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第7話 「(自分の事ばかり)考えるな。(相手の事を)感じろ。」

1  市城「おはようございます。」

2  沢渡「おはよう市城きゅん。」

3  市城「課長の様子はどうかなー。あれ?」

4  沢渡「どうしたの?」

5  市城「課長歩いてるよ!課長が歩いたっ。」

6  沢渡「クララか?課長はクララなのか?」

7  市城「ガラス張りで冷暖房完備で。」

    「本当にパンダ扱いだよね。」

8  沢渡「パンダと違って見るに堪えないわ。」

9  市城「仕様書にお世話の仕方とか載ってないかな。」

10  沢渡「世話したい?あれの?」

11  市城「食事も排泄も本部がお世話するんだよね。」

12  沢渡「仕様書にはそう書いてあるわね。」

13  市城「給餌って何与えているのかな。笹?」

14  沢渡「そこまでパンダに寄せなくても。」

15  市城「タイヤぶらさげたら少しは可愛く見えるかな。」

16  沢渡「タイヤが?」

  

17  市城「近寄ると近寄ってくるね。」

18  沢渡「見て反応するって結構な情報処理能力よ。」

19  市城「音にも反応するね。」

20  沢渡「大抵のゾンビって音出すと寄ってくるわよね。」

21  市城「見えて聞こえて、何考えているんだろう。」

22  沢渡「元々何も考えて無かったんじゃないかな。」

23  市城「たまに壁に当たるね。痛くないのかな。」

24  沢渡「痛覚無かったら当たっても気付かないわ。」

25  市城「先に進めないから方向変えただけとかは?」

26  沢渡「無くは無いでしょうけど」

    「そもそも歩いているから。」

27  市城「うん?」

28  沢渡「えーっとつまりね、足の裏に感覚無かったら」

    「自分は歩いてるって認識はできないと思うのよ。」

29  市城「あ、そうか。」

30  沢渡「触覚とか痛覚以外にも関節への負荷もあるし。」

31  市城「深部感覚って言うんだよね。」

32  沢渡「よく知ってるわね。」

33  市城「それじゃ今の課長は」

    「感覚はあってもその伝わりが鈍いってとこかな。」

34  沢渡「考えなしに動くのは前からじゃん。」

35  市城「Don't think.Feeeeel.」

36  沢渡「あれって続きあるのよ。」

37  市城「そうなの?」

38  沢渡「月を指差しても指を見ていたら月は見えない。的な。」

    「技を修練するのは大事だけど」

    「実戦では相手を見なさい。」

39  市城「自分ばかり考えないで相手を感じろって意味なの?」

40  沢渡「課長や平とは真逆ね。」

  

41  市城「痛がっているゾンビて見ないよね。」

42  沢渡「不味そうに人食べるゾンビもね。」

43  市城「そのへんの考証とかって結構適当なんだね。」

44  沢渡「歩いたり食べたりするのは」

    「本能とか欲求で片付けるから。」

45  市城「実際どうなのかな。」

46  沢渡「野生の動物なんかは」

    「方法を教えなくても歩行も食事もするわね。」

47  市城「でもそれとこれとはちょっと話違くない?」

48  沢渡「違うと思う。」

49  市城「動物だって感覚無かったら歩けないし立てないよね。」

50  沢渡「私もそう思うけど、まあ映画の話だから。」

51  市城「課長はノンフィクションだよ。」

52  沢渡「え?私にだけ見える幻覚じゃないの?」

  

53  平「おいっすおいっす。」

54  折田「おはよっす。」

55  市城「おはよう。平君ご機嫌だね。」

56  平「よくぞ聞いてくれた市城きゅん。」

    「昨日偉い人に飲みに連れて行ってもらった。」

57  市城「偉い人って?」

58  折田「査察に来た社長と専務と常務と室長。」

59  市城「凄いねー。偉い人ばかりで肩凝っちゃうよ。」

60  平「それだけではない。伝説と二次会に行ったんだ。」

61  市城「伝説?」

62  折田「秘書室の主任。」

63  平「俺たち一般社員には目にする機会すらない。」

    「まさに伝説の秘書室人。」

64  市城「ひしょしつびと?」

65  平「しかもっ。今夜のディナーの約束までもっ。」

66  折田「うおっマジかよっ俺誘われてねぇぞっ。」

67  平「お前彼女いるだろ。」

68  折田「それ関係無くね?」

69  沢渡「その主任て横尾?」

70  平「ぎゃあっ。何で知ってる。何で呼び捨てっ。」

71  沢渡「ぎゃあって何たよ。ただの同期だ。」

    「あいつまだ辞めてなかったのか。」

72  折田「何どゆこと。ちょっと聞かせてみ。」

73  沢渡「働かず食わせてもらうからって秘書室希望。」

74  平「なにそれ。」

75  折田「あ、いや聞くな平。」

76  沢渡「愛人でもなんでもいいからお偉いさんとだな」

77  折田「何も考えるな平っ。お前はただ感じていればいいっ。」

  

78  沢渡「確か横尾は生魚ダメだから気をつけろよ。」

79  平「マジ?あぶねぇ。この前の寿司屋行くとこだった。」

80  折田「最初のディナーで寿司屋とか無いわー。」

81  市城「沢渡さんよく判ったね。」

82  沢渡「だって平じゃん。ずっと言ってたじゃん。」

83  平「他に何か入れておかねばならぬ情報は無いか?」

84  折田「落ち着け平。」

85  沢渡「研修で一緒になっただけだからなぁ。」

86  平「有益な情報だったら今度寿司奢るから。」

87  沢渡「パワポでプレゼンしてやる。」

88  平「その手間あるなら口頭で今頼む。」

89  沢渡「何だったら今日の勤務時間変わってやるぞ。」

90  平「でも待ち合わせ俺の仕事終わりに合わせくれるって。」

91  沢渡「じゃあ早くしてもらえよ。」

92  平「何だ?何でだ?何が目的だ?俺の身体目当てか?」

93  沢渡「そうだな。いずれコキ使ってやる。」

  

94  折田「沢渡。」

95  沢渡「あれ?もう戻ってきたのか?」

    「昼休みくらいゆっくりしてこいよ。」

96  折田「いや話があって。さっきの話ってマジなの?」

97  沢渡「さっきて横尾の事?マジだけどどうかな。」

98  折田「どうかなって?」

99  沢渡「飲みで酔って言っていただけだからな。」

100  折田「酔っ払ってじゃ本気かもしれないのか。」

101  沢渡「でもまだ辞めて無いからな。」

102  折田「じゃあまだ平にもチャンスはあるな?」

103  沢渡「それはどうだろう。」

104  折田「アイツあれでも結構モテるんだぞ。」

105  沢渡「あー判る気がする。」

106  折田「それなりにイケメンで人当たりもいいし。」

107  沢渡「三回目のデート終わりで振られて終わるだろ。」

108  折田「なんで判る?」

109  沢渡「バカがバレるからだろ。」

110  折田「速くね?バレるの速くね?」

111  沢渡「そうか?告白時点で見抜けていないって事だろ。」

    「むしろ長くね?」

    「ただ今回は平のバカバレとは関係無いな。」

112  折田「ナニソレ詳しく頼む。」

113  沢渡「横尾は別次元の男性に惚れている。」

114  折田「まさか2.5次元?」

115  沢渡「あいつには推しメンがいるから。」

116  折田「モノテルペンがどうした?香水にハマっているのか?」

117  沢渡「抗細菌活性とかねぇよ。」

    「イチ推しメンバー略して推しメン。知っててボケるな。」

118  折田「あれ?でもどうしてディナーに誘ったんだ?」

119  沢渡「飲み友達が欲しいか、」

    「それとも近場の男で妥協したのか。」

    「もしくは何か裏があるから。」

120  折田「裏?大丈夫かなアイツ。」

121  沢渡「大丈夫でも大丈ばなくてもいいじゃん。」

122  折田「理由無いって言ったけど。」

    「もしかして横尾主任の本意知りたいだけか?」

123  沢渡「本意を知るほど裏を知ってるわけじゃないよ。」

124  折田「じゃあ何で?何でなん?」

125  沢渡「平に貸し作っておいただけ。」

126  折田「お前は酷い上司だ。課長よりむごい。」

127  沢渡「アレ以上って事はない。腐っても課長だぞ。」

128  折田「腐ってねぇよっ。あ、いや判らんけど。」

129  沢渡「考えすぎるとお前も腐るぞ。」


ボツネタ

市城「沢渡さんも考え過ぎないで課長をもっと感じ」

沢渡「市城きゅんでも言ってイイことと悪い事ガール。」

平「マジ?沢渡って課長とそうなの?」

折田「平は考えろ。お前はただひたすら考えろ。」

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