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あの瞬間キミに恋した  作者: 桜川椿
第2章
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「紗羅ちゃん、これからはずっとここで暮らすのよね?」




どうしよう・・・何て答えたらいいの?



「今すぐには無理だよ、母さん」と晃君がフォローしてくれた。




ホッ・・・。よかった・・・。


何て答えればいいかわからなかったから・・・。




「そうなの?早く紗羅ちゃんと一緒に暮らしたいわ私・・・」




一緒に暮らすのは無理。


だって私はさらちゃんのフリをしているだけだから・・・。


何てことは絶対におばさんには言えないんだけど・・・。



「私も早くお母様と暮らしたいです」と笑顔で言った。


「紗羅ちゃん、あなたが私の娘でとても幸せよ。もちろん晃もね。貴方達は私の宝物なのよ。私の元に産まれてきてくれてありがとう」と言い、おばさんは微笑んだ。



おばさんの言葉を聞いて、更に胸が痛んだ。



産まれてきてくれてありがとうなんて・・・私はあなたの娘じゃないのに。


そんなこと言ってもらえるような子じゃないのに・・・。



おばさんごめんなさい騙してしまって・・・と私は心の中で呟いた。



「わかってるよ母さん。僕達も母さんと父さんが大切だよ、なっ紗羅」


「うん晃君」


「ふふふっ、貴方達は何年も会っていなかったのに仲良しでお母さん嬉しいわ」


「当たり前だよ母さん」


「ふふふっ、そうね」


「じゃあ母さんそろそろ行くよ。紗羅を病院に連れて行かないと」


「そうね、ちゃんとお医者様に見てもらわないといけないわよね。またいつでもいらっしゃい紗羅ちゃん。お母さん待ってるわ」


「はいお母様」と笑顔で答えた。



そして部屋を出た。


ふうう~~~緊張した・・・。



「紗羅ちゃんありがとう」



「ううん、でもおばさん私のこと本当にさらちゃんって思ってるみたいだね」


「そうだね。久しぶりに母さんの笑顔が見れた。紗羅ちゃんのおかげだよ」


「ううん、そんなことない。私少しお話しただけだし」



晃君と話していると後ろから

「晃」と呼ぶ声が聞こえた。



「父さんおかえり」



うわぁ・・・晃君のお父さんなんだ・・・。



晃君に似てる・・・。



晃君も大人になったら、おじさんみたいになるんだろうなぁ・・・。



そしておじさんと目が合った。



・・・・・・。



案の定、すっごく見つめられてしまう私・・・。




「あの・・・」


「ああ、すまない」


「父さん、こちらは同じクラスの渋谷紗羅さん」


「君は紗羅って名前なのかい?」


「はい。妹さんとまったく同じみたいでビックリしちゃいました」と少し笑顔で言った。


「そうか・・・でも驚いたよ。あまりにもそっくりで・・・。紗羅さん面倒な事を頼んでしまってすまない・・・」

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