148 ☆櫂斗視点☆
七瀬が帰ってから1時間が過ぎた・・・。
急にバタバタバタと走る音が聞こえてきた。
そして部屋の前でその足音は止み、ドアが開いた。
「紗羅!!!」
入って来たのは愛野だった・・・。
「晃か・・・遅かったな・・・」
「ごめん父さん・・・用事があって、なかなか抜けれなかったんだ・・・」
「そうか・・・」
「晃君・・・早く紗羅ちゃんの側に行ってあげて」
「うん分かってるよ母さん・・・」
そして愛野は紗羅の側へ行った。
「紗羅・・・聞こえるか?早く起きて笑顔を見せてくれ紗羅」と泣きながら言う愛野・・・。
「じゃあ僕帰るよ・・・明日も早いから・・・もちろん明日もここに来るけど・・・」と苦笑いをしながら言う愛野。
「ああ分かった」
「晃君ちゃんと眠るのよ?」
「うん分かってるよ、ありがとう母さん」
そう言ってから愛野は俺に小声で「話があるから来てくれ・・・」と言った。
「ああ・・・」
「じゃあ僕も失礼します。毎日来ますので・・・」と一礼をして部屋を出た。
「ここじゃなんだから、あっちへ行こうぜ・・・」と愛野が言った。
「ああ・・・」
そして俺達は談話室に向かった・・・。
そして談話室・・・・。
「なぁ・・・なんで紗羅が事故になんか遭う?」
「ごめん・・・俺のせいだ・・・。俺を庇ったせいで紗羅は・・・」
「そうだよな。お前が悪いんだよな櫂斗?」
「ああ・・・」
ドスッ!!!っと音が聞こえた瞬間俺の腹に痛みが走った・・・。
そう・・・俺は愛野に殴られた・・・。
痛い!!!
でも・・・殴られて当然なんだよ・・・。
むしろ殴ってくれて有難かった・・・。
「これでチャラにしてやるよ」
「え?」
「だから、お前のせいであんな目にあった紗羅の償いに お前は紗羅の目が覚めるまで毎日ここに来るんだ。わかったな!!!」