143 ☆櫂斗視点☆
俺は紗羅が来るのを待ってた。
だけどアイツは来なくて・・・。
紗羅・・・お前なにしてるんだ?
あとで聞かなきゃな・・・。
そして放課後・・・。
よし・・・紗羅んとこ行くか。
そして俺は紗羅のクラスへ行った。
俺はすぐに紗羅を見つけ紗羅に「紗羅。今日なんで来なかったんだよ?俺待ってたのに」と聞いた。
すると紗羅は「櫂斗・・・屋上に行こう。そこで話すよ・・・」と答えた。
は?なんで屋上?
しかもなんか紗羅、機嫌悪そうだし・・・。
ますます訳が分からないぞ?
そして屋上に着いた。
「で、ここまで来てどんな話をするんだ?」
「櫂斗、私櫂斗のとこ行こうとしてた・・・」
行こうとしてたんなら来ればいいだけだろ?
「じゃあなんで来なかったんだよ?」と紗羅に聞いた。
「・・・わからないの?」
ああ分からないよ・・・。
なんでそんなに怒ってるのかが・・・。
そして俺は「なにが?」と紗羅に聞いた。
「櫂斗と女の子が楽しそうに話してたから・・・」と紗羅は言った。
女の子?
誰のことだ?
そして俺は記憶を辿っていく・・・。
ああアイツのことか・・・。
「・・・」
「ねぇ・・・あの子は誰なの?」
「ああ、あれか・・・。ただのクラスメイトだよ」
俺は紗羅に嘘を付いてしまった・・・。
「嘘つかないでよ!!」と言い、紗羅は泣きそうな瞳で俺を見た。
「嘘なんてついてないって」
「じゃあなんで櫂斗は焦ってるのよ?」
俺はなにも言えなかった・・・。
「・・・」
「なんでちゃんと話してくれないの?」
俺だって話したいけど・・・それは無理なんだよ・・・紗羅・・・。
お前を傷つけたくないから・・・。
そして俺は「紗羅はなにも気にすることないから」と言った。
「そっか・・・そんなに私には言いたくないんだね・・・」
そうじゃないんだ・・・言いたくないんじゃなくて言えないんだよ・・・。
「紗羅・・・」
「もういいよ。あの子と勝手になんでもしたらいいじゃない!!!」と紗羅は俺から逃げるように去って行った・・・。
追いかけないといけないって頭では分かっていた・・・。
でも体が動かなかった・・・。
紗羅ごめん・・・なにも言わなくて・・・。
俺って最低だよな・・・紗羅を悲しませて・・・。
アイツのせいだアイツの・・・。
俺と同じクラスの吉井由架子だ・・・。
吉井さえいなければ、今すぐにでも紗羅を追いかけられたのに・・・。