第3話 リビングデッド・アクティビティ
登場人物
課長 第二企画室開発部研究課 責任者 単身赴任中
沢渡 第二企画室開発部課長対策係課長代理
平 同研究員 補佐
折田 同研究員 主査 広報担当
市城 同研究員 主査 事務担当
1 沢渡「それでこの後警察とか来て事情聴取とか受け、ない。」
2 平「救急車が来て課長を搬送を、しない。」
3 沢渡「このまま?」
4 平「このまま?」
5 市城「解いたりもしないの?」
6 折田「この状態で野放しはマズイだろ。」
7 沢渡「監視業務ですか?それは構いませんが。」
8 平「今やってる研究とかは?一旦中断?」
9 市城「え?僕もですか?」
「はい。総務なので書類作成は問題ありません。」
10 平「でも上長があの状態ですよ?ハンコとかどうしたら。」
11 沢渡「私ですか?昇進?」
「課長代理?マジで?あいやスミマセン。拝命いたします。」
12 平「俺は?俺は?」
13 折田「聞くな。」
14 市城「意地悪したバチがあたったんだよ。」
15 折田「書類にサインしろってよ沢渡。」
16 沢渡「沢渡課長代理と呼び給え。」
17 平「まさかお前までこっち来る事になるとはな。」
18 折田「まあな。営業職に何させるつもりなんだか。」
19 沢渡「一時的な異動だろうから営業部所属のままなんだろ?」
20 折田「いや正式に辞令出すって。」
21 沢渡「マジか。市城きゅんも?」
22 市城「うん。部長が確認しているけど多分正式だと思う。」
23 平「それで勤務体制ってどうするんだ?」
24 沢渡「本部が20時から翌8時までモニタリングするって。」
25 折田「半分見るのか。ローテどうする?」
26 沢渡「そうだな。平、ちょっと作ってみ。」
27 平「俺が?お前作れよ上司。」
28 沢渡「いいのか?本当に私が作っていいのか?」
29 折田「待てっ。平手伝ってやるから一緒に作ろう。」
30 市城「基準と言うか約束事ってあります?」
31 沢渡「うーん引き継ぎの時間を設定するくらいかな。」
32 折田「二交替がいいとか三交代がいいとかは?」
33 沢渡「平に任せる。任せたからにはそれに従うよ。」
34 平「言ったな?本当だな?」
「よーし。見てろよー。ギャフンと言わせてやる。」
35 折田「言わせる必要あるか?」
36 沢渡「で。結局早番遅番の二交代勤務にするのね?」
37 平「いろいろ考えた。本当にいろいろ考えたんだぞ。」
38 市城「三交代にしようとも思ったんだけどね。」
39 折田「四人もいるからな。」
「一人で対応する時間は無い方がいいだろ。」
40 平「それにアレだぞ。二人体制なら」
「一人休んでも対応できるからだぞ。」
41 沢渡「その時は臨機応変に対応するだけでしょ。」
「それで組み合わせは?」」
42 平「早番がお前と市城君。遅番が俺と折田。」
43 沢渡「根拠は?」
44 平「仕事終わりで折田と飲みに行けるからじゃないぞ。」
45 折田「どうしてここでそれを言うか。」
46 平「元々この部署の俺達のが別々のがいいかなと。」
47 沢渡「そうね、それは納得するわ。でもいいの?」
48 平「いいのって何。」
49 沢渡「20時終わりじゃゆっくり飲みに行けないぞ?」
50 平「うっ。でも朝起きられる自信が無い。」
51 沢渡「それに土日も勤務あるからローテは必要なのよ。」
52 平「ひぃっ」
53 沢渡「さあさあとっとと作らないと残業よ。」
54 平「ギャフン。」
55 折田「ゾンビに心電図とか意味あるんか?」
56 沢渡「さあ。課長が生きているなら動くんじゃね?」
57 平「活きの良いゾンビ。」
58 市城「おっ?お前さんゾンビかい?粋だねぇ。」
59 平「粋でいなせってゾンビにあるまじき姿だよな。」
60 市城「健康的なゾンビ。」
61 平「健康ランドに行くゾンビ。」
62 市城「温泉上がりにコーヒー牛乳飲むゾンビ。」
63 平「岩盤浴上がりにオイルマッサージを受けるゾンビ。」
64 沢渡「何そのアクティビティゾンビ。」
65 市城「休日はソロキャン。ハンモックも作っちゃう。」
66 平「もちろんチャリで行く。ゾンビだから疲れない。」
67 折田「お前ら課長で遊ぶな。死者に失礼だ。」
68 平「お前こそ勝手に課長を殺すな。」
69 沢渡「人って死んだ瞬間から腐敗が始まるからな。」
70 平「まじ? 臭うの?」
71 沢渡「防腐剤と消臭剤置いていったわ。」
72 平「何でそんなもんがあるんだよっ。」
73 折田「うちの会社エンバーミングの薬剤扱ってるぞ。」
74 平「エンバーミングって何それ。」
75 沢渡「遺体の保全方法ってとこかしらね。」
76 平「何でそんな事するんだよ。」
77 沢渡「そうね。日本だと火葬だからあまり馴染みは無いけど」
「アメリカなんか土葬多いでしょ。」」
78 市城「感染症防止だね。」
79 沢渡「日本では事故とか」
「災害で身元の判らない遺体に使われる事が多いわ。」
80 平「なるほどなぁ。」
「身元が判って親族現れた時に腐ってたら悲しいもんな。」
81 沢渡「エンバーミングって修復も含まれているから。」
82 平「ああいい会社だなここ。」
83 沢渡「なのに課長はエロサイトウィルス感染とか。」
84 平「デスク配置どうする?」
85 沢渡「面倒だからこのままでいいわよ。」
86 平「いやいや。一つ増えたんだしさー。」
87 折田「横並びにして全員で課長監視できるようにする?」
88 沢渡「却下する。」
89 平「営業部って給食の時みたいな並べ方だよな。」
90 折田「給食って。」
「基本四人で一班だからそれでいいんじゃね。」
91 沢渡「それじゃ頑張って並べて。」
92 平「お前も手伝えよ。」
93 沢渡「私に力仕事とかさせないで。」
94 平「男女平等とか言う割に都合いいよなぁ。」
95 沢渡「適材適所って言うのよ。女性だからじゃないわ。」
96 折田「まあまあ。それで席順というか場所どうする?」
97 平「沢渡リーダーだから奥だよな。」
98 折田「市城正面に座らせようか?」
99 沢渡「いやん。そんなの仕事に集中出来ないわ。」
100 折田「じゃあ隣?」
101 沢渡「そんな近く?」
102 折田「じゃあ対角しかないな。」
103 沢渡「遠すぎるわ。」
104 平「お前が面倒くさい。お前は本当に面倒臭い。」