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第二回ラジオ大賞

時給3000円の聖女様

作者: つみき

 私はギルドで客を待つ。客と行っても様々だ。一番の狙いは討伐冒険者だ。回復に弱いパーティーでギルドの討伐依頼を受ければ私を誘いに来る。私の時給は3000円だ。


 高い?とんでもない。まだ、学生だが私は聖女だ。治癒を得意とする者だ。生死を掛けている者に時給3000円なんて安い安い。本当はもっと値上げしたい。


「リアちゃんよーおじさんのお酒の相手しない?」


「いいですよ」


 ギルドにはスケベなおじさんも入るが慣れた。一時間お酌してキッチリ料金を頂く。

 私自身は特待生で学校へ入学しているため余裕はないがお金にはさほど困っていない。

 私は貯めたお金で自分の村の孤児院に寄付をしている。皆、私の友達だ。


 再びギルドで客を待つ。


「いた!お姉ちゃん。お願いします。お父さんが屋根から落ちて動けないの」


 一人の少女が掛け込んでくる。


「お医者様は?」


「医師より聖女様でしょ!」


 引き連れられ父親の場所まで行く。当然時給3000円だ。


「ありがとう。ありがとう」


 感謝され別れる。父親の足は折れていたが治癒魔法で一瞬で回復。3000円安すぎない?


 再びギルドに戻り客を待つ。


「リアちゃーん。占いお願い」


 今度はクラスメイトだ。


「リストさん。お金取りますよ」


「わかってるって。リアちゃんの占い当たるって有名だから」

 

 休みの日はここにいると学校にも知れわたっていた。ごくたまに占いを頼まれる。占いと言うよりは恋愛相談が多い。噂を聞いて豪商が商売人の運気を聞きに来たのは流石に驚いた。占いは時給ではなく一回3000円にしてる。ぼったくりだ。でも来る人は途切れない。


 再び静かに客を待つ。


「リア。討伐の手伝いをしてくれないか?」


「いいよ。相手は?」


 やっと稼げる本命が来た!


「地竜と飛竜のセット」


「倒せる?」


 ドラコンとは厄介だ。しかもタイプが違う二種類。


「わからん。ただ、聖女様がいれば死なないだろ?」


「OK。頑張るよ」


 彼らの力を信じよう。私がいれば無理しない限り死にはしない。


「サンキュー助かったぜ」


 無事に討伐は終わった。完了まで5時間拘束された。15000円荒稼ぎ。

 もう夕方だ。また明日。


「リアお願いがある」


「アーサー王子どうなさいましたが?」


 クラスメイトの王子がギルドに飛び込んで来た。


「今日の舞踏会に私と出てくれないか?」


 デートのお誘いでしょうか?


「あ、はい」


「もちろん拘束代金は払う3時間だ」


 どうやら私は聖女ではなく何でも屋として有名らしい。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 聖女様、引っ張りだこですね~ そんなに何でもできるならもっと高い時給でも良いですね! 面白かったです。
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