2次的世界旅行
274P。時間にして3年と8ヶ月の物語から1人での帰宅。
手に持つものを1度机に置き飲み物を飲む。不意に、カッ…カッという時計の音が耳を抜ける。1度気になってしまえばずっと聞こえるもので、フキソクなリズムが心地悪い。それもまぁ、仕方ないさと、正しい時間と日付を確認する。前回からは4時間半。かなり長めだったようだ。もうすぐ次の事だから支度を始める。
しかし、支度と言ってもふさわしいものを選ぶだけなので自分にもできる。あらかじめ聞いていた特色にぴったりの話を先程の1冊を戻してから探し始める。ようやく1冊を決め、それを手に取り椅子に座る。
2分くらいたった後、机を挟んだ反対側に1人、おどおどとした男性が拒むように座った。その様子を見て
「もう諦めるしかないのよ…私も、あなたも」
そう言いつつ先程手に取ったものを反対側の彼に差し出す。彼は傍から見ても心から悲しんでいてなお、絶望しているんだなと伝わってきた。しばらくして覚悟を決めたのか、彼は本を開く。
すると、瞬く間に彼は本に吸い込まれるようにして消えていく。
その後まもなく、役目を終えた彼女もまた、支度をした時に戻した本に吸い込まれていった。
誰もいなくなった部屋を眺め僕は笑いが止まらなかった。