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そして浮き輪でぷよぷよ浮いていたら「紗羅ちゃん?」と誰かに声を掛けられた。
ん?誰だろう?と振り向くと空がいた・・・。
げっ空じゃない、なんでこんな所で会うかな・・・。
「空久しぶり・・・」
「久しぶりだね会いたかったよ❤」
いえ・・・私は会いたくなかったんですが・・・。
「櫂斗君と来てるの?」
「うんそうだよ。空は誰と来たの?」
「男友達と来たんだ。だけど紗羅ちゃんに会えてラッキーだよ♪」
「はぁ・・・」
「ところで何で浮き輪?もしかして泳げないとか?」
「あははっ、まあね・・・」
「そっかぁ・・・可愛い~❤俺が教えてあげようか?」
「いえ結構です!!!」
もう・・・こんな時に限って櫂斗は側にいないんだから!!!
どこに行ってるのよ!!!
「おい・・・一条、紗羅に近づくなって言っただろ?」と櫂斗が息を切らしてやって来た。
よかった櫂斗だ・・・。
もしかして急いで来てくれたのかな?そうだと嬉しいな。
「いやだなぁ・・・本当に偶然会っただけなんだけどなぁ」
「本当か?」
「ああ」
「紗羅行くぞ!!」
「うん待って櫂斗」
「ったく・・・紗羅アイツに近づくなよな」
「近づいたんじゃなくて、向こうからこっちに来たんだよ?怒らないでよ櫂斗」
「うん、わかった」
「ねぇ櫂斗私ソフトクリーム食べたい」
「じゃあ買ってくるから、ここで待ってて」
「うん」
櫂斗ってなんだかんだ言っても優しいんだよね。
「紗羅ほら、はい。ミックスでよかったんだろ?」
「うん、ありがとう櫂斗」
そして私はソフトクリームを食べる。
「美味し~~い❤櫂斗も食べればいいのに」
「俺は甘いの苦手なの」
「そうだったね。でも本当損してると思うけどなぁ・・・」
「そんなのは子供が食べるんだよ」
ん?今なにか言いました?
子供とかなんとか・・・。
ムゥゥ~~!!!
「子供だけじゃなくて大人も食べるんですよ~~だ!!!」
「ははっ相変わらず紗羅は子供だな」と意地悪な笑顔で言った。
「そんな子供と付き合ってるのは、どこのどなたですか?」
「ははっ俺様だけど♪」
ムカッ!!
いつになったら櫂斗に勝てるのだろうか?
はっ!!もしかして一生こんな感じとか?
それはさすがにないよね?たぶん・・・あははははっ。
「紗羅それより、アレ行かない?」と櫂斗が指差した所はスライダーだった・・・。
「嫌・・・無理!!櫂斗1人で行って来てよ」
「ダメ、ほらいくぞっ紗羅」
強制ですか?櫂斗さん・・・。
そして私は強制的に櫂斗に連れて行かれ、今スライダーの真ん前です!!
「ねぇ櫂斗やっぱり止めない?」
「無理だって、次なんだから。さっ諦めて一緒に滑るぞ♪」
櫂斗・・・なんかキャラ変わってない?
そんなに、スライダー好きなの?
私はこんなに怖がってるというのに・・・。