第8話 課長観察日誌
1 平「おいーす。」
2 市城「おはよう。」
3 沢渡「おう平。横尾主任とのディナーはどうだったよ。」
4 平「ふふん。まさに完璧な夜だ。出会いそして」
5 沢渡「食事だけで終わった。と。」
6 平「なんでだっ。」
7 沢渡「違うのか?」
8 平「違わない。何でだ。横尾さんに聞いたのか?」
9 沢渡「いや。その後何かあれば自慢なんかしないだろ。」
「フラれてたら落ち込んでるだろうし。」
10 折田「どんまい。」
11 平「まだだよっ。」
12 市城「まだ?」
13 沢渡「自覚しているのか。偉いぞ平。」
14 平「なんのだよっ。嬉しくねぇよ。フラれねぇよ。まだ。」
15 折田「この観察日誌ってタイトルはどうなん?」
16 沢渡「観察日記じゃ小学生の夏休みかなって。」
17 折田「観察の方だよ。」
18 沢渡「イラスト付けろとまでは言わないよ。」
19 平「デジカメで撮影くらいするか?」
20 折田「それに大体手書きってどうなんだ?」
21 平「流出恐れているとか?」
22 沢渡「毎日市城きゅんが入力してるわ。」
23 平「そうなの?自分で入力するのに。」
24 沢渡「チェックも兼ねてるのよ。言葉遣いとかも。」
「そのうち自分でやってもらうけど」
「その時見本が無いと出来ないだろ。」
25 折田「営業は毎日日報提出してるから慣れた。」
26 沢渡「それはどうかな。」
27 折田「何で?習慣で付けてなかったから大変なんだろ?」
28 沢渡「課長の飼育日誌なんて前例は無いだろ。」
29 平「飼育なの?餌は?笹?」
30 折田「で、何を書けばいいんだ?」
31 平「朝顔とか蝉と違って成長も脱皮もしないぞ。」
32 市城「課長脱皮したら事案だね。」
33 沢渡「止めて。吐きそう。」
34 平「突然繭作ったら面白いのに。」
35 折田「羽化?羽化するの?」
36 市城「課長に羽が生えたら少しは可愛くなるかな。」
37 沢渡「ならない。無理。だって課長だもの。」
38 折田「この体型じゃ羽生えても飛べないだろ。」
39 平「いやいや判らんよ。」
「繭から出たらムキムキ課長で翼がっ。」
「フハハハ。長い眠りからようやく目覚めた。」
40 沢渡「ずっと寝とけよ。」
41 折田「ところで、これ突然開いたらどうする?」
42 沢渡「課長じゃ開けられないだろ。」
43 平「悪の帝王に不可能など無いのだ。」
44 市城「不可能無いならこんなとこいないよね。」
45 沢渡「それで開いたら何だって?」
46 折田「この部屋カメラあるじゃん。」
47 平「パンダ部屋の中にな。」
48 折田「実はこの部屋もあって俺達監視されてるの。」
「今みたいに皆が揃っている状態で」
「パンダ部屋のロックが解除され、的な展開に。」
49 沢渡「普通にそこのドアから外出る。」
50 折田「ロックされていたら?」
「この部屋ロックあるよな。営業部に無かったぞ。」
51 沢渡「ここは薬品扱うから。」
52 折田「密室に課長と俺達。さあどうする。」
53 沢渡「真っ先に平が犠牲になった場合に備え」
「速やかに処理できるようにはしたいな。」
54 平「何で俺?速やかってなに?」
55 沢渡「じゃあおごそかに。」
「粛々と平をヘッドショットする装置的な兵器をだな。」
56 平「ウィルス感染物で勉強するといいと思うんだ。」
57 沢渡「突然どうした。早退するか?」
58 平「しねぇよ。沢渡に処分される前に何とかするんだよ。」
59 沢渡「例えばアウトブレイクとかコンテイジョンとか?」
60 折田「それより密室型ホラーのがいいんじゃね?」
61 市城「ホッケーマスクのチェーンソー男とか?」
62 折田「それは感染関係ないぞ。」
63 市城「4週間くらい後の話とか1ヶ月後くらいの話?」
64 沢渡「立場的にはアンドロメダだろうけどね。」
65 平「判らん。さっぱり判らん。」
66 折田「お前が話振ったんだろ。」
67 平「俺的には巨大企業の陰謀を暴きつつ」
「バイクに跨りクローンと共に戦い最後は伝説に。」
68 沢渡「勉強はどうした。」
69 折田「やっぱり平も感染させてゾンビコップにするか。」
70 市城「平君も蘇生マシンでゾンビになるの?」
71 平「も?」
72 沢渡「課長と同室にするのが手っ取り早いよ。」
73 折田「サンプルが増えるのは会社の利益になるぞ。」
74 市城「偉いよ平君。自ら実験体になるなんて。」
75 平「なんなのさっきから。次の犠牲は俺確定なの?」
76 沢渡「賑やかしキャラはいつだってそうじゃん。」
77 平「キャラって言うな。」
78 折田「まあでもそのドア開いたところであの課長だからな。」
「余裕で逃げられるか。」
79 平「階段置くだけでどうにかなりそうじゃね?」
80 市城「階段?」
81 平「登ってこられないかなって。」
82 沢渡「器用にアクション決めるゾンビは少ないけど」
「階段くらいは登るから設置するならハシゴだな。」
83 市城「部屋の壁にハシゴ掛けておこうか。」
84 折田「ロッククライミングみたいにするのもアリかも。」
85 平「判った。ロフトにしてしまえ。」
86 沢渡「天井低くて横にしかなれないだろうな。」
87 平「いいじゃん。横になりながら課長を観察。」
88 市城「もう目的と手段を見失ってる。」
89 折田「ロフトはともかく噛まれなきゃいいだけだろ。」
90 平「噛まれたら感染ってどんな理屈なんだ?」
91 沢渡「噛まれたら。じゃ無くて体液からでしょ。」
92 市城「飛沫でもウィルスは感染するからね。」
93 折田「引っ掻かれただけで感染するのは?」
94 市城「猫に引っ掻かれてミミズ腫れする人もいるから。」
95 平「それってアレルギーじゃね?」
96 沢渡「私なんて課長直視するだけで蕁麻疹が。」
97 折田「飛沫飛ばされたら感染前に死ぬかもな。」
98 平「こいつなら飛沫浴びる前に課長の首落とす。」
99 沢渡「イヤよ。血飛沫とか浴びたくないから逃げるわ。」
「市城きゅんを逃したら平を盾にして逃げるから。」
100 市城「折田君は?」
101 沢渡「諦めて、彼はもう手遅れよっ」
ボツネタ
沢渡「一作目って母親の話しでマスク男出ないのよね。」
折田「チェーンソーも違う映画だし。」
市城「でもほらNYに出張するかも。」
平「冷凍保存されたら宇宙行きのフラグだな。」