった。…他に行くところないんかよ。

 べつにボクに恋人がいないから憎いわけじゃない。この二人がいつもやっているコインゲームが、地味に故障しやすい機体で店員のボクが呼ばれる回数が多いから困るだけ、それ以上の私情なんてない。

「あのあの!店員さんっ」

「あーはいはい…」

 また、機械壊れたんだな…。


 リア充カップルは昨日も見たというのに、次の日テレビをみてビックリしてしまった。あんなに毎週通っていたというのに、カップルの彼女のほうが、ニュースで死亡したことを今朝知ったからだ。

 生きてたらそんなことあるもんだな。…そんなこと初めてだけど。と、思いながら、今日もボクはバイトに出勤した。

 基本的にボクは遅番のシフトが多い。

だから、今日は夜ラストの作業がある。

 もうすぐバイトの終わりが近づいてきて、片付けをしていると電気がチカチカしたり近くで音が鳴ったりした。

 これは、いわゆるポルターガイストというやつだろうか?

 この時間に、アルバイトの人間はボクしかいない。誰がボクに何を訴えようというんだ。

 とりあえず、ボクは今日一日お店で出たゴミやガチャガチャのカプセルを指定の場所に捨てに行かなくてはならない。

 台車を押してお店を出たあともポルターガイストの音は続いている。

 ボクと一緒に幽霊も移動しているのかと思いきや、どうもボクを先導しているように音が鳴っているような気もする。

「まるで、こっちについてきて」とでも言いたいみたいだ。

 音の行き先は、ボクも目指していたゴミ置き場と同じ所まで鳴り響いていた。

 幽霊もこんなところに呼び出してなにがしたいというんだ。

 すると、ゴミ庫でカランっという硬い物が床に落ちるような音がしたので、ひとまずゴミを片付けてから、音のしたほうを見てみると、そこには血のついた刃物が転がっていた。

「………?」

 なぜ、こんなところに、こんな物が落ちているのだろうか??

 もしかして、この幽霊がニュースで見た殺された女だとしたら、ココが事件現場でコレが殺害された時の凶器ということだろうか??というところまで考えてみたけれど

「まさか、そんなわけ」

 ボクはボクの意見を否定した。会社の常連さんってだけで、そんな事件に巻き込まれるなんてごめんだ。

 いまだ、凶器?のような物の前にいる状態で、パタパタパタとこちらへ誰かが近づいてくる足音がする。

「ま、まずい…」

 自分は犯人でもないのに、犯人かのように慌て始める。他人から見たときに、自分が犯人だと思われてしまわないだろうか?ヤバイ隠れなくちゃ!と、思ったもののゴミ置き場に隠れる場所も見つからず、むじょうにもゴミ置き場の扉は開けられてしまう。

ガラガラガラ…

 扉を開いてやってきた人はボクを見るとビックリした顔をしていた。

『?!』

 けれど、それと同時にボクも対面した人物にビックリした。

 何故ならそれは、いつもゲーセンにやってくる彼だったからだ。

 ボクは、まるでサスペンス映画を見ているかのようにピンッときてしまった。

 彼女を殺したのは彼ということだろうか?

 もしや、彼は現場の凶器を取りにきたのではないだろうか??

 だとするのならば、ボクは口封じに今ここで殺されてしまうのではないのだろうか???

 そう考えたところで、相手から距離を取るようにボクは後退りした。


パチンッ!!


 という音がするとゴミ置き場の電気が消える。おそらく、ココまで連れてきた彼女のポルターガイストなのだろう。

「(いきなり電気が消えた?この間に逃げろってこと?」

 それは、まるでボクの推理が正しいと告げているかのようだった。

 けれども、困ったことに出入り口は1つしかない。それも彼の真後ろだ。

 たとえ、暗闇だとしても走り去るには無理がある。

 真っ暗闇の中でも、彼はボクに向かってまっすぐやってきてボクの首を絞めあげた。

「(………苦しい」

 なんの抵抗も出来ずにいると、不意にドスッという音が聞こえてきて、彼の腕の力が弱くなった。

 それと同時にゴミ置き場の電気が付く。

 ドサッという音と共に、よくみると彼の背中には、刃物は見事なまでに突き刺さっていた。

 もしかしなくても、彼女が助けてくれたんだろうか?

 確かめたくても、ボクには霊感がないからよくわからない。ただ、呆然となにが起こったのかわからず、彼から流れる血を見つめていた。

 その後、さらにゴミ置き場にやってきた別の人の悲鳴でボクは我に返った。

 ボクは警察に一時的に捕まることになるものの、首にくっきりとついていた跡のおかげで正当防衛となり、釈放されるといままで通りアルバイトには、出られることになった。

 ただし、もうあの夏のような不思議な心霊体験に出くわすことは、それ以降一度もなかった。

 それもそのはず、常連のカップルは彼女も彼もどちらもこの世からいなくなってしまったのだから。


ーお死まいー

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