ミデン編 第二十四話 震える刃、迷う足
森は深く、影が濃かった。
六人は慎重に進みながら、魔物の気配を探っていた。
木々の間から冷たい風が吹き抜け、鳥の声すら消えていた。
「……ここだ。魔物の群れが潜んでいる」
ミデンが短剣を構え、呼吸を整えた。
リュカは剣を握りしめ、仲間を見渡した。
エルドは緊張した面持ちで剣を構え、リシアは魔術書を抱え、カイルは槍を背負い、セリアは弓を構えていた。
「……守るために振るう。それが、僕たちの誇りだ」
ミデンの言葉に、仲間たちは頷いた。
茂みが揺れ、灰色の毛皮を持つ獣が姿を現した。赤い目、鋭い牙。数は十匹以上。
唸り声が響き、獣が跳躍した。
「来るぞ!」
カイルが槍を突き出し、獣を弾いた。
リシアが詠唱を始め、炎の壁を広げた。
セリアが矢を放ち、獣の肩を射抜いた。
エルドが剣を振り、獣を斬り伏せた。
ミデンとリュカは前に出て、刃を振った。
戦いは激しかった。
獣の牙が迫り、衝撃が走る。
仲間たちは必死に受け止め、立ち続けた。
だが、その時だった。
背後から影が迫り、セリアに飛びかかった。
「……っ!」
彼女は振り返る間もなく、獣の牙が迫った。
ミデンは息を呑んだ。
「……守らなきゃ!」
だが、彼は前方の獣を受け止めていた。短剣を構え、衝撃を弾くのに必死だった。
「……間に合わない!」
迷いが胸を締め付けた。
「セリア……!」
その瞬間、剣が光を散った。
リュカが踏み込み、獣の牙を弾いた。
刃が光を帯び、獣の肩を裂いた。
「……リュカ!」
獣が吠え、後退した。
セリアは息を呑み、弓を握りしめた。
「……ありがとう、リュカ」
ミデンは息を荒げながら、リュカを見つめた。
「……僕は、守れなかった」
リュカは剣を構え、静かに言った。
「仲間と共に立ち続ける。それが強さだ。お前一人で守る必要はない」
その言葉は、夜に響いた。
戦いは続いた。
リシアの炎が獣を押し返し、カイルの槍が突き刺さった。
エルドが剣を振り、獣を斬り伏せた。
セリアが矢を放ち、獣を射抜いた。
ミデンとリュカは前に出て、刃を振り続けた。
汗が滴り、呼吸が荒くなっても止めなかった。
「……守るために振るう。それが、僕たちの誇りだ」
その言葉は、森に響いた。
最後の獣が吠え、跳躍した。
ミデンとリュカが同時に踏み込み、刃を振った。
短剣と剣が光を散り、獣の首筋に届いた。
獣が崩れ、地面に倒れた。
静寂が戻った。
森には、倒れた獣の群れが残されていた。
セリアは弓を収め、静かに言った。
「……あの時、私は不意打ちを受けた。ミデンは守れなかった。でも、リュカが救ってくれた」
エルドは頷いた。
「……仲間と共に立ち続けることが強さなんだ」
ミデンは短剣を握りしめ、胸に誓いを刻んだ。
「……僕は、守れなかった。でも、仲間が守ってくれた。仲間と共に立ち続ける。それが、真の強さだ」
リュカは剣を収め、静かに言った。
「……一人で強くなると誓った。でも、仲間と共に立ち続けることで強さを示せる」
その言葉に、胸の奥に熱が広がった。
夜風が吹き、月明かりが揺れた。
六人は森を後にし、石畳を踏みしめながら空を見上げた。
「……守るために振るう。それが、僕たちの剣だ。そして、仲間の誇りでもある」
胸の奥に、誓いが宿った。
セリアの危機を救ったリュカの剣は、仲間の絆を深めた。




