(5)第三次世界大戦を阻止せよ!
シチュエーションルームの大画面に銀河連合長官の顔が映し出された。
プレアデス星人とシリウス星人はとっさに手を胸にあてて敬礼した。
トランプもフリン将軍もイヴァンカも遅れながら敬礼する。
「こんにちは、地球アライアンスのみなさま。今日は、良い報告があります」
長官は緑の瞳を持った美しい女性のアンドロメダ星人で、涼やかな歌うような声で話した。
「宇宙ルシファー団(悪魔の集団)は、地球から追放しました。
地球時間でいえば2000年もの長いあいだ地球を彼らが支配していましたが、もう、それも終わりです。ただ、彼らが人間の女性に産ませたネフィリムたちは、たくさん地球に残っています。
いままで抑圧されていたネフィリムたちが主人を失い、本性を剥き出しにして、互いに争い奪い合うことが予想されます。
まだ、しばらく地球は破壊と混乱の時期を送ることになると思いますが、地球の平和のために、尽力してください。私のメッセージは以上です。
何か、質問は?」
「悪魔崇拝の拠点が世界中に無数に存在します。
その所在地がわかれば助かるのですが、銀河連合では、そのへんの情報はつかんでいませんでしょうか?」
フリン将軍が懇願するように尋ねた。
「残念ながら、そうした情報は待ち合わせていません。ただ、他の情報ならこちらに入ってきています」
「なんでしょうか?」
「アメリカの6ヶ所に超小型核爆弾がしかけられているとのことです」
「それは、どこですか?」
「ニューヨーク、ボストン、フィラデルフィア、ダラス、ロサンゼルス、シアトルです」
「同時テロということでしょうか?」
「彼らは、アメリカ軍を動かして第三次世界大戦を引き起こすつもりです。
核戦争になります。
ロシア、中国を犯人にしたてあげて、先制攻撃をする計画のようです。
これは、なんとしても阻止しなければなりません」
「クソ!」フリン将軍は、いまいましそうに唇を噛んだ。
そして悔しそうにこうつぶやいた。
「軍隊の一部、特殊部隊しか動かせない我々に何ができるというのだ!」
フリン将軍は、戒厳令を敷いて、いますぐにでも、トランプが実質的な大統領であることを宣言するべきだと考えている。
以前から、それを主張していたのである。
ついにパパも決断するかしら、とイヴァンカは思った。