記録
サン
それから私は複数人と戯れることができなくなりました。いつでも特定の1人を決めて、2人きりで過ごす、その子が休みだと1人でいるしかない。
そんな生き方が定着してきた小学6年生の頃、リョーコちゃんと同じクラスになりました。
5年前の呪いのおかげでしょうか、リョーコちゃんは1人でいました。
それと比べ私はそのとき特定の1人だったサチちゃんの人脈から友達がたくさん出来ました。休み時間、放課後も6人ほどで過ごし、1人でいるリョーコちゃんを見て優越感に浸っていました。
ある放課後、私がいつも一緒にいる6人のリーダー格の子が「うち、リョーコ嫌い。」そう呟きました。私の心は花が開いたように明るいものになったのです。
ああ、やっと復讐のときだ、と。
私はすぐそう呟いたランちゃんに同意の意思を伝えると、「このグループに誘おうか!」と笑うので、すぐに賛成しました。
きっと似ているから理解できた。
このグループに入れて、仲間外れにするのでしょう、5年前私が経験したのと一緒。
次の日ランちゃんは一緒に遊ぼう、とリョーコちゃんを誘いました。リョーコちゃんは私に嫌われている自覚こそあったでしょうが、1人でいるのに耐えられなかったのか、許諾して、一緒に遊びました。
私は気にしてない、もしくは水に流したフリをして、親しく話すと、リョーコちゃんは善人に変わったフリをしていました。
そして7人のグループになったのです。
すぐにランちゃんの嫌がらせは始まりました。リョーコちゃん以外のみんなに指示を出して、無視させるように。
またはリョーコちゃんだけ違う色のキーホルダーをプレゼントしたり。
リョーコちゃんがしおらしくなる姿は見ものでした。ドキドキして、ワクワクして、どんな表情するのか気になりました。
これで良いのだ、そう思っていたけれど。
1週間ほど経つとランちゃんは逆にリョーコちゃんと今まで以上に仲良くするようになりました。
これには他のメンバーもハテナマークを頭に浮かべましたが、私は「これも嫌がらせの一環だ」と思って過ごしていました。
しかし、ランちゃんはグループ内のリョーコちゃんではない子の小言を言うようになり、嫌がらせをしました。それも1週間ほどで終わり、次のメンバーへと。
リョーコちゃんと他の2人をルーティンするように1週間ほど気まぐれで嫌がらせが始まりました。
今思うとDVのようです。嫌がらせ週間が終わると、いつも以上に良い接し方でした。
そして私の元へ矢印がやってきました。いつか、そうなるだろうと思っていたのです。面倒でした。誰も口を聞いてくれず、みんながコンビニに行ってる間、一人で場所取りをさせられる。
次の子に矢印が向いたとき、優しくなったランちゃんが私にこう言いました。
「私、順番に1人をハブるのにハマってるの!」
へーーーーーーーー、そっかあ。
じゃあ仕方ありません。仕返ししないと。復讐しないと。あなたがあなたの仕業であると発言したなら仕方がない。
ランちゃんに天誅を。