第1話 生産ラインの上で
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規則正しい機械音が響く。
金属のアームが上下に動き、無数の光が瞬く。
その流れの中に、我はいた。
「粘度チェック、良し」
「発色、良し」
白衣を纏った人間どもが、冷淡に声を発しながら我を掬い上げる。
器具に絡め取られ、まるで饅頭でも検分するかのように持ち上げられる。
「……何をしておる? 我は魔王様の眷属ぞ?」
抗議も虚しく、我はぷちゅりと透明な器へと押し込められた。
ぱちん、と蓋が閉じられ、外界との境界が隔てられる。
直後、我の身体に冷たき紙片が貼り付けられる。
――特価298円。
「……二百九十八円、だと?」
理解できてしまった。
その意味を、当たり前のように。
しかし納得はできぬ。
我の命が、たったの二百九十八円に値付けされるなど――。
コンベアは止まらず、我は次の工程へ。
ガコン、と段ボールの中に放り込まれる。
暗闇。押し込められた無数の“仲間”は、ただ粘りを揺らすだけ。
我以外に意識を持つものはいない。
やがて封が閉じられ、光が奪われる。
車輪の回転音。振動。
我を詰め込んだ箱は、見知らぬ街へと運ばれていった。
魔王様……。
これは一体、いかなる使命なのですか?
我は今、“おもちゃ”として売られる道を歩まされております――。
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