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櫂斗「・・・」
なにも答えてくれないんだね櫂斗・・・。
「なんでちゃんと話してくれないの?」
「紗羅はなにも気にすることないから」
気にすることない?
なんにも話してくれないくせに、気にするなだって?
気にしたくなくても、気になるじゃん!!!
そんな言葉じゃ納得いかない・・・。
「そっか・・・そんなに私には言いたくないんだね・・・」
「紗羅・・・」
「もういいよ。あの子と勝手になんでもしたらいいじゃない!!!」
そう言って私は全速力で走った・・・。
櫂斗・・・追ってもきてくれないんだね・・・。
すぐに追いかけてくれるって思ってたのに・・・。
もう私のことなんて好きじゃないのかな?
そして私は学校を出て行く当てもなく涙を流し、ただ歩いていた・・・。
ははっ・・・涙が止まんないや・・・。
これからどうしよう・・・。
やっぱり私は櫂斗に不釣合いだったのかな・・・。
そう思っていたら「紗羅ちゃん?」と誰かに呼ばれた。
誰?
振り向くと空がいた・・・。
「空・・・」
「紗羅ちゃんどうした?なんでそんなに泣いてるんだよ?」
「別になんでもないよ・・・」
「そんなに泣いて、なんでもないわけないだろ?」
なによ・・・私に構わないでよ・・・。
「なんでもないの!空には関係ないじゃない!!!」と私は大きな声で叫んだ。
私最低だ・・・。空は心配してくれてるだけなのに・・・。
これじゃ、八つ当たりだよ・・・。
「紗羅ちゃんごめん・・・無神経で・・・」
「ううん。私こそごめんね怒鳴ったりして・・・」
「紗羅ちゃんなにがあったの?」
「櫂斗とケンカしただけ・・・」
「彼氏と?」
「うん・・・。しばらく櫂斗とは話したくない。櫂斗がなに考えてるのか分からなくなっちゃって・・・」
「そっか・・・。元気出して紗羅ちゃんって無理か。ははっ」
「うんありがとう」
「もう19時だし、そろそろ家に帰った方がいいよ」
「うん」
「1人じゃ危ないから、送るよ」