(10)スターシードたちが地球を救う
プレアデス星人が頬を紅潮させて言った。
「眠っていたスターシードが、目を覚まして、私に交信してきました」
「スターシード?」
フリン将軍がいぶかしげに眉をひそめた。
「スターシードとは」
シリウス星人が、科学者らしく威厳をもって説明した。
「宇宙人の魂が何度も転生して、現在に生まれてきた人たちのことをスターシードといいます。
なかには、インディゴチルドレン、クリスタルチルドレン、レインボーチルドレンと、それぞれ違う使命をもって生まれてきます。
生まれたときは、自分がスターシードであることを自覚していませんが、この地球が危機に直面したときは、自分の出自に気づき、立ち上がるのです。
地球を救うために生まれてきた魂たちのことをスターシードと言います」
「そのスターシードが、なんて交信してきたのですか?」
イヴァンカが、プレアデス星人に尋ねた。
「泣いています。おいおいと幼子のように泣いています。女性です。
『自分はいままでFBI働いてきました。
アメリカ国内のテロ組織撲滅のために働いていましたが、いつしか、自分たちがアメリカを破壊していることに氣づきました。
こんな工作は間違っています。
いままでは間違っていると思いながら働いていましたが、もう、限界です。
私はロサンゼルスにいるFBI捜査官です。
超小型爆弾をしかけた本当の犯人を知っています。
イスラム過激派組織ではありません』というメッセージです」
プレアデス星人が憑依した誰かの声で話したあと、自分の声に戻って両手を広げた。
「その人の、居場所はわかりますか?」
女性補佐官が即座に質問した。
「はい、わかります」
「すぐに、ホワイトハット軍の諜報部員を派遣します。
その人の情報が確かなら、ロサンゼルスを救うことができます」
「あ、もう1人、目覚めたスターシードが交信してきました。ニューヨークからです」
プレアデス星人は興奮して言った。
「あ、もう1人! 今度はボストン。あ、また来ました。今度はダラスです」
プレアデス星人は、目を輝かせて言った。
「内部告発者ってことかしら?」
イヴァンカは思わず漏らした。
「スターシードたちが目覚めることで、この地球は救われるんだよ」
トランプが優しい目を娘に向けて微笑んだ。