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あの瞬間キミに恋した  作者: 桜川椿
最終章
60/172

59

そして放課後になった。


「紗羅帰るぞ!!!」



うっ・・なんか櫂斗の顔まともに見れない・・・・。櫂斗じゃない人にキスされたからかな?罪悪感が・・・。



なんで・・・私がこんな思いしなきゃなんないのよぉ~!!拓哉君のバカぁ・・・。



「うん、じゃあまた明日ね~マリ」


「うん、紗羅ばいば~い」



そして帰り道。


やっぱり・・・櫂斗の様子が変だ・・・。


「あの櫂斗・・・どうかした?」


「紗羅・・・俺になんか言うことあるんじゃねぇの?」



うっ・・・櫂斗怒ってるよぉ・・・。しかも・・・どうやって答えたらいいっていうの?



拓哉君にキスされちゃいましたって・・・そんなこと言える訳ないじゃない!!!



「紗羅、お前・・・アイツとキスしてただろ?」


「櫂斗・・・見てたの?」


「お前倒れたって聞いて保健室に行ったら、見えたんだ・・・」



ガーーーン!!!!!



やっぱり櫂斗に見られてたんだ・・・。



「っ・・・ひっ・・くっ・・・櫂斗ごめんなさい・・・」


「紗羅?なんで泣くんだよ?」


「だって好きでキスしたんじゃないんだもん・・・」


「え?どういうことだ?」


「1回ね、私が立った時にクラっときちゃって、倒れそうになったの。で、拓哉君が庇ってくれた時キスしちゃったの・・・。キスって言っても事故だったんだよ?でも・・・その後、拓哉君の様子がおかしくなって、肩をつかまれて、もう1回キスされたの・・・。逃げたくても、逃げれなかった・・・。っ・・・」


「そっか・・・」


「ひっ・・・くっ・・・私は櫂斗のことが好きなのに・・・。違う人としちゃうなんて・・・。」



!?!?!?!?!?



「紗羅?・・・・・」




え?私・・・・今なに言った?



とんでもないこと・・・口走ったような?





「紗羅・・・今の本当なのか?俺のことが好きって?」






紗羅「・・・」




ううう~・・・。やっぱり・・・好きって言っちゃってたんだ・・・私・・・。


こんなタイミングで言うつもりじゃなかったのに・・・。



私のバカぁ~!!!



「そう・・・好き・・・好きよ!!なんか文句ある?」



ついに・・・ついに・・・言っちゃった!!!



櫂斗「・・・・・・・」



櫂斗・・・なんでなにも言ってくれないの?



やっぱり・・・私に好きって言われても、嬉しくないのかな・・・。



「櫂斗・・・・。やっぱり私のこと嫌いなの?」



なにも言ってくれないって言うのは、そういうことだよね?



「櫂斗・・・さっきのことは忘れてくれていいよ。私も忘れるからさ。ねっ」と、精一杯の笑顔で櫂斗に言ってから、櫂斗から逃げるように走り出した。

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