プロローグー西暦の終わり
西暦2083年。この時より各国政府機関は一つの過激派組織によって支配された。皇暦の始まりである。
彼らは組織のリーダーをただ一人の王であるとし、完全独裁政権を樹立した。その権力を絶対的なものにする為に、彼らは各国の土地を全て破壊し、全ての人口を一箇所に集中させた。
又その時、人類の選定が行われた。王の意向の下、彼らは人類を優れた者とそうでない者に分割し、不出来な大半の人間を皆殺した。その選定は10年に渡って行われ、現在の「セントラル」だけで統治される社会を確固たる物にした。
現行の支配体制は3世紀も続き、今も続いている。もはや、唯一国家「セントラル」の内だけで、産業も、経済も、治安維持も完成されたものであった。セントラル住民の名は皆コードネームと化し、住民の行動も常に管視されている。
もはやこの世界での「人権」という言葉は死んだ。
しかし、世界がどうあれども、いつの時代にも反逆者は存在する。反旗を翻す対象が大きければ大きいほど、又その勢力も大きくなるものだ。
彼ら「人権革命軍」は3世紀前の自由な世界を取り戻すべく、セントラルに対し数々のテロ行為を行なっている一大反乱分子だ。現王朝にとって、彼らの抹消が現在の最重要課題である。
そして現在、皇暦0306年。王朝は遂に、革命軍どもを粛清するシステムを完成させたのだ。
結成された組織は、最も階級の低いWからZ層の者で構成されている。治安維持隊の特命機関として機能し、反逆者達を殺すことに特化した部隊である。
自由の旗を、黒く塗り潰しにやって来る。
彼等の名は、「BLACK」。