第24話 部下は上司を選べない
登場人物
課長 第二企画室開発部研究課 責任者 単身赴任中
沢渡 第二企画室開発部課長対策係課長代理
平 同研究員 補佐
折田 同研究員 主査 広報担当(営業部より転属)
市城 同研究員 主査 事務担当(経理部より転属)
1 平「お疲れー。」
2 折田「お疲れー。」
3 平「どうする?先に飲んでる?」
4 折田「そこそこ大事な話しするんじゃね?」
5 平「じゃあ一杯だけ。ビールだけ。」
6 市城「飲み始めたかな。」
7 沢渡「平は飲む。折田は止めるが付き合う。」
8 市城「仲良しだよねー。」
9 沢渡「大学の同級生って言っていたけど」
「在学中は互いを知らなかったって。」
10 市城「そうなの?会社入ってからの知り合いなんだ。」
11 沢渡「平は新人研修一週間病欠して」
「合流した班に折田いたらしいよ。」
12 市城「病欠?一週間もどうしたの。」
13 沢渡「インフルエンザだったかな。」
「お互いあんな感じだからすぐに盛り上がったってよ。」
14 折田「沢渡ってさー何であんなに課長毛嫌いするんだ?」
15 平「見た目?」
16 折田「課長と一緒になったのは今の部署からだろ?」
17 平「聞いてないなー。」
18 折田「見た目程度で人を嫌うようなヤツじゃ無いだろ。」
19 平「あいつ元々男嫌いじゃん。」
20 沢渡「本社にいる頃少しだけねー。」
21 市城「でも沢渡さんて企画室で課長はずっと研究員だよね。」
22 沢渡「商品知識覚えるのに研究室には入り浸ってたわ。」
23 市城「それでマルチタスクなんだ。」
「その時何かされたとか?言い辛いなら」
24 沢渡「いやいや私が直接どうこうじゃ無いのよ。」
25 市城「お疲れさまー。」
26 平「お疲れーっす。」
27 折田「お疲れー。」
28 沢渡「一杯だけでよく耐えた。」
29 平「何で?グラス片付けてもらったのに何で?」
30 沢渡「折田。お前一度は止めたのに結局付き合ったな。」
31 折田「何だっ何処だっ何処にカメラ仕掛けたっ。」
32 市城「すごいな。」
33 沢渡「あの人さー」
「直の部下とか同僚の悪口を他の同僚に話すんだよ。」
34 平「あー聞いたことあるわー。」
35 沢渡「席外した人の悪口を」
「率先して残った連中に言ってるんだよ。」
36 市城「愚痴じゃなくて悪口なんだね。」
37 沢渡「ヘラヘラしながらその人を貶めてるから。」
38 折田「聞いてる連中は何も言わないのか?」
39 沢渡「クズでも上司だから難しいよ。」
「たちの悪い事に仕事は出来るんだよ。」
40 平「だよなー。結構重要な開発に携わってるよな。」
41 沢渡「人としてはクズで最悪のゴミ人間だけどな。」
42 折田「お前もいない奴の事結構言ってね?」
43 沢渡「折田、初日に撮影した課長の動画持ってきた?」
44 折田「あるよ。」
45 平「なにお前データ移したの?」
46 折田「沢渡に言われてな。」
「取り上げられる可能性もあるからって。」
47 平「そこまでしないだろ。」
48 折田「されたよ。スマホ取り上げられはなかったけど」
「録画してないかは聞かれた。」
49 平「聞いただけだろ?無いって言えばそれまでじゃん。」
50 折田「それがさあ。」
51 平「なんだよもう怖いよ。聞かせろよ。」
52 折田「カゴに入れてたスマホの場所がさー」
「変わってた気がするんだよなー。」
53 市城「僕達の誰かが置いた時に動いたとか。」
54 折田「俺が最後で昼休み最初だったんだよ。」
「まあ気の所為かも知れないけどな。」
55 沢渡「いや。気の所為じゃ無いよ。」
56 平「ええっ犯人お前なの?」
57 沢渡「違うわっ。」
「私のスマホも触られた形跡があるって言ってるの。」
58 市城「二人共ロック掛けてあるんでしょ?」
59 折田「まあな。」
60 沢渡「そりゃまあ一応ね。」
「ただ任意で中身見せろって言われたら困るでしょ。」
61 市城「年別で、その中に部署毎になってる。」
62 沢渡「ありがと。で折田の動画と。」
63 折田「身長の割に体重が酷い。」
64 平「生活習慣病の予防講習受けろって案内来てたな。」
65 市城「対象者は総務から全員に発送しているけど」
「義務じゃ無いから殆ど受けないよ。」
66 沢渡「基本だらしないからな。」
「机の上とかロッカーとか酷いじゃん。」
67 平「私物多かったよなー。」
68 折田「家に居場所が無いんだろ。可哀想な人なんだよ。」
69 沢渡「これが今日撮った動画。」
70 市城「痩せたねー。」
71 平「一日一度の点滴じゃあなー。」
72 折田「どうした?沢渡。」
73 沢渡「どうして歩いていられる?」
74 平「何?」
75 沢渡「普通は筋肉から落ちる。でも見て、」
「大腿四頭筋むしろパンプアップされていない?」
76 市城「痩せたって言うより引き締まってきた?」
77 平「最初のこれが裸だったらな。」
78 沢渡「止めろっ酒が不味くなるっ。」
79 折田「ゾンビ課長がマッチョになったて事?」
80 平「それを抑えるために食事を一度にしているって?」
81 市城「感じないじゃなくて本当に疲れていない。とか?」
82 平「いやいやいやいや。ステロイド投与とかじゃねえの?」
83 沢渡「まあ待て。筋力が勝手に増える筈は無い。」
「相応のタンパク質が必要なんだから。」
84 平「あれだ。味○素だ。」
85 折田「は?」
86 平「皿の上にあの白い結晶的なものをだな。」
87 市城「炙って吸うの?ダメだよそんな事しちゃ。」
88 平「吸わんっ。舐めるんだよっ。」
89 沢渡「ちょっと何を言っているのか判らない。」
90 平「何っお前知らないのか?」
「あれは幸せな気分になる粉なんだぞ。」
91 沢渡「確かに幸せそうな顔はしているが。」
92 折田「こっそり肉与えてるだけじゃね?
93 市城「点滴だよね。」
94 平「味○素って点滴できるの?」
95 沢渡「課長が研究開発していたのってハゲ治療だよな。」
96 平「治療ではなく予防だと何度言えば判る。」
97 沢渡「この部署に来る前何やってた?」
98 市城「痩せ薬の研究。サプリだから薬じゃないか。」
99 平「俺そこのヘルプに行って実験台にされるところだった。」
100 沢渡「されたからそんなだと思ってた。」
101 平「そんなって何だ。」
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