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もう~~~っ、お母さん、余計な事櫂斗に言わないでよね。
「ところで、紗羅のおばさんも変わってないな」と笑顔で言う櫂斗。
「櫂斗のおばさんも、全然変わってなかったよ」と笑いながら櫂斗に言った。
「アハハッ、確かに母さんは変わってないよ。前よりもパワーアップしてるけどな」と言って苦笑いをした。
「そうそう、伶奈ちゃんにも会った。すっごく綺麗になっててビックリしちゃった」
伶奈ちゃんは櫂斗のお姉さんね。
「アイツは、顔だけだよ良いのは。性格はすっげぇキツイしな」と言って苦笑いをした。
櫂斗・・・・それをアンタが言うか?
櫂斗と伶奈ちゃんって結構似てるかも。
プッ、でもどうやら、櫂斗は伶奈ちゃんには勝てないようだ。
そう思っていると
「改めて図書委員おめでとう」
「全然おめでたくなんかないよ。好きでなった訳じゃないんだから」
もうぅ~~~いちいち話を戻さないでよね。
すると「紗羅頑張れよ~~~」
急な櫂斗の笑顔にドキッとした私。
その笑顔反則だよ・・・。
「頑張るに決まってるじゃん」
うっ!なんで、もう少し可愛くなれないんだろう私・・・。
素直になろうって決めたのに、いざ櫂斗の前になると 意地を張ってしまうんだ。
そうだ・・・あのこと櫂斗に聞いてみようかな。
どんな答えか、すごく怖いんだけど、でも聞かなきゃ。
私は勇気を出して櫂斗に聞いた。
「ねぇ櫂斗、1つ聞きたいことがあるんだけど・・・」
「ん?なに?」と首を傾げる櫂斗
「あのね、アメリカに引っ越す時、なんで私に何も言ってくれなかったの?私すごくビックリしたんだから」
櫂斗「・・・」
紗羅「・・・」
「ちょっと櫂斗・・・黙ってないで答えてよ」
「・・・なかったから・・・」
「なに?なに言ってるかわかんないよ」
「だから・・・紗羅に言いたくなかっただけ」と機嫌悪そうに私に言った。
は?私に言いたくなかったって・・・・・。
なに?その答え?って言うか・・・それじゃ答えになってないじゃん。
私は1番に櫂斗に言ってほしかったのに。
そうか、そんなに私には言いたくなかったんだね・・・櫂斗は。
ショックだった・・・。
櫂斗が言った言葉が心に突き刺さる。
ヤバイ!!泣きそうだ!!!
泣き顔だけは、絶対に櫂斗に見られたくない!!
私は流れてくる涙を拭い櫂斗に言った。
「わかった・・・もういいよ、聞かないから」と怒りながら櫂斗に言って部屋を飛び出した。