第9話 今は私を止めないで。楽しんでいるのよ。
登場人物
課長 第二企画室開発部研究課 責任者 単身赴任中
沢渡 第二企画室開発部課長対策係課長代理
平 同研究員 補佐
折田 同研究員 主査 広報担当
市城 同研究員 主査 事務担当
1 折田「で?結局映画見たいの?」
2 平「観察業務以外に出来ることあるんじゃないかって。」
3 沢渡「ぎゃふん。」
4 平「今言ったっ。どうして今言った。」
5 沢渡「平がまさかの仕事くれ発言。」
6 折田「いやまて沢渡。こいつはただ暇なだけだ。」
7 平「別にアンタと映画見たいだけじゃ無いんだからね。」
8 市城「ツンデレになってないよ平君。」
9 平「とにかくだ。このゾンビ課長をただ眺めて」
「一日を浪費するなんて耐えられない。」
10 沢渡「対策ってのはそもそも何の対策なんだ?」
11 市城「平君が感染した場合の対策?」
12 沢渡「対平専用撲殺兵器は申請出したわ。」
13 平「まじて?」
14 沢渡「まじで。」
15 平「え?」
16 沢渡「え?」
17 平「冗談はともかくっ」
「危機管理マニュアル的な物をだな。」
18 沢渡「だから冗談じゃ無いって。」
19 平「え?」
20 沢渡「え?」
21 折田「危機管理マニュアルか。面白そうじゃん。」
「二次感染含めて作成するか。」
22 沢渡「フローチャートから始めましょうか。」
23 市城「先ずは二次感染の可能性の洗い出しからだね。」
「ホワイトボード取ってくる。」
24 沢渡「あ、それと建物の図面借りられるようならお願い。」
「ホレ平、手伝え。」
25 平「急にやる気スイッチ入った?」
26 沢渡「仕事中に映画見ようとか言われたら」
「上司としては部下に厳しくしないと。」
27 平「ぎゃふん。」
28 平「沢渡ぃっ」
29 沢渡「課長代理と呼べヒラ野郎。」
30 平「課長代理ぃっ」
「お前本当に撲殺用品発注してたのかよっ。」
31 沢渡「そう言ったじゃん。」
32 折田「何それ何それー。何それ。」
33 市城「ただの金属バットだよ。」
34 平「ただの?撲殺用品ってラベル張ってるバットがただの?」
35 沢渡「なんだ金属バットか。しかも一本て。」
36 平「なんだとはなんだこの野郎っ。」
37 沢渡「QUEENのDon't Stop Me Now歌いながらこうね。」
「今は私を止めないでって。」
38 平「こいつマジだ。」
39 市城「あれはビリヤードのキューだよ。」
40 折田「さすがに銃は無理かー。」
41 平「最初はハンドガンからでってバカ。」
42 沢渡「どうした。」
43 市城「ノリツッコミだね平君。ノリツッコミだよ沢渡さん。」
44 平「最後はグレネードだろうってかこの野郎。」
45 沢渡「さあチャッチャと準備しよう。」
46 折田「ボードここでいいか?」
47 市城「図面どこに広げようか。」
48 平「誰か今すぐ俺を止めてくれ。」
49 折田「でもさー。」
「街中で突然ゾンビに遭遇したらどうするよ。」
50 平「結構フーンて感じで避けて歩くだけかもな。」
51 市城「映画とかのゾンビだと足遅いしねー。」
52 平「本当にヤバイ状況だとしても逃げの一手だよな。」
53 折田「まさかマチェーテ持ち歩くわけにもいかんし。」
54 平「マチェーテてなにそれ。」
55 折田「鉈の長いやつ。頭を落とすのにいいかと。」
56 市城「銃刀法違反だよねー。」
57 沢渡「バット持てバット。」
58 平「金属バットずるずる引き摺りながら」
「そこらフラフラしてたら通報されね?」
59 沢渡「引き摺らねぇ。ケースに入れろよ。」
60 折田「職質されたらどうするんだよ。」
61 沢渡「部活って言う。」
「何だったらユニホームとスパイクも入れて。」
62 平「実際使うかどうかも判らないバット持ち歩くの?」
63 沢渡「なら本当に部活にしてしまえばいいっ。」
64 折田「うちにソフトボール部なんてあったっけ?」
65 市城「本社にはあるよ。」
66 平「ぶっちゃけ理系女子って身体動かすの苦手そう。」
67 折田「暴言だぞ平。」
68 平「身体動かすの苦手だから机の前にいるんだろ?」
69 市城「いやいや最初から研究とか好きな人もいるよ。」
70 折田「運動部所属する理系女子だっているだろ。」
71 平「いやいやまさかっ。そんな完璧超人いてたまるかっ。」
72 市城「何かあったの?」
73 平「不公平だ。二物も三物も与えていいはずがないっ」
74 沢渡「ソフト部じゃなくて」
「ゾンビ対策部として凶器持ち歩いても捕まるかな。」
75 折田「凶器って言っている時点でダメだと思う。」
76 平「今すぐ止めなければならないのは俺じゃない。沢渡だ。」
77 沢渡「よし判った。部活を作ろう。」
78 市城「先ずは同好会からかな。」
79 平「正式に部に認められるにはどうすんの?」
80 市城「同好会として実践。活動報告。その後部への申請。」
81 折田「何その実践て。」
82 市城「活動実績の証拠みたいなものかな。」
83 平「どうやって?言ったもん勝ちじゃないの?」
84 市城「大会参加とかだね。」
「少なくとも実績が無いと申請は通らないよ。」
85 折田「大変そうだな。」
86 市城「会社の名前を使って部活動する事になるから」
「審査は相当厳しいよ。」
87 沢渡「まあ同好会でいいかな。」
88 平「会社に迷惑かける前提か?」
89 折田「面倒なだけだろ。」
90 沢渡「そうじゃなくて」
「主旨と言うか目的と手段が混同している。」
91 平「なんだっけ?」
92 沢渡「武器を合法的に持ち歩く手段としての部活。」
93 折田「あれは?サバゲー。」
94 平「玩具じゃん。」
95 折田「結構な威力あるぞ。」
96 平「ペチっペチッ程度じゃね?」
97 市城「ゾンビに対するストッピングパワーあるかなぁ。」
「銃を認識してくれないから心理効果も無いよね。」
98 沢渡「よし判った。じゃあ軽音部だな。」
99 市城「じゃあ?」
100 折田「お前のよし判ったは何も判っていないって事たな。」
101 平「ギターとかベースでゾンビ殴るつもりだな?」
102 折田「シンバルを投げつけるのは効果的かも。」
103 平「ギターのボディをチタンにして」
「これが本当のソリッドギターってばか。」
104 市城「今日はどうしたの平君。」
105 折田「どうせ仕込むなら銃をネックにだな。」
106 市城「デスペラるの?」
107 折田「あ、それなら最初からサバゲ部でイイのか。」
108 平「BB弾程度じゃ意味ないって話だろ。」
109 折田「実弾の入手経路があるなら実弾でもいいけど。」
110 市城「あってもだめだよ。」
111 沢渡「じゃあ薬品でいいや。」
112 市城「じゃあ?」
113 平「薬品て?」
114 沢渡「溶かすのとか。」
115 平「マジで今すぐこいつを止めてくれ。」
116 沢渡「I like it!」
ボツネタ
沢渡「金属バットで感謝しろよ。」
平「は?」
市城「ビリヤードのキューじゃなかなか潰れないからね。」
折田「スーパーソニックマンに変身だ。」