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自省録  作者: 鶸川リド
3/4

記録

サン



それから私は複数人と戯れることができなくなりました。いつでも特定の1人を決めて、2人きりで過ごす、その子が休みだと1人でいるしかない。


そんな生き方が定着してきた小学6年生の頃、リョーコちゃんと同じクラスになりました。

5年前の呪いのおかげでしょうか、リョーコちゃんは1人でいました。


それと比べ私はそのとき特定の1人だったサチちゃんの人脈から友達がたくさん出来ました。休み時間、放課後も6人ほどで過ごし、1人でいるリョーコちゃんを見て優越感に浸っていました。


ある放課後、私がいつも一緒にいる6人のリーダー格の子が「うち、リョーコ嫌い。」そう呟きました。私の心は花が開いたように明るいものになったのです。


ああ、やっと復讐のときだ、と。


私はすぐそう呟いたランちゃんに同意の意思を伝えると、「このグループに誘おうか!」と笑うので、すぐに賛成しました。

きっと似ているから理解できた。

このグループに入れて、仲間外れにするのでしょう、5年前私が経験したのと一緒。


次の日ランちゃんは一緒に遊ぼう、とリョーコちゃんを誘いました。リョーコちゃんは私に嫌われている自覚こそあったでしょうが、1人でいるのに耐えられなかったのか、許諾して、一緒に遊びました。


私は気にしてない、もしくは水に流したフリをして、親しく話すと、リョーコちゃんは善人に変わったフリをしていました。


そして7人のグループになったのです。



すぐにランちゃんの嫌がらせは始まりました。リョーコちゃん以外のみんなに指示を出して、無視させるように。

またはリョーコちゃんだけ違う色のキーホルダーをプレゼントしたり。


リョーコちゃんがしおらしくなる姿は見ものでした。ドキドキして、ワクワクして、どんな表情するのか気になりました。


これで良いのだ、そう思っていたけれど。


1週間ほど経つとランちゃんは逆にリョーコちゃんと今まで以上に仲良くするようになりました。

これには他のメンバーもハテナマークを頭に浮かべましたが、私は「これも嫌がらせの一環だ」と思って過ごしていました。


しかし、ランちゃんはグループ内のリョーコちゃんではない子の小言を言うようになり、嫌がらせをしました。それも1週間ほどで終わり、次のメンバーへと。


リョーコちゃんと他の2人をルーティンするように1週間ほど気まぐれで嫌がらせが始まりました。


今思うとDVのようです。嫌がらせ週間が終わると、いつも以上に良い接し方でした。



そして私の元へ矢印がやってきました。いつか、そうなるだろうと思っていたのです。面倒でした。誰も口を聞いてくれず、みんながコンビニに行ってる間、一人で場所取りをさせられる。


次の子に矢印が向いたとき、優しくなったランちゃんが私にこう言いました。


「私、順番に1人をハブるのにハマってるの!」


へーーーーーーーー、そっかあ。


じゃあ仕方ありません。仕返ししないと。復讐しないと。あなたがあなたの仕業であると発言したなら仕方がない。


ランちゃんに天誅を。

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