145 ☆櫂斗視点☆
俺が歩いていると急に「櫂斗危ない!!!」と言う声が聞こえて俺は突き飛ばされた。
誰だ?
目の前を見ると紗羅が立っていた・・・。
キキキキキーッとブレーキの音が聞こえた瞬間
紗羅がトラックに轢かれていた・・・。
え?紗羅・・・なんで?
なんで紗羅が俺の目の前で倒れてるんだ?
俺は頭の中が真っ白になった・・・。
「櫂斗大丈夫?」と弱弱しく紗羅が言う。
「紗羅・・・なんで・・・」としか俺は言葉に出来なかった。
「ふふっ体が勝手に動いちゃった・・・。それより櫂斗ごめんね・・・あの時逃げちゃって・・・私弱くてイヤになっちゃう」と優しい笑顔で言う紗羅。
なに謝ってるんだよ?俺が悪いのに・・・。
紗羅が謝ることなんてなにもない・・・。
なんで俺を庇ったんだ?紗羅?
こんな俺のことなんて庇わなくていいのに・・・。
あんな態度を取ったんだぞ?
紗羅なんでなんだよ・・・・・。
「そんなことない・・・。紗羅あんまり喋らなくていい!!」と俺は紗羅に言った。
これ以上喋ると体に障ると思ったからだ・・・。
だけど紗羅は喋り続けた・・・。
「櫂斗こんな私を好きになってくれてありがとう。私ね、櫂斗のこと大好き・・・ずっと愛してるから・・・」と紗羅は満面の笑みで言った。
紗羅・・・それは俺が言う言葉なんだよ。
俺のことを好きになってくれてありがとうと・・・。
そして紗羅の様子がおかしいことに気付いた俺は「紗羅・・・大丈夫か?」と聞いた。
紗羅は「櫂斗・・・。ありがとう」と言った後目を閉じた・・・。
「紗羅?おい・・・目を開けてくれ・・・お願いだから・・・紗羅・・・手の届かない所になんていかないよな?紗羅・・・」
そして俺はすぐに携帯電話で救急車を呼んだ。
そして病院に着いた・・・。
そして紗羅はすぐに手術する為に手術室に入って行った。
「先生・・・紗羅を助けて下さい・・・」と俺は先生に言った。
「手は尽くしますので・・・」と先生は言い手術室に行った。
俺は急いで紗羅の家族に電話をした。
そして数十分後・・・・。
おばさんとおじさんがやって来た。
「櫂斗君一体なにがあったんだ?」
「すいません・・・俺のせいです・・・。俺を庇って紗羅は車に・・・。すいません・・・」
「そうだったの・・・。あの子がしそうなことね。櫂斗君のせいじゃないわ。紗羅は櫂斗君を守りたかったのよ。櫂斗君は紗羅の側にいてくれるだけでいいの」とおばさんが言った。
「そうだ。君のせいじゃないからね」
「ありがとうございます・・・」と俺は泣きながら言った。
「愛野さんには私が伝えるよ」とおじさんが言う。
「はい、お願いします・・・」