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でもびっくり・・・藤堂さんの息子さんがこの病院で働いてるなんて。
しかもあのかっこいい先生だと言うから驚きも2倍だよ!!!
そう思ってるとコンコンとドアが鳴った。
「どうぞ」
誰かな?
櫂斗かも・・・♪
そしてドアが開き「紗羅ちゃん」と呼ばれ私は振り向いた。
空だった・・・。
「久しぶりだね空」
「うん」
私が最後に空に会ったのは事故前のことだから、かなり久しぶりってことになる。
「空は元気だった?」
「うんそりゃもちろん元気だよ」
「そっかよかった・・・」
「紗羅ちゃん・・・よかったよ意識が戻って・・・」
「ごめんね心配かけたよね・・・。でもほら、もう大丈夫だから・・・ねっ」と言って笑った。
「うん。もう心配させないでよ紗羅ちゃん」
「うん。気をつけます」
「うんうん良い子だね紗羅ちゃん」
良い子って・・・また子ども扱いしてるよね空は・・・。
「はいコレあげる♪」と言って空は私に小さな花をくれた。
「わぁ可愛い❤」
「気に入った?」
「うん・・・私チューリップ大好きなんだ。ありがとう」
「気に入ってもらったみたいで嬉しいよ♪」
「そうだ・・・。岡田は毎日来てるんじゃない?」
「うんそうだけど、なんで知ってるの?」
「ふっ・・・だってアイツ紗羅ちゃんが事故に遭ってから、毎日ここに来てたからな」
え?毎日って・・・。
本当に?
「その顔だとアイツなにも言ってないみたいだね」
「うん・・・知らなかった」
「紗羅ちゃんがいつ目覚めてもいいように毎日来てたんだと思うよ。さすがに学校終わってからしか無理だけどね」
櫂斗・・・毎日来てくれてたんだ。
私のところに・・・。
ずっと側にいてくれてたんだね。
ありがとう。
私すっごく嬉しい。
でもね櫂斗・・・私のこと心配してくれるのは嬉しいけど、そのことで櫂斗が倒れちゃったら、それこそ私辛いんだよ?だから自分の身体のことも考えてねお願いだから・・・。
私は櫂斗がいないとダメなんだから・・・ねっ櫂斗。